2021/07/30

不動産投資の種類をわかりやすく解説

不動産投資の種類を、それぞれの特徴・違いやメリット・デメリットや注意点、向いている人まで初心者にもわかりやすく解説します。不動産投資の種類ごとの利回りの目安の違いや節税効果の大きさの違いについても解説しますので、参考にしてください。

不動産投資の分類にはいろいろある

不動産投資とは、不動産を購入して運用・管理し、家賃収入や売却益を得る仕組みの投資のことです。一口に不動産投資と言っても、その分け方には様々あります。例えばマンション、戸建てといった建物の形に応じた区分や、住居、オフィス、店舗といった建物の用途に応じた区分、新築か中古かといった建物の状態に応じた区分、現物、REITなど投資の形態に応じた区分などがあります。本記事では、不動産投資について投資の形態に応じた区分で分けながら、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを解説していきます。

不動産投資を投資形態で分けると3種類

不動産投資を投資形態で分けると、大きく以下の3種類に分けられます。

1. 現物不動産投資

マンション、アパート、一戸建て、駐車場、民泊など、自らが不動産を所有し賃貸に出すことや売却することで利益を出す投資法のことです。一般的に「不動産投資」というとこの現物不動産投資のことを指す場合が多いです。また、現物不動産投資の中でも 

1. 区分マンション投資:アパートやマンションを1部屋単位で購入して賃貸に出す

2. 一棟投資:アパートやマンションを建物単位で購入して賃貸に出す

3. 戸建て投資:一戸建てを購入して賃貸に出す

以上の3種類が割合としては大きくなっています。現物不動産のメリットとしては、銀行からの借入を行えば少額の自己資本で大きな投資を行うことができること、減価償却による節税効果が見込めることなどがあります。逆に、デメリットとしては銀行から融資を受けられるとしてもある程度まとまった自己資本が必要とケースが多いこと、多くの不動産を所有することが難しいためリスク分散させにくいことなどが挙げられます。購入、運用、場合によっては売却という一連の作業を自ら行う必要があるため、投資と経営の両方の要素を必要とする投資方法です。

2. 証券化不動産投資

証券化不動産投資とはREITに代表される投資方法のことで、不動産の実物を個人で購入するのではなく、投資家から集めた資金でファンドが不動産を購入し、その収益を分配金という形で投資家へ還元するという仕組みの不動産投資です。証券化不動産投資のメリットとしては、現物不動産投資と比べて少額から投資が可能なこと、複数の不動産への分散投資が簡単に可能なことなどが挙げられます。反対にデメリットとしては、銀行融資が利用できる現物不動産投資ほどのレバレッジ効果は期待できないこと、現物不動産と比べると利回りがそこまで高くない傾向があること、などがあります。

3. 小口化不動産投資

小口化不動産投資とは、不動産クラウドファンディングに代表される投資方法のことで、特定の不動産の権利を小口化して投資するという手法のことです。少額から不動産投資が可能な点などREITと仕組みは似ていますが、REITは不動産投資を実施する投資会社に出資することで不動産ではなくあくまで投資会社の証券を買う仕組みですが、小口化不動産投資は実際の不動産に出資する仕組みになっています。そのため、小口化不動産投資で得られる収益は「不動産所得」となるのに対しREITで得られる収益は株式投資と同じく「配当所得」となります。

現物不動産の種類

ここからは、現物不動産の中の種類を解説します。現物不動産投資には大きく分けて8種類あり、それぞれに特徴があります。

1. 区分マンション投資

区分マンション投資とは、建物丸ごと一棟ではなく1部屋単位で物件を購入し、賃貸に出して収入を得ることです。マンションの間取りはワンルームタイプからファミリータイプまで様々あるので、物件のタイプによってターゲット層が異なるという特徴があります。1部屋単位で購入するため管理の手間があまりかからず、一棟投資と比べると物件価格も抑えられるため忙しいサラリーマンの人や、初めて不動産投資を行う人に特に向いています。


■区分マンション投資のメリット

1. 物件価格が安い 

一棟物件と比較すると、区分マンションは物件価格が安いことがメリットのひとつです。物件のタイプにもよりますが、ワンルームタイプであれば1,000万円台から取得が可能です。

