2020/12/04

インデックス投資とは?メリット・デメリットからおすすめの投資信託・ETFまで解説

これから投資・資産運用を始める方へ向けて、インデックス投資についてできるだけわかりやすく解説します。投資信託(ファンド)とは何かという基本的なことから、インデックス投資のメリット・デメリットやインデックスファンド(投資信託)・ETFの正しい選び方やインデックス投資におすすめの投資信託・ETFまでご紹介します。

インデックス投資で全世界の株式にまとめて投資する

これから投資を始める人への17のアドバイス』の中では、

6. 全世界の株式をまとめて買う

7. コストを最小限に抑える

8. インデックス投資をする

9. 個別株を買わない

と書いています。本記事では、インデックス投資とは何かについてできるだけわかりやすく解説します。

インデックス投資とは

インデックス投資をできるだけわかりやすく説明するのであれば、「1,000円などの少額から、低コスト(低い手数料)で全世界(あるいは全米・日本全体など)の株式や債券などに投資することができる投資のやり方」と言えます。

教科書的に説明すると、インデックス投資とは、特定の市場の指標(インデックス)の動きに連動した運用成果(リターン)を目指す投資信託やETF(これをインデックスファンドと言います)に投資する運用手法のことです。

インデックスとは、例えば、日本の株式市場だと日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)であったり、アメリカの株式市場だとダウ工業株30種平均(NYダウ・ダウ平均)やS&P500といった指数のことです。その他にも、全世界の株式市場をカバーするようなMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスやFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスといったインデックスであったり、あるいは世界の様々な地域の株式市場や債券市場、商品市場(今年は原油価格に連動するETFが話題になりました)などをカバーするような多くのインデックスが存在します。

インデックス投資とは、こうしたインデックスに連動するように設計された投資信託やETF(インデックスファンド)に投資をすることなのですが、簡単に言うと、「インデックスファンドを通して、全世界の株式市場全体や日本の株式市場全体、アメリカの株式市場全体などに投資をする」ということです。

そもそも投資信託(ファンド)とは

投資信託(ファンド)とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品」のことです。(一般社団法人投資信託協会HPより)

私たち個人投資家は、投資信託を利用することによって、1,000円といった少額から、何百何千といった日本中・世界中の株式にまとめて投資したり、金や原油、不動産といったものにまで投資をすることが可能になります。

「卵を一つのカゴに盛るな」とは古くから言われている格言ですが、投資信託を利用するだけで、それを実践することができます。これが、投資信託の一番のメリットです。

投資信託の運用にはアクティブ運用とパッシブ運用がある

さて、この投資信託、日本だけでも何千という投資信託があるのですが、運用方法で大きく二つに分けることができます。アクティブ運用とパッシブ運用です。

先ほど説明した通り、投資信託は、投資家から集めたまとまったお金を「運用の専門家」が株式や債券などに投資して運用します。この「運用の専門家」が目安となる指数(ベンチマーク)を上回る成績を目指して運用していくスタイルのことを「アクティブ運用」といいます。プロのアナリストが個別企業を分析したり、プロのファンドマネージャーが市場の動向を予測して、「積極的」に運用していきます。例えば、日本株でアクティブ運用する投資信託の場合、日経平均株価やTOPIXなどのインデックスをベンチマークとして、これを上回る運用成績を目指すわけです。

一方、この目安となる指数(ベンチマーク)に連動する運用成績を目指して運用していくスタイルのことを「パッシブ運用」といいます。本記事で説明している「インデックス投資(運用)」は、このパッシブ運用のことだと思っていただいて問題ありません。このパッシブ運用(=インデックス運用)では、「消極的」にインデックス(指数)と同じ運用成績を目指していきます。先ほどの例に合わせて、日本株でパッシブ運用する投資信託の場合、日経平均株価やTOPIXなど目安とするインデックスと同じ動きをするように運用していくということです。

市場全体に投資することが最も良い投資方法だという真実

ここからは、「アクティブ運用」で運用する投資信託を「アクティブファンド」、「パッシブ運用」で運用する投資信託を「インデックスファンド」と呼ぶことにします。

投資を始めたばかりだと、「運用の専門家」が積極的に利益を追求していくのだから、インデックスファンドよりもアクティブファンドの方が儲かりそうだと思いがちです。しかし、残念ながら、「ほとんどのアクティブファンドはインデックスファンドに勝てない」ということは歴史が証明しつつあり、公然の事実となっています。これまでに、数多くの研究がその事実を明らかにしてきているとともに、多くのファンドマネージャーたちも(それも驚くべきことに、多くの著名アクティブファンドマネージャーたちも)「ほとんどの投資家は、アクティブ運用ではなくインデックス運用にするべきだ」と答えています。

