2021/01/28

2020年資金流出額上位の投資信託の手数料・信託報酬・リターンを調べてみた

2020年資金流出額上位の投資信託の手数料や信託報酬などのコストやリターンを調べてみました。

2020年資金流入額上位の投資信託

2021年1月4日の日本経済新聞で、2020年資金流出額上位の国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF、ラップ・SMA専用を除く)の掲載がありました(2020年12月25日時点の数字)。


本記事では、資金流出額上位の投資信託の、手数料や信託報酬、2019年以前から運用されているファンドの実際のリターン(やS&P500やNASDAQなどの指数との差)などを調べてみました。


参考記事:

2020年資金流入ランキング上位の投資信託の手数料・信託報酬・リターンを調べてみた

【2020年末】純資産総額(残高)上位の投資信託の信託報酬と手数料を調べてみた

「ひふみプラス」が2,000億円以上流出

以下の表は、2020年の資金流出額上位の投資信託に、信託報酬や販売手数料などを加えたものです。販売手数料に関しては、上限値を記載しています。インターネット証券を利用する場合はこの販売手数料がかからなかったり安くなったりするものもあります。

レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」が2,000億円超の資金流出、続いてBNYメロン・インベストメント・マネジメント・ジャパンの「モビリティ・イノベーション・ファンド」が1,000億円超の資金流出と続きます。ただし、どちらのファンドも2020年のリターンはそれぞれ+20.73%、+38.32%となっており、利益確定のための解約も多いと言えます。

流出額3位のアムンディ・ジャパンの「アムンディ・ダブルウォッチ」は「損失限定」をウリにし、一時期は1,500億円以上の資金を集めるファンドでしたが、2020年3月26日に基準価額が前もって決められていた下限値(基準価額の最高値の90%)の9,562円まで下落し、繰り上げ償還となりました。

証券会社や銀行による「乗り換え販売」はまだまだ行われている?

資金流出額上位10ファンドを見てみると、2015年以降に設定されたファンドが10本中8本あります。さらにそのうち、2017年以降に設定されたファンドは5本あり、3年以内に解約された商品が多数存在していることがわかります。ファンドの内容も「モビリティ」「ロボティクス」「ゲノム」「ビッグデータ」とほんの数年前に流行りだったワードが並びます。(一方で、資金流入額ランキング上位を見ていると、「ESG」や「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」など、こちらも今流行のキーワードが並んでいるのがよくわかります。

実態はわかりませんが、資金流出額上位のファンドの設定日などを見ると、まだまだ投資信託の短期売却(そしてそこからの乗り換え販売)は行われているのではないかと想像せざるをえません。

コストは最小限に抑える

OpenMoneyでは、投資の原則としてコストを最小限に抑えるべきだと繰り返しお伝えしています。コストはコントロールできないことが多い投資の世界において、投資家が自分でコントロールできる数少ないことの一つです。ゼロカンマ数パーセントの差が長期投資においては非常に大きな差となります。

これまでご紹介してきた「2020年資金流入額上位の投資信託」や「純資産総額(残高)上位の投資信託」、そして今回の「2020年資金流出額上位の投資信託」はどれも高い手数料と信託報酬のものがほとんどです。「コストの低いインデックスファンド」の存在感は着実に増してきていますが、今後こういったランキングにどこまで食い込んでいくのかも合わせて、引き続き調査していければと思います。

正しい投資に関する知識を身につけるために、以下の記事も是非参考にしてください。


参考記事:

これから投資を始める人への17のアドバイス

投資信託やETFのコストが長期投資に与える影響

インデックス投資とは?メリット・デメリットからおすすめの投資信託・ETFまで解説

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