2022/04/22

戸建て投資のメリット・デメリット

不動産投資における、戸建て投資のメリットとデメリットについて解説します。一戸建てを購入し賃貸に出す戸建て投資はあまり不動産投資初心者向けと言われることはないですが、価格の安さ・利回りの高さから近年人気が徐々に高まってきています。魅力や注意点を含め初心者にもわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

戸建て投資とは

戸建て投資とは、不動産投資の中でも一戸建てを購入して第三者に貸し出し、家賃や売却益を利益として受け取る投資方法のことです。子どもやペットがいる人にとって、気を遣うことなく住むことができる一戸建ては魅力的な選択肢です。また、コロナ禍によってテレワークが推奨されたことで、部屋数が多く個人のスペースを取りやすい一戸建ては注目度が上がってきています。

戸建て投資には新築と中古の選択肢がありますが、新築戸建ては投資用としての選択肢が少なく、金額も高く戸建て投資のうまみが少ないことが多いです。そのため本記事では主に中古戸建て投資に限定したメリット・デメリットについて解説します。

参考記事:

戸建て投資で失敗する6のパターンと成功率を上げるための5つのポイント

戸建て投資は新築と中古のどちらが良いのか?メリット・デメリットを比較


戸建て投資のメリット

1. 物件価格が安い

戸建て投資は、他の不動産投資と比べて物件価格が安く購入できるというのが最大の魅力です。なぜ価格が安いことが多いかと言うと、木造の一戸建ては鉄筋コンクリート造りのマンション等と比べると法定耐用年数が22年と短いため建物価格の下落が早く、中古になると大幅に物件価格が安くなるためです。築古の戸建てであれば100万円程度から購入できる場合もあります。物件価格が安い分、複数購入して分散投資がしやすいというメリットもあります。

2. 立地の影響が少ない

戸建て投資の場合、ワンルームマンション等と比べると立地の影響が比較的少ないというメリットがあります。駅から多少遠くても、静かな周辺環境やペットや子ども可の環境があれば需要があるというのが戸建ての特徴です。駅近かどうかは戸建ての場合あまり重要ではありませんが、子どもがいるファミリーの場合校区がどこであるかがポイントになることもあるので、戸建て投資を検討する場合は校区とその学校の評判も調べておくとよいでしょう。

■戸建て物件で重視されるポイント

1. 閑静な住環境かどうか

2. 子供、ペットが騒いでも大丈夫な環境かどうか

3. 希望する小中高の学区かどうか

4. スーパー、商業施設、国道に近いかどうか

3. 安定して需要がある

単身者が増えていくことが予測されている現代日本では、ワンルームマンションの需要が今後も伸びていくと見込まれています。しかし、小さい子供がいる、ペットがいる等の理由で一戸建てのみを選択肢として考えている人も必ずいて、そういった意味では戸建ても安定した需要があると言えます。マンションと比べると騒音などを気にせずのびのびと暮らすことができるので、特にステイホーム時間が増えたコロナ禍では一戸建ての人気は上がってきています。需要はあるのにワンルームマンションと比べると一戸建ての物件数は少ないため、空室も比較的埋まりやすいと言えるでしょう。

4. 入居期間が長くなりやすい

入居者にファミリー層が多い戸建て投資では、入居期間が長くなりやすく安定して収入を得られるというメリットもあります。主に単身者が住むワンルームマンションの場合は結婚や異動、転職等でだいたい2年~4年のサイクルで空室が発生すると言われています。入居者を募集しなければいけない頻度が多い分手間もかかりますが、戸建て投資であれば一度決まれば10年単位で住んでもらえることが多いという特徴があります。しかし戸建て投資の場合、家族全員分の意志決定が必要になるため、入居期間は長い傾向がありますが入居が決まるまでの期間はワンルームマンション等よりも長いと言われています。

5. 資産価値が下落しにくい

戸建て投資は土地+建物がすべてオーナーの所有になるため土地部分の評価が大きくなり、資産価値が大きく下落しにくいという特徴もあります。戸建ては木造建築(法定耐用年数22年)が多いため建物部分は経年劣化によって資産価値の下落が起こりますが、土地部分は経年劣化が起きず資産価値が落ちません。

