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REITの種類とは?

REIT(リート、不動産投資信託)の種類について解説します。単一型、複合型といった大まかなREITの種類から、オフィスビル特化型、住居特化型、商業施設特化型、物流施設特化型、ヘルスケア施設特化型といったタイプ別の細かいREITの種類まで、初心者にもわかりやすく解説します。

REITとは

REIT(リート)とは「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」のことを指します。REITは、投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど不動産のみの購入や運営を行い、賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当を行う投資信託のことです。つまり、投資者がREITへ投資することで間接的に不動産のオーナーとなり、運用の成果を享受できるという投資信託です。

REITの仕組みは1960年代にアメリカで生まれたもので、日本では2001年9月に初めて市場が開設されました。国内のREITは、JAPANの頭文字をつけて「J-REIT」と呼ばれています。

不動産投資を行う場合は不動産を個人が購入するため多額な資金を必要としますが、REITへの投資であれば少額から、多様な物件に投資が可能です。また他の投資信託と比べて利益がほとんど投資家に分配されるため、株式投資等と比べて投資家は比較的高い分配金を得ることができるというメリットがあります。しかし、REITの収益である分配金は金利変動によって影響を受けて下がってしまう可能性がある点や、自然災害や環境問題等の様々な予期せぬ事情により不動産が影響を受け分配金が減少する可能性がある点などREITならではのリスクもあります。

REITの種類(大分類)

現在日本のREITは61銘柄が上場しています(2021年5月現在)。徐々に銘柄数は増加していますが、リーマンショック時などには上場廃止になった銘柄もあり、今後も景気の状況によっては運営が止まり銘柄が減る可能性もあります。

REITは、ある特定の用途の不動産に投資をする「単一型REIT」と、複数の用途の不動産に投資する「複合型REIT」の2つに大きく分けられます。「単一型REIT」には、「オフィスビル特化型」や「住居特化型」などいくつかのタイプがあります。

単一型REIT

単一型REITは、ホテルであればホテル特化型、住居であれば住宅特化型など用途が限定された1種類だけの不動産を運営するREITのことを指します。単一タイプは用途が限定されているので、複合タイプと比べて投資研究が比較的簡単なこと、値動きを予測しやすいことなどのメリットがあります。例えば、オフィスビルタイプは好景気の時に株価が上昇しやすいと言われているので、大きなリターンを期待する投資家が好む傾向にあります。反対に景気の影響が少ない住宅タイプは、安定しているので安定性を好む投資家から人気があります。

用途ごとに特徴があるものの、基本的には単一タイプはリスクが分散されていないのでその業界の動向が悪い時には値を大きく下げやすく、リターンが大きい変わりにリスクも大きい傾向にあります。

複合型REIT

複合型REITとは、「オフィスと住宅」や「商業施設とオフィスと物流」など複数の組合せで運営するタイプのREITのことを指します。複合型REITの中でも、2種類の不動産に投資する「複合型REIT」と、3種類以上の不動産に投資する「総合型REIT」という種類に分けられます。単一型REITと比べてリスクが分散できます。

REITの種類(用途別)

REITを用途別に分類すると、以下の種類があります。

1. オフィスビル特化型

REITの投資対象として大半を占めるのが、このオフィスビル特化型です。複合型REITも、中を見てみるとオフィスビルがメイン投資対象というパターンが多いです。主に都心のオフィスビルなどを運営して得た賃料収入を投資家に分配していきます。オフィスに入る企業は業績状況によって拡大・縮小・移転をするケースが多いので、景気変動の影響を受けやすいのがオフィスビル特化型の特徴です。2020年は新型コロナウィルスの影響でオフィスビルの空室率は上昇傾向にあり、株価も大きく値を下げましたが現在は回復傾向にあります。今後のオフィスビル特化型の動きには注視が必要です。

2. 住居特化型

REITのタイプ別の中でも景気動向にそれほど左右されないのが、住居特化型REITです。生活において住む場所は必要不可欠なので、借り手も多く安定して利益を上げることができます。一方、短期的には大きな値動きが期待できない分、短期ではなく長期で安定した投資を考えている人におすすめのタイプです。

