2022/04/01

REITの買い方。NISAやiDeCoでの組み入れ方まで

少額から間接的に不動産投資を行うことができる「REIT(リート、不動産投資信託)」について、買い方から気をつけるべき注意点まで解説します。個別銘柄、ETF、投資信託など購入できる種類別のREITの売買方法から、つみたてNISAやiDeCoでの組み入れ方までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

REITとは

REIT(リート)とは、投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど不動産の購入や運営を行い、賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当を行う投資信託のことです。つまり、投資者がREITへ投資することで間接的に不動産のオーナーとなり、運用の成果を享受できるという投資信託です。

REITの仕組みは1960年代にアメリカで生まれたもので、日本では2001年9月に市場が開設されました。国内のREITは、JAPANの頭文字をつけて「J-REIT」と呼ばれています。

不動産投資を行う場合は不動産を個人が購入するため多額な資金を必要としますが、REITへの投資であれば少額から、多様な物件に投資が可能です。また他の投資信託と比べて利益がほとんど投資家に分配されるため、株式投資等と比べて投資家は比較的高い分配金を得ることができるというメリットがあります。しかし、REITの収益である分配金は金利変動によって影響を受けて下がってしまう可能性がある点や、自然災害や環境問題等の様々な予期せぬ事情により不動産が影響を受け分配金が減少する可能性がある点などREITならではのリスクもあります。

参考記事:

REITの種類とは?

REITのリスクとリスクを避けるためのポイント

REITの買い方

REITを購入するということは、基本的には上場株式と同じように市場でREITの各個別銘柄に投資することを指します。ここでは、個別銘柄としてREITを購入する他に、複数のREITやREITを構成する指数・REIT全体に投資する方法についてそれぞれ説明します。

1. 個別銘柄を購入する

市場に上場している国内61銘柄(2021年12月現在)のREITの中から銘柄を選び、証券会社で購入します。J-REITの場合、各銘柄ごとに1口の金額が決まっており、その1口を最小金額として購入することができます。2021年12月現在で、一番金額の低いREITは1口2万円台、金額の高いREITは1口約80万円となっています。通常の日本株の場合、100株や1,000株単位で取引されるのが一般的ですが、REITの個別銘柄は1口単位で購入できるため、銘柄によっては比較的少額からの投資も可能です。

2. ETFを購入する

REITへの投資形態には、個別銘柄だけでなく複数のJ-REIT銘柄を運用対象とするETF(上場投資信託)に投資するという方法もあります。こちらも証券会社で購入可能で、1口買うだけで市場全体への分散投資が可能です。J-REITの中には2021年12月現在16のETF銘柄があり、1万円程度から購入することができるため、個別銘柄よりさらに少額からの投資が可能です。また、上場しているため取引時間中はいつでもリアルタイムに売買できるというメリットもあります。一方、ETFを運営している会社に支払う手数料がかかってくるため、個別銘柄を購入するのに比べると諸費用がかかるという注意点もあります。(REITのETF諸手数料の合計は年0.2~0.3%程度です。)

3. 投資信託を購入する

個別銘柄、ETFの他に複数のREITに分散投資して運用する投資信託を購入することもできます。REIT自体がそもそも複数の不動産に分散しているのに加え、複数のREITに投資している投資信託を選ぶことでさらに分散効果を高くすることができます。こちらは証券会社だけでなく銀行や信用金庫などでも購入が可能で、ネット証券を利用すれば100円から購入することができる商品もあります。

REITに投資する投資信託は、少額から複数のREITにまとめて投資ができるというメリットがある一方、販売手数料や信託報酬といった手数料が発生し、コストが一般的にETFよりも高い水準であることが多いです。REITの投資信託を選ぶ場合は、コストをよく比較してから購入しましょう。

NISAやiDeCoにREIT(不動産投資信託)を組み入れたい場合

NISAやiDeCoにREITを組み入れることも可能です。NISAやiDeCoを利用すれば通常投資をして得た利益にかかる約20%の税金が非課税になるうえ、iDeCoは所得税・住民税の節税にもつながることから制度の利用者が近年増加しています。

一般NISAの場合、個別銘柄でREITを購入することや、REITのETF・投資信託を一般NISA枠内で購入することが可能です。

一方、つみたてNISAでは、2021年12月現在、個別銘柄やREITに特化したETF・投資信託を選択することができません。しかしeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)など、株式や債券、REITなど複数の資産に投資する投資信託であれば選択することができます。

iDeCoにおいては、証券会社によって異なりますがREITの投資信託を選択することが可能です。例えば楽天証券では、2021年12月現在2つの国内REIT投資信託(三井住友・DC日本リートインデックスファンド、野村J-REIT ファンド(確定拠出年金向け))、1つの海外REIT投資信託(「三井住友・DC外国リートインデックスファンド)を選ぶことが可能となっています。

参考記事:

つみたてNISAの始め方は?口座開設の方法や証券会社の選び方まで解説

iDeCoの始め方は?口座開設の方法やおすすめ金融機関まで解説

NISA(一般NISA)とつみたてNISAの違いは?特徴・比較から切り替え方法まで解説

少額から不動産投資を行えるREIT

REITの買い方について解説しました。REITは少額から間接的に不動産投資が行える魅力的な投資方法です。種類や買い方は様々ありますが、それぞれの特徴を理解して利用しましょう。

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