2022/04/25

【初心者向け】不動産投資ローンとは。種類や組み方、手順や審査基準まで

不動産投資を行う際に利用する人の多い不動産投資ローンとは、どのような特徴がありどのような審査基準で行われるのでしょうか。本記事では不動産投資ローンについて、アパートローンとプロパーローンの違い、返済方法の条件の違い、手順や必要書類など初心者にもわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、不動産投資のために金融機関から受けることができるローンの名称です。自身が住むための住宅を購入するために組む住宅ローンとは審査基準が異なり、購入する投資物件の収益性なども審査されます。

不動産投資ローンを組むことで自分の資産以上のレバレッジ効果を効かせて投資することができるため、不動産投資を行う上でローンが通るかどうかは重要なポイントです。

この記事では、不動産投資ローンの種類や手順、審査基準など不動産投資ローンの概要について解説します。

不動産投資ローンの種類

不動産投資ローンには主に「アパートローン」と「プロパーローン」の2つの種類があります。

アパートローン

アパートローンとは、投資目的でアパートやマンションなどを購入する方向けに用意されているローンのことで、審査基準や融資条件がある程度決まっている商品をいいます。不動産投資を行う際、一般的にはこのパッケージ型のアパートローンを利用する方がほとんどです。審査基準がわかりやすく不動産投資初心者でも借りやすいという特徴がありますが、プロパーローンと比べて限度額が少なく、金利も高くなる傾向があります。

プロパーローン

プロパーローンとは、保証会社を介さず金融機関が自社でリスクを負う形で貸し出すローンのことを言います。アパートローンの場合は「保証付きのローン」のため、万が一ローン返済者が支払い困難になった場合は保証会社が返済者の代わりに金融機関にローンを返済することになります。その後ローン返済者は保証会社にお金を返していくこととなるため、金融機関は損をしない仕組みになっています。

一方プロパーローンは保証会社を通さず金融機関がリスクを負って貸し出す形なので、資金が回収できないリスクがあり、融資が通るかどうかの審査基準は厳しいものになっています。プロパーローンは不動産投資だけではなく様々な事業全般に貸し出されるローン商品であるため、審査では事業性が最も重視されます。購入予定の物件の収益性や事業の進め方についてアパートローンよりも厳しく審査されますが、事業の収益性の高さが認められれば融資金額や金利を優遇してもらえるなど好条件の融資が受けられる可能性があります。


アパートローン プロパーローン
融資の使い道 不動産投資 明確な指定はなし
保証 保証会社を指定する 保証会社は不要だが、連帯保証人が必要な場合も
審査基準

・物件の収益性

・支払者の属性など

・物件の収益性

・支払者の属性

・事業の確実性など

金利 年2~5%程度

案件により個別に決定(アパートローンより低い傾向がある)

融資期間 金融機関により物件の法定耐用年数以内まで、などの制限あり 個別に決定
融資金額 金融機関により限度額あり 案件により個別に決定

不動産投資ローンの条件

不動産投資ローンには、金利や返済方式にいくつかの条件があります。主な種類は以下の通りです。

固定金利

固定金利とは、返済期間中利率が変わらない金利を支払うローンです。利率が変動しないため、支払い金額がわかりやすく返済計画が立てやすいというメリットがありますが、変動金利と比べると高めの利率が設定されています。

変動金利

変動金利とは、金融市場の標準的な貸し出し金利の変動に合わせて金融機関が設定した計算方法により期間ごとに金利が変動するローンです。返済金額が固定しないため返済計画が立てづらいというデメリットがありますが、現在のような低金利の経済状況が続けば固定金利よりも安い金利で借りることができるため、返済総額を抑えることができます。

元金均等返済

元金均等返済とは、ローンの元金にあたる金額を返済期間で均等に割り、さらに残高に応じた利息を上乗せした金額を支払う返済方法です。元金の返済額は毎月一定ですが、利息分の返済金額は借入残高によって毎月異なるため、月々支払うローンの返済金額は変動します。つまり最初に支払う金額の負担が大きく、だんだんと金額が小さくなり負担が減っていくという返済方法です。支払い金額が変動し返済計画が立てづらいというデメリットがある一方、元金部分の減りが早いため、元利均等返済と比べると総支払金額が少なくなるというメリットがあります。

