2022/04/25

戸建て投資は新築と中古のどちらが良いのか?メリット・デメリットを比較

戸建て投資において、新築物件と中古物件のメリット・デメリットの違いを解説します。近年では利回りの高さから「ボロ戸建て投資」という方法が注目されていますが、戸建て投資は新築も選択肢として存在します。コロナ禍を経て人気が高まっている戸建て投資について、初心者にもわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

戸建て投資とは

戸建て投資とは、不動産投資の中でも一戸建てを購入して第三者に貸し出し、家賃や売却益を利益として受け取る投資方法のことです。子どもやペットがいる人にとって、気を遣うことなく住むことができる一戸建ては魅力的な選択肢です。また、コロナ禍によってテレワークが推奨されたことで、部屋数が多く個人のスペースを取りやすい一戸建ては子供がいる家庭のみならず、夫婦2人の家庭でも注目度が上がってきています。本記事では戸建て投資について、新築と中古それぞれのメリット・デメリットを解説します。

参考記事:

戸建て投資と区分マンション投資の違い

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新築戸建て投資のメリット

1. 家賃を高く設定できる

新築戸建て投資のメリットは、比較的家賃を高く設定できる点です。どのような不動産でも新築物件は需要が大きいため、中古物件の相場より高めに家賃を設定できるケースが多くなります。中古の戸建てだと100㎡を超える物件でも家賃は月10万円程度となることが多いですが、新築の場合場所によっては15~20万円を超える価格での設定が可能です。

2. 修繕費用がかからない

新築戸建て投資を行う場合、はじめは修繕費用がかかりにくいというメリットもあります。最近の家の素材は進化していて、メンテナンスの必要な年数も年々長くなってきています。築年数が経過した中古戸建てを購入する場合と比べると、管理費用が圧倒的に少なくて済むのは新築戸建ての大きなメリットです。

また、新築戸建て投資の場合は建築段階からこまめに工事の状況を見ることも可能なため、瑕疵がないかなどの確認がしやすくなり、より安心して運用を行うことができるというメリットもあります。

3. 長く収益物件として貸し出せる

木造戸建て住宅の法定の耐用年数は22年ですが、適切に管理を行うことで22年を過ぎても安全に貸し出し続けることができます。木造新築の戸建てを購入することで、より長い期間収益物件として貸し出せるというのもメリットの一つです。現代では木造建築でも、構造体に使われている木材に腐食の被害がなければ80年以上経っても住むことができると言われています。水回り等の設備については10年~20年サイクルでリフォームが必要になりますが、そのサイクルに合わせて屋根や柱、床下など家の基礎となる部分も丁寧に点検を行い、建物が長持ちするようにしましょう。

4. 比較的流動性が高い

もし不動産投資でワンルームマンション投資を行う場合、出口戦略を考えると同じような個人投資家への売却が主な選択肢となります。しかし新築戸建て投資の場合、例えば購入後数年経過して売却を考えた際に個人投資家だけでなく、自身で住むための住宅を探している一般の人も選択肢に入ります。新築~築浅の一戸建てであればローンも問題なく組める場合が多く、築年数の経過とともにローンを組むことが難しくなってくる中古戸建てよりも購入できる人の範囲も広くなります。中古戸建て投資と比べると比較的流動性が高いというのも新築戸建て投資のメリットです。ただこれは築浅の状態で売却を考えた場合のみになりますので、注意してください。

新築戸建て投資のデメリット

1. 物件が高い(利回りが低い)

新築戸建て投資のデメリットは、なんといっても物件が高額な点です。地方であっても新築戸建ては1,500万円~、首都圏であれば3,000万円~の金額が必要になります。2021年7月の首都圏の新築一戸建て平均価格は3,855万円となっており、前年度の3,729万円と比べると約3%上昇しています。需要の上昇や素材価格の高騰など理由は様々あると言われていますが、しばらくはこの価格上昇傾向が続くと予測されていますので、新築戸建て投資で物件価格を抑えるのは難しいと言えそうです。

参考:東京カンテイ プレスリリース/新築一戸建て住宅平均価格

2. リスクが高い

戸建て投資の成功の秘訣は、いかに物件価格を抑えて高利回りで運用できるかという部分が大きく関わってきます。その点から見ると新築戸建ては物件価格を下げづらく、入居者を1から探さなくてはいけないという面もあるので中古戸建てと比べてリスクが高い傾向があります。

3. 選択肢が非常に少ない

空き家の中古戸建ては2018年時点で約300万戸あり、年々その数は増加しています。それに対して年間の新築一戸建て件数は約12万件となっており、新築一戸建ての選択肢は中古と比べると少なくなっています。土地を元々持っていて、そこに一戸建てを建てるのであれば理想の住宅を建てられる可能性は高くなりますが、現在建てられている建売一戸建てから条件に合う物件を探すのはなかなか難しいと言えるでしょう。