3. 商業施設特化型

商業施設特化型は、全国のショッピングモール、アウトレットモール、専門店集合施設など小売店全般を投資対象としているREITのことです。商業用施設のテナント料は基本的に長期で固定されているタイプが多いので、収益が長期で安定しやすいのが特徴です。一方、オフィスビル型以上に景気動向の影響を受けやすく、増税や人件費高騰などに大きく左右されます。好景気のときであれば商業施設の売上増加により退去が起こらず投資家へのリターンは大きくなりますが、消費が落ち込んでいるときだとテナントの退去が頻発し、収入が大きく減る可能性もあります。

4. 物流施設特化型

物流施設特化型は、倉庫などの物流施設を運営して利益を出すREITです。物流施設特化型は2018年に供給が過剰になったことで一時大幅に値下がりしましたが、2020年の新型コロナウィルスの流行により物流施設の需要が増え、他のタイプのREITと比べて値を大きく上げています。インターネット通販の利用者が右肩上がりの現状を踏まえると、物流の需要は今後も強いと思われるため期待の高いREITです。

物流施設はテナントが一度入ったら入れ替わりが少ないので、中長期的に安定した賃料収入が期待できるというメリットがある一方、入るテナント数が非常に少ないので分散効果が小さく、たった一つのテナントが退去しただけで賃料収入が大幅に減少するかもしれない、というリスクもあります。また、物流施設の場合はテナントの退去があると次の借主が決まるまでに時間がかかることが多いという特徴もあります。

5. ホテル特化型

ホテル特化型は、リゾートホテルやビジネスホテルを運営して利益を出すタイプのREITです。景気が良いときは他タイプのREITよりも分配金利回りが高くなる傾向があるのが特徴ですが、収益変動のリスクが大きいと言われており、シーズンやホテルの人気度合いによって収益が大きく変動します。また、2018~2019年はインバウンド需要に沸きホテル型REITは大きく値を上げましたが、新型コロナウィルスの流行のように外国人観光客が大幅に減ることでホテルの稼働率が大幅に低下し、値下がりするリスクもあります。実際、今回の新型コロナウイルスの流行拡大で一時一番値を下げたのはホテル特化型で、分配金が50分の1以下に減少した銘柄もありました。このようにホテル特化型はややリスクが高めの投資先なので、固定賃料契約を結ぶなどしてリスク軽減を図っているREITもあるようです。

6. ヘルスケア施設特化型

上記5種類の他に、現在3銘柄と数は少ないのですが今後伸びていきそうなジャンルとしてヘルスケア施設特化型REITがあります。ヘルスケア施設特化型は、有料老人ホームや高齢者住宅、病院などに投資するタイプのREITです。超高齢化社会が進んでいる日本では今後高齢者専用の施設等を充実させることが急務であり、ヘルスケア施設特化型のREITの普及や拡大が期待されています。一般的に老人介護施設や病院などは長期的な賃貸契約を結ぶケースが多いので、テナントが頻繁に入れ替わるリスクは少なく安定した利益が見込めるメリットがあります。一方で、まだ銘柄が少なく実績が豊富でないため安定性が不明なのと、診療報酬や健康保険の制度改正などによって収益性が変わる可能性があるなど、他のREITにはない注意点もあります。

REITの種類を理解しよう

REITの種類について解説しました。一言にREITと言っても、様々な種類があります。また今回は主にJ-REIT(日本のREIT)について説明しましたが、海外のREITもあります。J-REITはオフィス型が40%以上を占めていますが、海外REITはオフィス型は約15%しかなく、商業施設型が約25%と一番多くなっています。また日本ではまだ少ないヘルスケア施設特化型が海外REITでは10%近くあり、高齢者施設などへの投資が進んでいるのが特徴です。それぞれの特徴を理解して、REITへの効率的な投資を行いましょう。

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