元利均等返済

元利均等返済とは、元金と利息を合わせて均等に返済する返済方法で、毎月の返済額が常に同じ金額になります。返済金額は一定で変わらない一方、返済開始したばかりのころは借入の残高が大きいため、利息として支払う金額の割合が大きく元金の返済分の割合が小さくなります。

毎月の返済額が変わらないことで返済計画が立てやすいというメリットがありますが、元利均等返済だと元金部分の減りが遅いため、総返済金額は元金均等返済よりも大きくなってしまうというデメリットがあります。

不動産投資ローンの手順

ここからは、不動産投資ローンを組むまでの主な手順を解説します。金融機関によって手順やかかる期間などが若干異なりますが、概ね以下のような流れでローンを組むことになります。

1. 金融機関へ融資相談へ行く

まずは銀行に融資が可能かどうか相談へ行きます。不動産投資ローンは三菱東京UFJ銀行を始めとするメガバンクや地方銀行など様々な金融機関が取り扱っていますが、それぞれの金融機関によって金利などの融資の条件や審査の通りやすさは変わってきます。自分の属性に応じて必要であれば複数の金融機関に相談へ行きましょう。

参考記事:『不動産投資ローンの金利の平均とは?金利を低くするコツも

2. 事前審査(仮審査)

次に、融資面談時に提出した資料や聞き取り内容を元に事前審査(仮審査)が行われます。不動産投資ローンの融資では、本審査の前にこの事前審査を行うことで融資が可能かどうかをある程度判断することになります。事前審査では、物件の買主の信用情報(クレジットカードの支払い状況)や、その人個人の返済能力(収入など)を主に見られると言われています。なんらかの問題があると判断された場合(クレジットカードの滞納がある、年収が低すぎるなど)は、その時点で審査は否決となります。

事前審査で必要となる書類は金融機関によって異なりますが、主に以下のような書類が必要となります。

・身分証明書

・収入証明書(源泉徴収票、確定申告書、課税証明書など)

・保有資産の資料

・購入希望物件の資料(物件概要書、レントロールなど)

・返済予定表(他の借り入れがある場合)

・経歴書などの自己紹介資料

3. 物件の売買契約

事前審査に通ったら、物件の売買契約を進めていきます。本審査が通ってから売買契約を行うのではないかと思っている人もいるかと思いますが、金融機関の融資の本審査には物件の売買契約書が必要になるため、事前審査に通った段階で売買契約を行います。売買契約の際は、希望する融資の本審査が通らなかった場合は違約金無しで物件を解約できるという「ローン特約」の内容が盛り込まれているかを確認するようにしましょう。

4. 本審査

売買契約が完了したら、本審査の申込を行います。事前審査では本人の信用情報を中心に審査を行いましたが、本審査においてはさらに買主の健康状態や購入物件の内容についての精査が行われます。本審査の結果が出るまでは、少なくとも2週間~1ヶ月程度かかります。

本審査で必要となる書類も金融機関によって異なりますが、主に以下が必要となります。仮審査で必要だった書類が再度必要となることもありますので、気をつけましょう。

・身分証明書

・住民票

・実印

・印鑑登録証明書

・収入証明書(源泉徴収票、確定申告書、課税証明書など)

・保有資産についての資料

・納税証明書

・返済予定表(他の借り入れがある場合)

・売買契約書

・賃貸借契約書

・重要事項説明書

・手付金の領収書

・契約物件の資料(物件概要書など)

・経歴書などの自己紹介資料

5. 金銭消費貸借契約の締結

無事本審査を通過したら、金銭消費貸借契約の締結を行います。金銭消費貸借契約とは、貸主から金銭を借り入れる条件を書いた契約書のことで、借入額や金利、金利のタイプ、返済期間、滞納した場合の対応や担保、繰り上げ返済についてなど様々なことが記載されています。細かい事項が多いですが、必ずすべて確認しておきましょう。金銭消費貸借契約書は2通あり、金融機関と借入本人がそれぞれ保管します。

6. 融資実行

物件の引き渡し時に、不動産投資ローンの融資実行を受けて手続きが完了となります。この時に、抵当権の設定契約、団体信用生命保険の契約も一緒に行います。抵当権とは、不動産投資ローンの返済が滞った場合に金融機関が物件を差し押さえることができる権利のことで、ローン完済後に抵当権の抹消手続きを行う必要があります。