参考:ニッセイ基礎研究所「空家法施工後の空き家の現状」

中古戸建て投資のメリット

1. 物件が安い(利回りが高い)

中古戸建て投資のメリットは、物件価格が安く表面利回りが15%以上といった高い利回りでの運用も可能なことです。空き家で今まで活用されてこなかったような物件であれば、数十万~数百万円で購入可能なことも多く、リフォーム費用がかかったとしても高い利回りを維持したまま運用することができます。このようなお宝物件が全国に眠っているというのが中古戸建て投資のメリットです。しかし、いくら安いといっても賃貸需要がない場所の物件を購入してしまうと空室が続くリスクが高くなってしまいます。周辺環境をよく確認し、物件をよく見極めることが大切です。

2. 選択肢が多い

中古戸建ては新築戸建てと比べると選択肢が多く、希望に合う物件を見つけられる可能性が高いというのもメリットの一つです。ただ、長年空き家だったような物件は建物の劣化が進んでいる場合も多いため、購入前のチェックは入念に行うようにしましょう。以下のような中古戸建て物件は、耐震性に不安があったり建て替えの必要がある場合があり、いくら安くても購入はおすすめしません。

・奇抜な形状である(一階と二階のバランスが悪い等)

・窓の量が多く、壁が少ない

・床下に湿気がある

・明らかな雨漏りがある、または天井にシミがある

・床の傾きがある

3. 自由にリノベーションできる

例えば中古マンション投資をしている場合、リフォームやリノベーションを行う場合は管理組合の決議が必要となります。しかし中古戸建て投資の場合は自身のみで判断が行えるため、法律の範囲内であれば好きなようにリフォームやリノベーションを行うことができるというメリットもあります。見た目の古さを残しながらリフォームを行うのか、外観含めて大幅にリノベーションを行うのか、オーナーの意志次第で自由に物件を蘇らせることができます。リフォームをどこに頼むのか、自身で行う部分を作ったりして費用も調整できるというのも中古戸建ての魅力と言えるでしょう。

中古戸建て投資のデメリット

1. 再建築不可の物件が多い

再建築不可の物件が多いというのは中古戸建て投資のデメリットの一つです。再建築不可の物件とは、法律上現在ある建物を壊して新たな建築ができない物件のことを指します。主に再建築不可となるのは建築基準法上の道路(幅員4m以上の公道)に2m以上接していない敷地に建っている物件で、火災や緊急時などに消防車や救急車等がスムーズに住宅に入れない可能性があるという理由から再建築不可となっています。現在建っている建物は取り壊す必要はないのですが、新たな物件は建てることができないのでより管理が大切になります。

再建築不可物件はその特性から格安で販売されていることが多いのですが、建物の劣化具合を慎重に見極める必要があり、高い利回りで運用できる可能性もあるのですが、安定した利益を出すのが難しい物件であると言われています。絶対に買ってはいけないというわけではありませんが、再建築不可かどうかは必ず確認するようにしましょう。

2. 修繕コストが高額になる場合がある

中古戸建て投資はリフォーム・リノベーションを自由に行えるのがメリットですが、そのコストが高額になりやすいというデメリットもあります。特に物件を全体的に改修するリノベーションだと、1,000万円単位で費用がかかることも多いです。物件価格が安かったとしても、修繕費用が嵩むと一気にキャッシュフローが悪化しますので物件購入前にどのくらいの修繕費用がかかりそうかという予測も立てておくと安心です。自身で判断が難しい場合は、ホームインスペクションを依頼すると修繕の必要な箇所やだいたいの費用まで計算してもらえますので、検討してみるとよいでしょう。

3. ローンが組みにくい

中古戸建て投資はローンが組みにくいのもデメリットの一つです。特に中古の戸建て投資は物件価格があまり高くなく、担保評価を得られにくいことからローンを組めない可能性が多くあります。物件や個人の属性にもよるので一概には言えませんが、中古戸建て投資を検討する場合はローンが組めないケースがあることも認識し、自己資金を貯めておくようにしましょう。

新築・中古の戸建て投資比較

項目 新築戸建て投資 中古戸建て投資
物件価格 高い 安い
家賃 高い 安い
利回り 低い 高い
ローン 比較的組みやすい 比較的組みにくい
空室リスク 比較的低い 比較的高い
修繕リスク 低い 高い
流動性 比較的高い 比較的低い

戸建て投資は慎重に行おう

戸建て投資について、新築と中古のどちらが良いのかメリットとデメリットを比較・解説しました。独特の面白さや魅力がある戸建て投資ですが、新築にせよ中古にせよ注意深く進める必要があります。物件の選定は慎重に行い、効率的な運用を行いましょう。

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