2021/01/18

リクルートマネジメントソリューションズへの転職者インタビュー【選考フローや採用面接、年収、社風まで】

大手専門商社からリクルートマネジメントソリューションズへ転職した現役社員へのインタビュー記事。実際に利用した転職エージェントやその感想、リクルートマネジメントソリューションズの選考フローや面接内容、年収や給与・評価体制、社風まで詳しく教えていただきました。

新卒で大手専門商社に入社

−−−はじめに、これまでの経歴を教えてください。

都内の私立大学を卒業後、大手総合商社系列の食品専門商社に入社しました。将来的には新規事業に関わる仕事をしたいと思っていたので、総合商社・コンサル・ベンチャーを視野に入れていましたが、最終的には日々の暮らしや生活に関わる領域の中で何かしらの新規事業をしてみたいと思うようになり、専門商社への入社を決めました。当時、個人的なツテを通じて社長と個人的に話をする機会があったことも大きいです。直接話して感じる社長個人の圧倒的なオーラや頭の回転の速さ、新規事業に対する考え方に魅了されました。10年以上前の当時、家事代行サービスやネットスーパーのさきがけのようなものも手がけていて、新規事業を積極的にやっていこうという姿勢をリアルに感じられました。


−−−専門商社ではどんな仕事をしていたのですか?

入社後3-4年間は、ネット小売店への法人営業をしていました。オーガニック食品や美容・健康に特化した食品を売るサイト、今でいうスーパーフードを専門にしたサイトなどといったネットショップ(ネット小売店)が営業先でした。そういったネットショップのバイヤーに対して、例えば美容・健康に特化したオイルだとかを探してきて卸すということをやっていました。百貨店・GMS・スーパーだとナショナルブランドしか扱わない場合も多いのですが、小さいところでかつネットに特化しているところが多かったので、色んな商品を扱うことができました。

その後、念願の新規事業の部署に異動することができ、自社ECサイトの立ち上げに関わりました。メーカーにサンプリング商品を無償で作ってもらい、それをユーザーに店頭で無償配布するといったアプリのようなものを作ったりしていました。もともとやりたかった新規事業に関わることができ、非常にやりがいもあったのですが、最終的に専門商社には6年3ヶ月在籍して、転職しました。


−−−念願の新規事業を扱う仕事ができたにも関わらず、この時期に転職活動を始められたんですよね。そのきっかけを教えてください。

入社6年目の冬に転職を意識しはじめました。理由は2つあります。

ひとつは社長が交代したことです。もともと新規事業に積極的だった前社長を比べて、新社長は保守的で新規事業に対しても否定的でした。

もうひとつの理由は会社全体の雰囲気です。メーカーから仕入れた商品を小売店に卸すという基本的な卸機能に甘んじ、関係性を保つためのリレーション営業・御用聞き営業が中心になっていると感じていました。中には積極的で魅力的な先輩もいましたが、彼らはむしろ、変わりもの扱いされていました。向上心・成長意欲のある人が奇異として見られるカルチャーでした。自分の将来のキャリアを考えた時に、これ以上自分の学びたいものはここにはないと思い始めました。

リクルートマネジメントソリューションズへの転職活動

−−−転職活動はどのようにして始めましたか?

入社6年目の冬の1月末から大手転職エージェントやコンサル業界に特化した転職エージェントに登録して、情報収集から始めました。最初は絶対に転職しようという感じでもなく、いいところがあれば検討しようという感じでした。そもそも転職することが自分にとって最適なのかということも含めて情報収集をしながらキャリアについて考えました。大事な情報は人づてに聞いた方が良いと思っていたので、転職サイトの利用は過去の体験談を読む程度にとどめ、複数社のエージェントに実際に会いに行きました。結果的に、スタートしてから半年間で転職活動は終わりました。


−−−利用した転職エージェントについて詳しく教えてください。

4社の転職エージェントを利用し、最終的にはエリートネットワークという転職エージェントを通して転職を決めました。当時はまだビズリーチのようなスカウト型サービスやハイクラスに特化したサービスも今ほど知名度はなく、今だったらまずはビズリーチに登録するような気がします。