6. 出口戦略の幅が広い

一棟アパートや区分マンションを売却する場合、取引の相手は同じ不動産投資家ということが多いですが、戸建ての場合は不動産投資家に加え一般の人(自分が住むために購入する人)も対象になります。また、戸建ての場合はなかなか気に入る物件に出会えることがないことから、賃貸で住んでいた家族がそのまま購入希望となるケースも多いようです。出口戦略の幅が広いというのは戸建て投資のメリットの一つです。

7. 思い通りの管理・リフォームができる

中古戸建て投資を行う場合、建物を自由に管理・リフォームできるというメリットもあります。区分マンション投資だとオーナーの権限は1部屋のみですが、戸建て投資であれば土地と建物すべてに権限を持って管理することができます。一棟アパート投資の場合も管理権限は大きいですが、全体に手を加えるようなリフォームは一棟の場合費用も膨大になってしまいます。程よい規模感で自由に管理ができるというのが戸建て投資の魅力と言えるでしょう。

戸建て投資のデメリット

1. 修繕費が高くなりやすい

中古の戸建て投資は物件価格が安いのがメリットですが、その分修繕費用が嵩みやすいというデメリットもあります。全体的にリノベーションを行うと500万円~1,500万円ほどかかる場合もあります。戸建て投資を検討する場合は、物件価格だけを見て判断するのではなく、かかってくる管理費用も考慮して物件を選ぶようにしましょう。

修繕を行う際、以下のような修繕内容の場合は自治体から補助金が出る可能性があります。よく確認し、制度が利用できる場合は申請するようにしましょう。

※自治体によっては自身が住む住宅にのみ補助金が適用され、投資用物件は対象外の場合もありますので、注意してください。

・バリアフリー

・耐震補強

・窓・壁・床等の断熱化

・LED照明器具設置

・高断熱浴槽設置

参考例:

墨田区HP 地球温暖化防止設備導入助成制度

品川区HP 住宅改善工事助成事業

2. ローンが組みにくい

戸建て投資は特に中古の場合物件価格があまり高くなく、担保評価を得られにくいことからローンを組めない場合があります。金融機関にもよりますが、戸建て投資を検討する際はローンが組めない場合もあるということを認識しておきましょう。ローンのレバレッジ効果を使うことができないのはデメリットですが、現金一括で購入することで大幅な値引き交渉が可能な場合もあります。

※連棟式(長屋)戸建て、再建築不可の戸建てに関してはローンがほぼ100%組めないため、現金一括購入のみ可能です。

3. 物件数が少ない

マンションに比べ、一戸建ては物件の数が少ないのもデメリットの一つです。東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」によると、中古のマンションが毎年約13~20万軒新規で登録されているのに比べ、中古の一戸建ては毎年約5万~7万軒登録に留まっています。物件の選択肢が少ないというのはそれだけ良い物件に出会える可能性が少ないということなので、戸建て投資を行う場合は物件の選定により慎重になる必要があります。

一戸建ては物件の選択肢は少ないですが、居住者側の注目度は上がってきています。SUUMOが行った「第2回コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」の結果では、マンションか一戸建てかの選択で、一戸建て派が新型コロナウイルス流行前の56%から61%と大幅に増えています。また、今までは一戸建てというと3人以上のファミリー層が中心でしたが、夫婦2人暮らしの場合も一戸建てを選択する人が増えるなど、一戸建ての人気は上昇しています。

参考:第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査

4. 管理に手間がかかる

区分マンション投資など他の不動産投資と比べると、戸建て投資は管理に手間がかかるという点もデメリットとして挙げられます。前述した修繕等のメンテナンスの他に、例えば隣地との越境問題、下水道管の管理などを行う必要があります。また、もし中古戸建てを購入して貸し出す前に修繕が必要な場合は、当然ですが修繕が完了するまでは貸し出すことができません。購入したあとも数ヶ月単位で収入が無いと考えると、効率が良い投資とは言えない場合があります。戸建て投資は管理に手間と時間がかかる可能性がある、という点は覚えておきましょう。

戸建て投資の魅力と注意点を把握しよう

戸建て投資のメリット・デメリットについて解説しました。徐々に注目が集まってきている一戸建ては投資対象としても魅力的な点が多くあります。戸建て投資独特のメリット・デメリットを理解して納得できる不動産投資を行いましょう。

HOME記事一覧Page Top