2. 複数所有することで分散投資が可能

区分マンション投資は複数の区分を所有することでリスク分散することができます。1棟買いだと部屋数は多くてもすべてが同じ場所にあるためリスク分散しているとは言えませんが、区分マンションの場合は異なる場所の区分マンションを保有することで分散投資が可能です。

3. 耐用年数が長い

区分マンションは一般的にはRC造のものが多いため、耐用年数が長いのもメリットです。建物の寿命が長いので築年数が経過しても物件としての価値が下がりにくく、安定して長期間収入を得ることができます。

※建物の法定耐用年数

素材 耐用年数
木造 22年
軽量鉄骨(厚さ3mm以下) 19年
軽量鉄骨(厚さ4mm以下) 27年
重量鉄骨 34年
鉄筋コンクリート(RC) 47年


4. 建物全体の管理と修繕の必要がない

区分マンション投資は共用部の管理と修繕の手間がないのもメリットです。建物全体の管理と修繕は管理会社にて対応してもらえるため、一棟投資のように建物全体の修繕内容や修繕時期を決める必要がありません。

5. 物件数が多い

区分マンション投資は、一棟投資や戸建て投資と比べると圧倒的に物件数が多いです。投資用物件全体の物件数の約半数は区分マンションなので、需要が多く選択肢も多いというメリットがあります。


■区分マンション投資のデメリット・注意点

1. 空室リスクが大きい

区分マンション投資で1つの物件だけを所有している場合、空室になってしまうと家賃収入がゼロになってしまうため、1棟投資よりも空室時の減収リスクが高くなります。区分マンション投資は物件価格も安く参入しやすい投資方法ですが、1室だけ購入すると空室リスクも高くなってしまいますので注意しましょう。

2. 建物の管理に関する権限が限定的

区分マンション投資では建物全体の管理を行わなくてよいというメリットがありますが、逆に権限が限定的であるというデメリットがあります。入居希望者を増やすために建物の設備等を見直したくても、1区分の所有者にはそこまでの権限がありません。思い通りの運営ができないというのは区分マンション投資のデメリットと言えるでしょう。

3. 1棟投資と比べて利回りが低い傾向がある 

1棟投資と比べると、区分マンション投資は利回りが低い傾向にあります。新築か中古かによっても異なりますが、1棟投資の表面利回りがだいたい8~12%なのに比べ、区分マンション投資はだいたい6.5~9%となっています。一棟投資に比べて1部屋あたりの収益が小さい傾向があるのは区分マンション投資のデメリットです。

2. 一棟投資

一棟投資とは、建物を丸ごと一棟購入し、賃貸に出して収入を得ることです。建物丸ごと購入することで自分の裁量で自由に管理・運用することができる他、将来的にはその土地を他の用途で活用することも視野に入れることができます。だいたい3,000万円~1億円ほどの費用がかかるため、自己資金が多めにある人に向いています。

※主にアパートを一棟購入する一棟アパート投資と、マンションを一棟購入する一棟マンション投資がありますが、一棟マンション投資は資金の面で一般的な個人投資家にはあまり縁がないことが多いため本記事では一棟投資=一棟アパート投資とします。

■一棟投資のメリット

1. 自由に運営ができる

一棟投資の場合、建物全体の管理、修繕、設備の導入などすべてに権限を持って自由に進めることができます。その分意思決定が必要で区分マンション投資よりも手間がかかりますが、こだわりを持って進めたい人にはぴったりです。

2. 将来的に土地も活用できる

一棟投資の場合、その建物がある土地もオーナー単体の名義になります。そのため将来的には建物を解体して自宅にしたり、戸建て投資や駐車場投資に転用したりということが可能です。土地の所有がわずかになってしまい土地活用が難しい区分マンション投資にはないメリットと言えるでしょう。

3. 空室リスクが分散できる

一棟投資の場合、1部屋だけでなく複数の部屋を所有するため空室リスクを分散することができます。もし1部屋空室があったとしてもすべての部屋が空室になるわけではないので、よほどのことがない限り家賃収入が途絶えることがありません。