不動産投資ローンの審査基準

ここからは、不動産投資ローンの審査基準について解説します。金融機関によって若干の項目の違いはあるものの、どの金融機関も以下項目については審査が入ります。見られるポイントがわかっていれば、事前に属性を上げる努力を行うことも可能です。住宅ローンよりも審査が厳しいと言われる不動産投資ローンですので、審査基準をしっかり把握して対策できる部分は対策を行いましょう。

年収

不動産投資ローンの返済原資となる年収は一番重要な審査項目と言えます。給与収入はもちろんのこと、すでに不動産投資を行っている場合はその収益も収入としてカウントされます。給与に関してはボーナスやインセンティブなど流動的な要素があるため、一般的に過去3年分の年収実績が審査の対象となります。また、配偶者など同一世帯の家族の年収も加味される場合もあります。

年齢

不動産投資ローンを組む時点での年齢も審査項目となります。不動産投資ローンは20歳から組むことができますが、現実的に20歳だと就業年数も短く年収も低い場合が多いので、実際は25歳くらいからが融資を受けやすい年齢と言われています。また「今後も返済が滞らないように働き続けられるか」という観点から年齢とともに借主の健康状態も審査の対象となります。健康状態や持っている資産の状況にもよりますが、50歳を過ぎてくるとローンの審査に通るのは難しくなってくると言えるでしょう。

勤務先

勤務先についても、業種、勤続年数、雇用形態、転職回数などが細かく審査されます。上場企業、公務員、一部士業などは収入の持続性が高く評価されるため、金融機関の評価も高くなります。勤続年数は1つの企業で長いほど評価が高くなり、転職回数があまりに多い場合はリスクが高いとされ評価が低くなる傾向があります。

家族構成

家族構成も審査対象となります。家計の余力を計るという観点から、扶養家族が多いと支出が多くなると判断され、審査に不利に働くケースがあります。同居の家族はもちろんのこと、別居している家族についても情報提供を求められることが多いようです。子どもがいる場合は今後かかってくる教育費など、細かいところまで予測して審査が行われています。

金融資産(自己資金)

今持っている金融資産も重要な審査項目となります。預金はもちろん、株、保険、確定拠出年金などすべての保有資産の開示が必要になります。金融機関によっては、同一世帯の家族がいる場合家族の金融資産も加味されることもあるようです。また、金融資産に関しては「資産の多さ」と同じく「財務管理能力」を見られていると言われています。そのため様々な資産に分散して安定した運用をしている人は高く評価される傾向があります。

その他借入金状況

不動産投資ローンはだいたい年収の8~10倍程度を目安に借入金額の上限があるため、その他の借入金状況は重要な審査項目となります。住宅ローンや奨学金がある場合はその返済状況、過去に支払遅延などがないか、残債の金額など細かくチェックされます。また、持ち家の場合はローンの状況を確認しますが、賃貸の場合は家賃が本人の月収の何割を占めているのかという点もチェックします。悪質な支払遅延など本人の信用にかかわる情報が確認された場合には、審査に通ることは大変難しくなります。

不動産投資の経験

その他借入金状況にも関係しますが、不動産投資の経験があるかどうかも審査項目の一つとなります。すでに他にも物件を持っていて、順調に収益が出ているようであれば今回購入する物件や借主の信頼性が増すこととなり、審査に有利に働きます。しかし、他の物件を購入したばかりで借入金が大きい状態だと逆に審査に不利になることもありますので気をつけましょう。

購入する物件の収益性

購入する物件に収益性がないと判断されてしまうと融資を受けることは難しいため、購入する物件の収益性も重要なポイントです。収益性は物件周辺エリアの利回り相場や、家賃相場、ローン返済後のキャッシュフローなどから総合的に判断されます。そして収益性はもちろんですが、物件の残耐用年数までしか融資年数が設定できない場合もありますのでその点にも注意が必要です。

不動産投資ローンの大枠を理解しよう

不動産投資ローンについて解説しました。本人の属性だけでなく、物件の収益性など様々なポイントが審査項目となる不動産投資ローン。審査完了までは最低一ヶ月程度は時間がかかりますので、ローンを検討する場合は計画的に利用するようにしましょう。

参考記事:『不動産投資ローンのよくある6つの失敗パターンと、失敗を防ぐための4つのポイント

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