・リクルートエージェント

お話ししたとおり、当時まだ私は転職することを決めていたわけではありませんでした。最初にリクルートエージェントのキャリアアドバイザーと面談した時、そのことに対してあからさまに嫌な顔をされました。たしかに転職エージェント側としては、すぐに転職してくれる客、すなわち「すぐに紹介料を獲得できる案件」の方が良いのでしょう。しかし私は本当に転職が必要なのか、何のために転職するのか、といった根本的な問題も寄り添って考えてくれる転職エージェントに会いたいと思っていました。結局、早く転職の意志を固めるように急かされただけで、情報もほとんどもらえず、利用するのはやめました。

今だからよく分かるのですが、リクルートエージェントは最大手の転職エージェントであり、転職を考える人がまず登録します。その中で、転職意向が強い人を優先的に対応するのはビジネスとして当然ですし、私のようなスタンスだと優先度が下がるのもよくわかります。当時は「ハズレ」のキャリアアドバイザーだと感じてしまいましたが、キャリアアドバイザーとしてその対応は普通だったと思います。最大手の転職エージェントなだけあり、求人案件数も多いので、3ヶ月くらいで本気で動くのであれば、良いと思います。


・ワークポート

ワークポートは、転職サイトのリクナビNEXTに登録した時に、実績のある転職エージェントとして紹介されていたため一度会ってみました。事前に簡単に自分の経歴などを登録するのですが、会いに行くとそれに基づいてなのか、まず求人案件を出されました。ヒアリングをするわけでもなく、こちらのニーズを聞くわけでもなく、求人票が用意されていたので、対応した人の個人差もありそうではありますが、非常に機械的でシステマチックな印象を受け、お願いするのはやめました。ただ、アビームコンサルティングなどの大手のコンサルティングファームなど、良い会社の求人案件を複数持っていたので、うまく利用すれば価値はあると思います。


・ムービンストラテジックキャリア

ムービンはコンサル業界に強い転職エージェントです。コンサル業界に入るためのテクニックを詳しく教えてくれるので、コンサル業界への転職を考えているのであれば登録しておくのが良いと思います。コンサル業界に転職するための「How」がとにかく強いなと感じました。ただ、私はもっと慎重にキャリアについて一緒に考えてくれる転職エージェントが良いと思っていたので、最終的には利用しませんでした。


・エリートネットワーク

知り合い2人がお世話になったという方を指名して面談してもらいました。最初に3時間にもわたる面談をしました。物心ついてからどんなことに興味を抱いてきたのか、学生時代に何を力を入れていたのか、スポーツはやっていたか、などから始まり、新卒の就職活動の時のことや、今会社に対してどういう意識をもっているかなどを話しました。結論ありきではなく、転職する必要は本当にあるのかということも含めて話をしてくれました。

その後、私自身がまだ曖昧だった転職理由も、競える仲間や仕事から得られる刺激・学びの少なさに物足りなく、もっとできる奴と高め合いたいと思っているんじゃないか。ハイレベルな環境で、本当に価値のある仕事がしたいんじゃないのかなど、転職に対する私の思考を寄り添って一緒に言語化してくれました。その上で、さらに本当に転職するつもりなのか?するのであれば全力でサポートしますよと言われ、エリートネットワークでお世話になることを決めました。

最終的にはリクルートを強く勧められ、リクルートグループの「徹底的に顧客志向で難易度の高い課題を解決する」風土に強く惹かれるようになりました。


−−−リクルートグループに興味を持った理由や、その中でも最終的にリクルートマネジメントソリューションズを選んだ理由を教えてください。

リクルートグループに共通する「徹底的に顧客志向で難易度の高い課題を解決する」風土は言語化した自分の転職理由とも近く、魅力的でした。そのため、リクルートグループはいくつか選考も受けました。リクルート住まいカンパニー、リクルートマーケティングパートナーズ、リクルートジョブズ、そしてリクルートマネジメントソリューションズ(以下RMS)です。リクルートグループのほかには、グロービスの組織系部門やカカクコムといった企業も選考を受けました。