■一棟投資のデメリット・注意点

1. 物件(+土地)価格が高い

一棟買いは土地と建物を取得する必要があり、区分マンションよりも規模が大きくなるため費用が高くなります。だいたい3,000万円~1億円ほどかかるため、そもそもローンがそこまで組めないという人もいます。自己資金が多めにあったり、年収が高い人でないとチャレンジしにくい投資方法と言えるでしょう。

2. 維持管理の手間がかかる

一棟投資は自由度が高いというメリットがありますが、その分維持管理の手間とお金がかかるというデメリットもあります。実際の修繕や工事は管理会社が行いますが、様々な意志決定の機会がより多いのが一棟投資の特徴です。

3. アパートの場合、耐用年数が短い

アパートの場合、木造もしくは軽量鉄骨の建物がほとんどです。その場合耐用年数がマンションと比べると短く、年数が経過することで家賃下落率がマンションよりも大きくなる傾向があります。耐用年数を超えても住むことはできるので継続して貸し出すことはできますが、建物の資産価値が大きく減る場合もあるため気をつけましょう。

4. 流動性が低い(売却しにくい)

一棟投資の場合、区分マンションよりも金額がかなり高額になるため、売却時も買主が限られる傾向があります。次の買い手がなかなか見つかりづらいというのは一棟投資のデメリットです。

3. 戸建て投資

戸建て投資とは、一戸建ての住宅を賃貸に出して収入を得ることです。郊外や地方では数百万円から買える物件もあるなど、費用が低めでオーナーの思い通りにリノベーションなどを行うことができます。また、戸建ての場合住む人はファミリー層が中心のため、長期的に安定して収益をあげやすいという特徴があります。区分マンション投資と比べると管理の手間や費用が多くかかるので、自分でこだわって管理していきたいという人に向いています。

■戸建て投資のメリット

1. 資産価値が下落しにくい

戸建て投資は価格に占める土地部分の割合が特に大きいため、建物を含めた全体の資産価値も下落しにくいというメリットがあります。その分、売却時に思ったよりも高く売れることが多いです。

2. 比較的少額から始めることができる

戸建て投資の場合条件によっては数百万円程度から購入可能なので、自己資金が低めの人にも始めやすい投資です。しかしその分リノベーションや管理の費用がかかることもあるので、購入後にかかる費用もきちんと計算してから検討するようにしましょう。

3. 入居期間が長くなりやすい

戸建て投資はターゲットとなるのがファミリー層であることが多いため、一度入居が決まると比較的長期間安定して住んでもらえるというメリットがあります。そして戸建て物件はマンションのファミリータイプの部屋と比べるとまだまだ選択肢が少ないので、プライバシー性を求める人などに根強い人気があり、入居者も決まりやすい傾向があるようです。

4. 管理の自由度が高い

戸建て投資の醍醐味と言えば、オーナーの好きに管理ができるという点でしょう。築年数が経った戸建てでも「古民家風」などにリノベーションを行えば、付加価値となって魅力が増すことがあります。様々な個性が出しやすいのは戸建て投資のメリットです。

5. 駅近物件でなくても需要がある

区分マンション投資や一棟投資と比べると、戸建て投資は駅近かどうかというポイントがあまり重要ではありません。戸建て住宅を探している人は、子どもが小さかったりペットを飼っていたりなど、駅近かどうかよりも周囲に気を遣う必要の少ない環境かどうかを気にする人が多いからです。なので戸建て投資の物件を探す際は駅近かどうかよりも周囲の環境を重視する方が良い結果が得られやすいです。


■戸建て投資のデメリット・注意点

1. リフォーム費用がかかる

中古の戸建てを購入した場合、リフォーム費用がかかります。築年数が経っている場合必ず手を入れなくてはいけない水回りのリフォームだけで、だいたい200~300万円ほどかかります。もし部分的なリフォームだけでなく、全体的に手を加えるリノベーションになると1,000万円単位で費用がかかることもあります。戸建て投資を検討する場合、物件価格だけでなくリフォーム費用も併せて検討するようにしましょう。