過去も現在も、そしておそらくこの先も、「インデックスファンドは儲からないからアクティブファンドで運用するべきだ」と豪語するファンドマネージャーや、「インデックス運用じゃなくて、自分で個別株で運用した方が儲かる」と言う個人投資家もたくさんいることでしょう(そしてそういう人たちが実在することも事実です。確率的にごくわずかの一部の人だけなのですが)。もしもそういった方に出会った場合は、とりあえずは、「たまたま10回続けてコインの裏表を当てた人が、この先も当て続けられるから自分にベットしろと言っている、あるいは、10回続けてコインの裏表を当てる方法教えてやるよと言っている」と思いながら聞くようにしておいてください。

インデックス投資のメリット・デメリット

インデックス投資のメリット・デメリットをまとめると以下になります。

インデックス投資のメリット

インデックス投資にはメリットしかありません。長期の資産形成においては、インデックス投資をするだけで、他の投資は一切必要ないと言っても過言ではありません。インデックス投資だけで投資は完結する、というのがメリットなのですが、これまでの解説をまとめていくつかあげるとすると以下になります。

・市場全体にまとめて投資ができる

・圧倒的な低コストで投資ができる

・少額から投資ができる

・手間がかからない

インデックス投資のデメリット

上記の通り、インデックス投資にはメリットしかなく、デメリットはないと言っても良いくらいです。あえてデメリットをあげるとすると、それは「インデックス投資は退屈である」ことくらいだと言えます。個別株投資のような、日々の大きな値動き(=大きな利益や大きな損)を体験することは滅多にありません。つまり、エキサイティングではないということです。ただし、正しい投資・資産運用というのは退屈なものであり、そこにエキサイティングななにかを求めるべきではないでしょう。

インデックスファンド・ETFの正しい選び方

インデックスファンド・ETFを選ぶ時に見るべきポイントは以下3点です。

1. 投資対象

2. コスト

3. 純資産総額

1. 投資対象

インデックスファンドと一言で言っても、その投資対象はさまざまです。株式なのか債券なのかあるいは原油などのコモディティなのか、株式の中でも全世界なのか全米なのか日本株なのか、日本株でも日経平均株価に連動したものなのかTOPIXに連動したものなのか、等々。まずは投資対象は何なのかを確認してください。

2. コスト

これから投資を始める人への17のアドバイス』でも触れているように、投資において非常に重要になるのがコストです。コストは低ければ低いほど良いです。投資信託であれば「信託報酬」を、ETFであれば「経費率」を見てください。インデックスファンド・ETFのコストは年々低下している傾向にありますが、同じ投資対象なのに古くからあってコストが高い商品も大量にあります(同じ投資対象なのにコストの高い商品を勧めてくる金融機関の営業マンも多いという話もよく聞きます)。2020年12月現在の水準ですと、投資信託であれば0.2%程度、海外ETFであれば0.1%程度を目安に見れば良いと思います。

3. 純資産総額

最後に、インデックスファンド・ETFの純資産総額を確認してください。基本的に、純資産総額がある程度の規模のものを選んだ方が良いです。純資産総額があまりに少ないと、ファンドが繰り上げ償還(ETFの場合は上場廃止)などといったことが起こりうる可能性もなくはありません。長期投資を継続するためにも、こういった可能性も排除しておきたいものです。一概に言えない部分もありますが、投資信託であれば、最低100億円くらいを目安にすると良いと思います。

おすすめのインデックスファンド・ETF

最後に、おすすめのインデックスファンド(投資信託)とETFをそれぞれ簡単にご紹介します。投資対象はすべて株式となっているのでご注意ください。「全世界株式」のものであれば、1つの商品だけで全世界の株式にまとめて投資している状態を作ることが可能ですし、いくつかの商品を組み合わせて(例えば、「先進国に投資するもの」と「新興国に投資するもの」であったり、「TOPIXに投資するもの」と「日本以外の先進国に投資するもの」など)、ある程度自分の好みに近い形で資産を配分することも可能です。

インデックス投資は最強の投資手法

以上、これから投資を始める方へ向けて、インデックス投資について基本的なことを解説しました。

投資をする際は、自分のリスク許容度をきちんと把握した上で、適切な資産配分をすること(例えば、「全米株式に投資するインデックスファンド」に投資する場合、運用資産のうちどれくらいの比率を投資するべきかを決めること)が何よりも重要になってきます。最適な資産配分や、そもそもの資産全体のうちのどれくらいを運用資産にするかという割合は人によって大きく変わってきます。リスク許容度についてはご自身でしっかりと判断されるか、信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

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