今から思うと、もともと新卒のときから教育・人材育成に興味があったような気がします。しかし一番の理由としては、前の会社で組織内問題に実際に直面した経験があったからです。新規事業の部署にいた時に、大企業にありがちな組織内での新規事業部署と既存事業部署の対立であったり、既存事業のエースプレイヤーを新規事業に異動させても思ったように成果が上がらない事例、新規事業のために他社から人を採用してもうまくいかない事例、社長のビジョンやアイディアが形になった後にそれを実務レベルでしっかりと回していける組織づくりができない、等々自分自身も一当事者としてこういう状況で組織や人材とはどうあるべきなのか悩んでもいました。おそらく世の中にはこういう問題がたくさんありそうで、それを解決するような仕事は面白そうでやりがいもあると感じていました。

また、組織コンサルという事業モデルが自分にぴったりだと思いました。戦略コンサルなどと違い、組織コンサルはコンサルの成果の表れるスピードがとてもゆっくりしています。時間を掛けて知見を深めていけるところが自分の性格にも合っていると思いました。

RMSの同業他社としてはコーン・フェリーやエーオンヒューイットなどがありますが、これらの企業は人事経験や大規模法人営業の経験が必要だったので受けられませんでした。

リクルートマネジメントソリューションズの選考フローと面接内容

−−−リクルートマネジメントソリューションズの選考フローについて教えてください。

職務履歴書の提出とテストセンター受験、そして面接を3回受けました。一次面接がマネージャークラスの社員、二次が部長クラス、三次が社長との面接でした。全ての面接で共通して転職の理由と、なぜこの業界・会社を志望するのかを質問されました。特に、全然違う業界だけどどうして志望するのかといったことは突っ込まれました。

その他には、集団において誰かを巻き込んでリーダーシップを発揮したようなエピソードがあるか?といったことや、そういったエピソードをより具体的な行動とか工夫したことにブレイクダウンして聞かれていく感じで、新卒の就職活動でも聞かれるような内容も含めて、全体的にオーソドックスなことを聞かれたと思います。

そもそもRMSは人事経験のない人を中途で採用しているのですが、入社後3年間程は苦労することになるけれど、その覚悟はできているか?と確認されました。実際は3年間どころでなく5年は苦労しましたけど(笑)。


−−−選考を通過できた要因は何だったと思いますか?

転職動機と入社動機を明確に言語化したことは大きかったと思います。転職エージェントが何度も添削してくれましたし、それを実際自分の言葉で話せるように練習もしていました。

選考を受ける企業については、毎回ホームページを4,5時間は読み込んで、自分が何に興味を持ったか、何を聞いてみたいかなどを考えていました。そのおかげで、面接官とその場でより深い部分にまで踏み込んで話をできていたと思います。RMSの最終選考の社長面接の時にも、事前に社長に会ったらこれを聞こうとしっかり準備し、整理もしておきました。ネット上に公開されている社長のメッセージを自分なりに解釈し、それを業務と結びつけた具体的な質問に落とし込んだりしていました。

面接後には毎回転職エージェントを通してフィードバックをもらえるのですが、「事前に会社のことをきちんと調べてきていて本当に興味を持っていると感じられた」と言われたこともあります。

また、RMSに関しては、ポテンシャルを見込んでくれた部分も大きいと思います。人事系の経験や、ソリューション営業(無形商材を扱う営業)の経験は全くありませんでしたが、実際に前の会社で組織の課題に直面した経験を重点的に話しました。面接のフィードバックでは、「さわやかで好感が持てる。成長性を感じる。熱い想いが伝わってくる。」というコメントももらいました。

リクルートマネジメントソリューションズの業務内容

ーーーリクルートマネジメントソリューションズについて教えてください。

リクルートマネジメントソリューションズ(以下RMS)は、企業の組織・人材の課題を解決するコンサルで、人材の採用から育成までを一貫してサポートします。事業領域としては大きく3つあり、人材開発、組織開発、制度構築とあるのですが、こうした組織・人材の課題に対して、研究・調査を行うコンサルティングサービスや、SPIやサーベイなどのアセスメントツール、人材育成のための研修・トレーニングなどを提供しています。

会社全体で550名ほどの社員がいて、「ソリューションプランナー」と呼ばれる法人営業が120~130人、コンサルタント職が60人に加え本社スタッフがおり、昨年リクルートキャリアから買収したテスト事業関連の社員が200人近くいます。実際に研修を行う「トレーナー」は個人事業主なので社員ではありません。

新卒と中途の割合は中途が少し多いくらいです。営業職の中途採用では、同業出身者を採用しない傾向が強いです。背景としては、RMSの人・組織に関する考え方は独自性が高く、教育・研修系の同業他社経験はかえって良くない影響を及ぼすからかもしれません。他業界からの採用が中心という印象です。コンサルタント職として中途入社するには人事関連かコンサルとしての経験が求められ、人事企画に関わってきた人や元・ITコンサルなどが在籍しています。法人営業はこれといった経験は必要ないので、色んな業界の出身者がいます。


ーーー入社後はどのような仕事をしてきたのですか?