2. 一棟投資と比べると投資効率が悪い

戸建て投資は1棟につき1件の家賃となるため、一棟投資と比べると投資効率が悪いというデメリットもあります。区分マンション投資もその点では同じですが、戸建て投資の方が手間がかかるためより効率の悪さを感じるかもしれません。

3. 築年数の古い物件だと不動産投資ローンが組めない場合がある

戸建て投資で気をつけなくてはいけないのは、不動産投資ローンが組めない場合があるという点です。特に、木造で中古の戸建投資では建物の法定耐用年数が22年と短いため、資産価値が少ないと判断されローンが組めないことがあります。そのため中古戸建て購入時にはある程度自己資金を用意しておくとよいでしょう。

4. 民泊

民泊とは、旅行者などがホテルや旅館ではなく一般の民家に宿泊することを指し、2015年頃から急速に盛り上がりを見せている投資方法です。米国発のAirbnbを筆頭に、一軒家や個別の部屋を貸したい人と旅行で泊まれる部屋を探している人とをインターネット上で結びつける仲介サービスが増えてきています。現在は新型コロナウイルスの流行拡大で外国人旅行客は低迷していますが、アフターコロナでは確実にインバウンド需要がこれまで以上に増加し、ホテルや旅館が不足になると言われています。特に観光地に近い土地がある場合や、使っていない一軒家がある場合などに向いている不動産投資方法です。

参考:民泊制度ポータルサイト(観光庁)

■民泊のメリット

1. 将来性が未知数

民泊はまだまだ新しい不動産投資のスタイルで、どこまで伸びる市場なのかが読めません。また、現状空き家となっていたり住宅としては借り手がつかない物件でも、民泊としては需要が高い可能性もあります。今までの不動産投資の枠に収まらない可能性を秘めているのが民泊のメリットと言えます。

2. 収益性が高い

民泊施設は、実質利回りが10%を超えることも少なくなく、他の不動産投資と比べて収益性が高いと言われています。特に築年数が経っている物件だと、賃貸物件として貸し出す場合家賃をだいぶ下げなければ借り手がつかないことが多いですが、民泊として運営すれば立地さえ良ければ宿泊費を高く設定しても需要があることもあります。賃貸としてなかなか需要がなかった物件こそ民泊を検討するべきケースがあるということです。

3. 業務の大半が外注可能

民泊では他の不動産投資にはない業務が色々とありますが(消耗品の補充、毎回の掃除、ゲストとのやり取り、問い合わせ対応等)、大半は外注が可能でオーナーは意思決定のみで運営が可能な点もメリットです。


■民泊のデメリット・注意点

1. 民泊の要件を満たす必要がある

民泊として建物を活用するためには、いくつかの要件を満たしていないといけません。まず、民泊として利用することができるのは「キッチン、バスルーム、トイレ、洗面設備を備えた住宅」のみです。それ以外にも、民泊の規模によっては一般の住宅には備えられていない自動火災報知機や誘導灯などの消防設備の設置が必要な場合があります。一般的な賃貸物件には求められていない条件を備えることが必要な場合もあるので、民泊を検討する場合には要件をよく確認しましょう。

2. 立地により収益性が大きく異なる

他の不動産投資でも言えることではありますが、民泊は特に立地が重要なポイントになります。多くの利用者は観光時に民泊を利用するので、観光地からアクセスしやすいかどうかがまずは重要です。また、民泊の場合場所によって民泊特区かどうかが異なり、民泊特区以外の場所では年間180日しか民泊として営業することができません。年間の半分しか営業できないと収益も少なくなってしまうため、物件の場所が民泊特区かどうかも重要なポイントとなります。

3. 近隣との様々なトラブルリスクがある

民泊施設は外国人が宿泊することも多いため、文化の違いから施設の使い方でトラブルとなる可能性もあります。また、マンションの一室を民泊施設としている場合騒音などで近隣住民とのトラブルになることもあります。入れ替わり立ち代わり違う人が利用することになる民泊では、このようなトラブルリスクは高いと言えるでしょう。

