2022/03/22

NISA(一般NISA)とつみたてNISAの違いは?特徴・比較から切り替え方法まで解説

NISA(一般NISA)とつみたてNISAの違いを解説します。NISA口座を作りたいけど、それぞれのNISAでどのような違いがあるか分からないという人は多いのではないでしょうか。この記事ではそれぞれの制度の特徴・比較から、それぞれの制度に向いている人はどういう人なのか、さらに、制度の切り替え(変更)方法まで説明します。

NISAとは

「NISA」とは、2014年1月にスタートした個人投資家のための税制優遇制度です。イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルに、日本版にアレンジしたISAとして、NISA(Nippon Individual Savings Account)という名前がつけられました。安定的な資産形成の支援を目的に2014年に「一般NISA」が、より長期的で安定的な資産形成の支援を目的に絞った「つみたてNISA」が2018年に、子どもの将来に向けた資産形成のサポートのために2016年に「ジュニアNISA」が導入されています。

NISAの種類と現在の口座数(2021年6月末時点)は下記の通りです。

制度 一般NISA つみたてNISA ジュニアNISA
発行口座数 12,372,998 4,175,430

569,639

この記事では、NISAの種類の中でも一般NISAとつみたてNISAの違いを説明します。

NISA(一般NISA)とつみたてNISAの特徴

NISA(一般NISA)の特徴

・利用できる人:日本国内に住む20歳以上の人

・非課税期間:最長5年間

・投資可能期間:2014年~2023年

・口座開設期間:2023年まで

・年間非課税投資枠:120万円(最大600万円)

・投資可能商品:投資信託、上場株式(ETF、REITを含む)

・投資方法:一括買付、積立

つみたてNISAの特徴

・利用できる人:日本国内に住む20歳以上の人

・非課税期間:最長20年間

・投資可能期間:2018年~2037年

・口座開設期間:2037年

・年間非課税投資枠:40万円(最大800万円)

・投資可能商品:金融庁が定めた基準を満たす投資信託と一部のETFのみ

・投資方法:積立のみ

NISA(一般NISA)とつみたてNISAの違い

NISA(一般NISA)もつみたてNISAも利用できる人や投資に対する利益が非課税になる点は同じですが、一般NISAは投資商品の種類や商品数、年間の投資額などにおいてつみたてNISAより自由度が高く、より上級者向けの制度となっています。非課税期間は最長5年とつみたてNISAと比べると短いですが、ロールオーバー制度を利用すれば最長10年まで非課税期間を延長することができます。また、一般NISAではまとまった金額を一括投資することも積立投資もどちらも可能なので、より戦略的に投資を行うことが可能です。

【一般NISAとつみたてNISAの違い】


一般NISA つみたてNISA
利用できる人 日本国内に住む20歳以上の人 日本国内に住む20歳以上の人
非課税期間 最長5年間 最長20年間
投資可能期間 2014年〜2023年 2018年〜2037年
口座開設期間 2023年まで 2037年まで
年間非課税投資枠 120万円(最大600万円) 40万円(最大800万円)
投資可能商品 投資信託、上場株式(ETF、REITを含む) 金融庁が定めた基準を満たす投資信託と一部のETFのみ
投資方法 一括買付、積立 積立のみ

また、NISA制度は2024年から制度改正される予定となっており、一般NISAとつみたてNISAともに新規口座開設可能期間が5年延長になるのに加え、一般NISAは投資方法も変更になります。

参考記事:『新NISAとは?一般NISAやつみたてNISAとの違いや注意点まで徹底解説

NISA(一般NISA)に向いている人

・資金に余裕があり、まとまった金額を投資したい人

・より多くの商品から選びたい人

・投資信託だけでなく、株式投資も行いたい人

・一括で購入(投資)を行いたい人

つみたてNISAに向いている人

・初めて投資を行う人

・毎月少額から投資したい人

・投資にできる限り時間や労力を割きたくない人

基本的にはつみたてNISAがおすすめ

基本的には、金融庁のお墨付きで商品が限定されており、一度設定してしまえばほぼ放置したまま非課税での運用が長期にわたって可能になるつみたてNISAがおすすめです。

つみたてNISAの場合、年間40万円(月にすると最大33,333円)の非課税投資枠となるので、月3万円よりも多く運用したいという方や、手元に運用に回せる資金がまとまって(100万円〜200万円など)ある方は一般NISAも検討すると良いでしょう。また、つみたてNISAでは保有できない特定の資産を保有したい場合なども、一般NISAを利用することをおすすめします。

一般NISA⇔つみたてNISAの切り替え方法

現状すでに一般NISAやつみたてNISAの口座を持っている方でも、口座の変更を行いたい場合は以下の方法で切り替え(変更)が可能です。

同じ金融機関内でNISAを切り替える場合

金融機関の公式サイトやコールセンターで切り替えを申請します。「変更届」を提出すれば切替は完了です。

金融機関も変更してNISAを切り替える場合

金融機関の公式サイトやコールセンターから切り替え申請をし、「勘定廃止通知書」「非課税口座廃止通知書」という書類を発行してもらいます。この「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と、切り替え先の金融機関での「口座開設届出書」を一緒に提出することで手続きが完了します。

NISA口座変更時の注意点

一般NISA⇔つみたてNISAの切り替えは可能ですが、切り替え時は以下の点に注意が必要です。

1. 口座の切り替えは年に1回しかできない

NISAは1月~12月の1年でどちらか一つの口座を持つことが可能な制度なので、もしその年で1回でも現口座で取引があった場合は、その年の間は口座を変更することができません。また、その年の取引が1回もなかった場合でも、10月以降は当年の切り替えを行うことはできません。10月~12月に切り替え申請を行う場合、翌年1月からの切り替えとなりますので注意してください。

2. 保有資産の移行はできない(売却する必要はない)

保有していた口座で今まで買いつけていた商品を、新しく切り替えた口座に移行することはできません。一般NISAとつみたてNISAでは取り扱い商品が異なるため、切り替え後は改めて商品を選ぶこととなります。ただし、口座の切り替え以前に買い付けていた商品は、非課税のまま保有し続けることができます。口座を切り替えるからといって売却しなければならないわけではなく、値上がりのタイミングまで売却を待つことが可能です。

3. 一般NISA→つみたてNISAに変更の場合、ロールオーバーはできない

一般NISAからつみたてNISAへの変更の場合、一般NISA特有の制度であるロールオーバーを使うことはできません。ロールオーバーとは、5年間の非課税期間が経過した際に手続きを行うことで非課税枠利用を延長することができ、最長で10年間非課税の恩恵を受けることができるという制度です。一般NISAからつみたてNISAへの切り替えを行う場合、一般NISA口座をロールオーバーすることはできませんので注意してください。

自分に合ったNISA口座を活用しよう

NISA(一般NISA)とつみたてNISAの違いについて解説しました。それぞれの特徴をつかみ、より自身に合ったNISA口座を活用していきましょう。

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