法人営業として入社し、直後の3か月は研修を見学したり、OJTとしてセミナーのフォローをしたりしました。このセミナーとは、組織・人材に関する様々なテーマで開催し、悩みを抱える企業の人事担当者を招きます。そこで、どの企業のどんな部署の人が来ているのかを把握し、その人たちに話しかけ情報収集、案件獲得に繋げていくのが当時の仕事でした。とくに不景気の時はこのようなインバウンドセールスを頻繁に行います。

研修後半年は社員数数十~3千名程度の企業を30社ほど担当し、次の半年は日本を代表する某メーカーのサブ担当を務めました。その次に日本有数の金融機関の主担当を3年半ののち、最近は大手メーカーとインフラ会社に加え、社員数5千人以下の企業6社を担当しています。


ーーー法人営業の具体的な仕事内容を教えてください。

担当の企業へ毎週2,3回足を運び、顧客企業の悩みを伺います。その悩みを整理し、課題を発見し解決のための方針を定めるのが仕事です。例えばある会社で人事異動以降、仕事がスムーズに進まないという悩みがあったとします。まず聞き込みや調査をして、原因は各役職の役割配分が曖昧だったから、ということを発見します。そして各役職の具体的な定義付けに取り掛かります。アドバイスがほしいときはRMSのコンサルタント職に協力してもらいつつ、定義します。そこで仕事が完結することもありますが、顧客企業の社員の能力不足も問題として考えられるときは研修などのトレーニングを実施します。

ただ単にサービスを売るのではなく、オーダーメイドの解決策を考え出して提案する仕事なので、営業というよりコンサルのイメージに近いと思います。働き方も、入社1,2年目は午前2時まで仕事することもしばしばあり過酷でした。基本的には朝8時半から夜9~10時くらいで働いていますが、今でもたまに日付を超えて働くこともあります。

リクルートマネジメントソリューションズの年収、社風など

−−−給与体制について教えてください。

リクルートの他カンパニーではミッショングレード制というものがありますが、RMSでは「プロフェッショナルグレード」という名前の似た制度が取られています。全社員がP1、P2、P3・・・というようにグレード分けされていて、昇格するとPの数字が大きくなります。中途で入る人はだいたいP5〜P6からスタートし、Pが1上がるごとに年収100万円くらい上がります。マネージャーはP10グレードで年収約1000万円です。半年毎に評価査定があり、半期の業績・上司の評価と自己評価・自身の専門性を計測するサーベイなどをもとに評価が決まります。私は社会人になって10年超、中途入社して5年ほどで年収750〜760万円です。


−−−会社の雰囲気について教えてください。

平均年齢は38~39歳で、マネージャー層の平均年齢が40歳くらいです。リクルートのその他カンパニーのマネージャー層はだいたい30代なので、RMSはリクルートグループ全体の中では比較的落ち着いた人が多いという印象です。昭和の香りが漂っていたゴリゴリ体育会系の前の会社と比べると、仕事が大好きで頭の切れる優秀な人が多く感じがいいです。

ホットペッパーを手がけているリクルートライフスタイルの人みたいに短いスパンで転職することはないけれど、みんな転職は念頭に置いていると思います。私自身、いつかは転職すると思っていますが、まずはマネージャーになってから考えようと思っています。


−−−本日はありがとうございました。


参考:

株式会社リクルートの資産データ一覧|OpenMoney

株式会社リクルートマネジメントソリューションズの資産データ一覧|OpenMoney


参考記事:

リクルート社員の年収・資産データからリアルなお金事情を分析

リクルートへの転職を考えるなら知っておきたいこと【年収・各社の特徴・求める人材まで】

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