4. 開始までに時間がかかる

民泊施設は他の不動産投資方法と比べて、自治体の窓口への届出や消防署での確認作業など、特別な届出が必要になります。賃貸としてではなく宿泊所として運営を行うため当たり前ではありますが、民泊事業が開始できるようになるまでは他の不動産投資と比べると時間がかかる傾向があります。

5. シェアハウス

シェアハウスも、民泊と同じく近年盛り上がりを見せている不動産投資方法の一つです。シェアハウスとは、一つの建物の中にプライベートが確保された個々の部屋と、リビング・キッチン・バス・トイレなどの共用設備を備えた賃貸物件のことを指します。設備が共有のため家賃が安く抑えられていることが多く、特に若者の間で人気となっており、2013年から2020年でシェアハウスの物件数は約2倍にまで増えました。また、コロナ禍の中でも共用部をワークスペースとして活用するためにシェアハウスを選ぶ人が増えており、今後も拡大が予想されています。コンセプトや設備の内容が集客に直結してくるため、こだわりを持って施設を運営していきたい人に向いています。

■シェアハウスのメリット

1. 修繕費が安い(設備が少なく済むため)

シェアハウスでは設備が共用のことが多いため、それぞれの修繕・管理費用が一棟投資などと比べて安く済む傾向があります。

2. 付加価値がつけやすい

例えば料理好きな人のためにキッチン設備が充実したシェアハウスや、女性専用でコミュニティルームがあるシェアハウス、映画好きの人のためにホームシアター設備があるシェアハウスなど、付加価値を付けやすいのもシェアハウスのメリットです。通常の賃貸アパートなどでは駅近かどうかで物件価値が大きく変わってきますが、シェアハウスの場合駅から距離があってもこのような付加価値で高い集客力を持つ場合もあります。

3. 一棟投資と比べて利回りが高い傾向がある

シェアハウスは共用の設備+個人のプライベートルームという設計で、個々の部屋は通常の賃貸と比べると狭いことが多いです。そのため部屋数を多く作ることができ、一棟投資と比べて利回りが高い傾向があります。


■シェアハウスのデメリット・注意点

1. 入居期間が短い傾向がある

シェアハウスでは他の一棟投資等の物件と比べ、入居期間が短い傾向があります。そのため頻繁に空室になってしまうリスク、入居者募集を度々行う必要があるといった注意点があります。

2. 入居者同士のトラブルリスクがある

シェアハウスでは水回り等の設備が共用のことが多いため、入居者同士でトラブルになるリスクが通常の賃貸物件より多くあります。これは生活ルール等をしっかりと取り決めた上で入居者募集を行うことで、ある程度のリスクを減らすことができます。

3. 賃貸住宅とは異なる知識が必要

シェアハウス運営を行う場合、建物は寄宿舎扱いとなり、建物規模や床面積に応じて消防法や建築基準法の基準を満たすように設計しないといけません。そのため既存の住宅をシェアハウスに転用する場合は、大規模な改修が必要な場合もあります。このようにシェアハウスは通常の賃貸物件とは法律もノウハウも異なるので、業者を選ぶ場合にはシェアハウスでの実績のある会社を選びましょう。

6. 駐車場(コインパーキング)・駐輪場

駐車場(コインパーキング)・駐輪場は、気軽に少額で始められる不動産投資方法です。住宅には向かないような土地の形、面積でも行うことができるので、今まで活用できていなかった土地を持っている人、初期費用がかけられない人などに向いています。大規模な工事が必要ないので、開始までの期間が早いのも特徴です。特に駐輪場であれば、土地があれば2週間ほどで開始できる状態になると言われています。

■駐車場(コインパーキング)・駐輪場のメリット

1. 初期費用が少ない

駐車場・駐輪場は、土地さえあれば整地するだけでよいので初期費用が少なくてすみます。また、コインパーキングであればフランチャイズに委託することができるため、初期費用をほぼかけずに始めることも可能です。

2. 管理が容易

他の不動産投資方法と比べ、管理することがほぼなくトラブルも起こりにくいので手間がかかりません。その分リターンも低めで大きな利益は見込めないですが、不動産投資の中ではローリスク・ローリターンの安定した方法であると言えるでしょう。

3. どんな土地でも活用できる

住宅としては活用できない狭小地や変形地でも、駐車場・駐輪場としてなら活用できることもあります。また、駅近かどうかは関係なく需要があるので、住宅としては需要がなかった駅から遠い土地でも活用できるメリットもあります。


■駐車場(コインパーキング)・駐輪場のデメリット・注意点

1. 立地条件が収益に大きく影響する

駐車場や駐輪場はどんな土地でも活用できるというメリットがありますが、逆に近隣のリサーチをしてから始めないと立地条件によっては収益がなかなか上がらないというリスクもあります。近隣の駐車場がどれくらいあるのか、その運用形態などをきちんとチェックして、その土地に適した値段・形態で始めることが必要となります。

2. 大きな収益にはならない

駐車場・駐輪場は月極やコインパーキングなど形態は様々ですが、すべてのスペースが埋まっていたとしても他の不動産投資方法と比べて大きな収益にはなりにくいです。

3. 節税効果が薄い

駐車場・駐輪場は固定資産上は「更地」という評価になり、税制優遇が受けられません。また、相続税対策としても「更地」の評価となり、賃貸住宅と比べると節税効果が薄いというデメリットがあります。

7. 福祉施設

福祉施設を建設して運営する投資方法も、注目を集め始めています。提供サービスの違いによって、個人で運営できる福祉施設は大きく分けて以下のように分類されています。

名称 施設の内容
サービス付き高齢者向け住宅 介助されなくても生活のできる健康な高齢者が居住するための住宅
デイサービス 在宅で介護されている高齢者に向けて入浴や食事などのサービスを提供するための施設
グループホーム 主に認知症を抱える高齢者が専門スタッフの援助を受けられる施設
障がい者グループホーム 障がい者向けの、生活支援付きシェアハウスのような施設


超高齢化社会が進んでいる日本では、高齢者向けの施設がこれからどんどん足りなくなると言われています。障がい者向けの施設についてもまだまだ足りておらず、グループホームは入居待ちの人が多くいるのが現状です。土地を活用できると同時に社会貢献もできるので、意義の大きい不動産投資です。

■福祉施設のメリット

1. 政府の支援が受けられる

現在、政府は高齢者向けの福祉施設の拡大に積極的な姿勢を見せています。条件を満たせば建設費用の補助や特別な融資が受けられるため、賃貸用のアパートやマンションを建てるよりも安価になる場合もあります。

2. 将来にわたり需要が大きい

高齢化社会がこれからも進む限り、福祉施設の需要は減ることはありません。今後も長期的に安定した需要が見込めるのは福祉施設のメリットと言えるでしょう。

3. 立地が悪くても問題がないことが多い

福祉施設の場合、駅近かどうかや周辺の利便性はあまり関係がありません。賃貸向けの住宅としては不向きな土地でも、閑静な土地であれば福祉施設として活用することができます。

4. 社会貢献度が大きい

福祉施設として高齢者や障がい者が利用できるようにすることは、施設が足りていない現状において社会貢献度の大きい投資方法です。社会問題の解決にも関係する点は他の不動産投資にはないメリットです。


■福祉施設のデメリット・注意点

1. 建物を他の用途に転用しにくい

福祉施設として利用した建物は、もし運営がうまくいかなかった場合等でも他の用途に転用しにくいというデメリットがあります。

2. 補助金を受けるには、10年以上施設運営が必要

福祉施設を運営する場合、新築建設費や改修費用等に政府から補助金が出ます。しかしこの補助金は10年以上福祉施設として登録される場合に限ります。そのため補助金を受けながら運営を行いたい場合は、少なくとも10年間は運営する前提で計画しなければなりません。

3. 福祉施設独特のノウハウ、手間が必要

福祉施設の運営には入居者の集客の他にもスタッフの募集・育成、サービス提供など独特のノウハウや手間が必要です。特に最近は人材の確保が困難であることが問題視されており、海外の人材に頼る施設も出てきています。独自の管理や手間が必要となる点はデメリットと言えるでしょう。


8. トランクルーム

トランクルームとは、土地にコンテナを設置して収納スペースを貸し出す投資方法です。駐車場や駐輪場と同じく建物を建てる必要がないので初期費用が抑えられ、自己資金の少ない人でも始めやすいという特徴があります。家を広く使い、収納スペースは別で確保したいという需要が昨今大きくなってきているため、トランクルームの需要は増えてきており、今後も注目が予想される不動産投資方法です。

■トランクルームのメリット

1. トラブルの可能性が少なく、管理の手間が少ない

トランクルーム投資ではそこに人が住むわけではないので、トラブルの可能性が少なく手間がほとんどかかりません。ルールをしっかり設けてセキュリティ面に気を配れば、初心者でもトランクルーム運営はあまり難しくないと言えるでしょう。

2. 競合が比較的少ない

トランクルームはアメリカで始まったビジネスですが、日本ではまだ歴史が浅く数が少ない状況です。今後も成長の余地があることを考えると、トランクルームは魅力のある投資方法であると言えるでしょう。

3. 極狭の土地でも始められる

駐車場・駐輪場投資と同じく、トランクルームは住宅に不向きな土地でも活用することができます。また駅近でなくても住宅が多い場所であれば需要が見込めるので、立地にあまり左右されない点もトランクルームのメリットです。


■トランクルームのデメリット・注意点

1. 集客力(広告力)が弱い

トランクルームはまだ歴史の浅いサービスであるために、大手の集客サイト等広告を出せる場所がまだ少ないのがデメリットです。利用者が集まらないと利益につながらないため、集客の方法は工夫する必要があります。

2. 節税効果が少ない

駐車場・駐輪場と同じくトランクルームは賃貸住宅としての評価がされないため、固定資産税や土地計画税等の節税効果がありません。

3. 金融機関からの融資を受けにくい

トランクルームは賃貸住宅と比較して担保としての価値が低いので、金融機関からの融資が受けにくいというデメリットがあります。かかる初期費用は賃貸住宅よりも少なく済みますが、自己資金は多めに必要となる可能性があります。

証券化不動産投資の種類

ここからは、証券化不動産投資について解説します。

1. REIT(不動産投資信託)

REITとは、投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど不動産の購入や運営を行い、賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当を行う投資信託のことです。運用を行うのはファンドマネージャーなので、REITを購入しても実際に自分で不動産を取得したり運用するわけではありません。日本では2001年9月に初めて市場が開設され、国内のREITはJAPANの頭文字をつけて「J-REIT」と呼ばれています。証券会社等を通じて1口約2万円~購入することが可能で、少額から不動産への投資を行うことができるのが特徴です。

※REITは証券取引所で売買が行われる商品ですが、非上場で限られた機関投資家などしか購入することができない私募REIT、私募ファンドといった商品も存在します。

■REITのメリット(現物不動産投資と比べて)

1. 少額から不動産投資が可能

不動産投資というとどうしても多くの自己資金を必要とするイメージがありますが、REITであれば資金が少ない人でも少額からの投資が可能です。

2. 流動性が高い

REITは証券化されているので、常に売買を行うことができます。実物不動産の場合は買いたい、売りたいと思ったときから実際に売買が成立するまでにどうしても時間を要しますが、REITであれば毎日売買が可能です。この流動性の高さはREITのメリットと言えます。

3. 分散投資が簡単に行える

現物不動産投資の場合複数の物件を所有しないとリスク分散をすることができませんが、REITであればそもそも複数の不動産へ分散された投資信託であるため、1口買うだけでも簡単に分散投資を行うことができます。

4. 手間が不要

現物不動産のオーナーとなる場合、管理を業者に委託するとしても細かな意思決定を行う手間がかかりますが、REITの場合はファンドが運用を行うため購入後の手間はかかりません。REITは時間がない人にこそ向いている不動産投資方法です。


■REITのデメリット・注意点(現物不動産投資と比べて)

1. 現物不動産よりも利回りが低い傾向がある

REITの利回りは銘柄によってそれぞれ異なりますが、だいたい3%~6%の間となっています。現物不動産投資も物件によって利回りは異なりますが、REITよりは高くなる傾向があります。ローンを組むわけではないのでレバレッジ効果が見込めず、想定される利益が現物不動産投資より低いというのはデメリットです。

2. 市場次第で大きく値を下げる可能性がある

毎日取引が行われていて流動性が高いのはREITのメリットですが、市場次第で短期間で大きく値を下げる可能性もあるのはデメリットでもあります。現物不動産では家賃も売却時の価格もだいたいの相場があり、何か想定外のことが起こらない限り大きく値が下がることはないのですが、REITの場合は市場次第であり得るというのは注意すべきポイントです。

小口化不動産投資の種類

ここからは、小口化不動産投資について解説します。

1. 不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、主にネット上で小口化不動産投資を行える仕組みのことです。一つの対象不動産に対して共同で出資し支援者という形で投資することで、利益が出た際に投資家に配分されます。「クラウドファンディング」と似た言葉として「ソーシャルレンディング」がありますが、ソーシャルレンディングは「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれ、返済の義務のある資金を不特定多数の出資者から提供を受ける仕組みのことを言います。ソーシャルレンディングは金融商品としての位置づけがされていますが、クラウドファンディングの場合は金融商品としての位置づけではなく、対価はモノやサービスで行われるという特徴があります。

■不動産クラウドファンディングのメリット(REITと比べて)

1. 価格が変動しない

REITは日々価格が変動するのに対し、不動産クラウドファンディングの場合は一口あたりの価格変動はありません。募集開始時の価格を見て投資するかどうかを判断し、あとは配当金と出資金が戻ってくるのを待つだけなので、相場を確認したり、売却益を狙うタイミングを見計らったりといった手間がかかりません。

2. 対象不動産の情報を詳細に確認できる

REITの場合、運用する不動産の種類や所在地などはわかりますが、それ以上詳細な情報はわからないことが多いです。しかし不動産クラウドファンディングの場合、対象となる不動産の情報を詳細に確認することができます。竣工日や入居状況などまで把握し、投資するべき物件かどうかを判断できるというメリットがあります。

3. 損失の範囲が限定されている

不動産投資型クラウドファンディングでは、ほとんどの運営会社が「優先劣後方式」を採用しています。優先劣後方式とは運営会社側が投資家の出資金だけでは不足する資金を劣後出資という形で補填するという仕組みのことを指し、もし対象不動産の価格が値下がりしたとしても、劣後出資を行った不動産投資型クラウドファンディング会社が値下がり分の損失を負う仕組みになっています。そのため投資家に損失が起こりにくくなっており、この点はREITにはないメリットです。


■不動産クラウドファンディングのデメリット・注意点(REITと比べて)

1. 売却益を狙えない

REITの場合、証券市場に上場しているためうまくいけば売却益(キャピタルゲイン)が期待できますが、不動産クラウドファンディングは一口あたりの金額が変わることはないため、売却益を狙うことができません。売却益を狙うことができないのは不動産クラウドファンディングのデメリットの一つです。

2. 1口だけでは分散投資にならない

少額から不動産投資が行えるという点ではREITも不動産クラウドファンディングも同じですが、1口買うだけで分散投資となるREITとは異なり不動産クラウドファンディングは基本的にひとつの不動産に対して1口単位で投資するため、1口だけでは分散投資にならないという点も注意すべきポイントです。

3. 運用期間中に解約することができない

不動産投資型クラウドファンディングでは、原則として運用期間中の解約ができません。一方REITの場合は証券市場で自由に売買できるため、現金化が容易です。不動産クラウドファンディングは一度投資を行うと期間中は現金化することができないため、よく検討してから投資するようにしましょう。

種類によって大きく特徴が異なる不動産投資

不動産投資の種類について解説しました。不動産投資は種類によってメリット・デメリットが大きく異なり、向いている人も様々であることがわかるかと思います。不動産投資を検討する場合は、種類を理解した上で自分の状況に合った方法を選択しましょう。


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