ワンルームマンション投資とは、不動産投資の中でもワンルームマンションを区分(1部屋単位)で購入し、賃貸に出す不動産投資の方法です。ワンルームマンションの定義とは居室が1つで主にユニットバス・トイレがあり、ミニキッチンが配置されたタイプの部屋があるマンションのことを指します。間取りとしては1R、1K、1DK、1LDKの4種類があり、一般的なワンルームは1部屋全体で約20㎡(約12畳)程度で単身者が快適に住めるようになっています。本記事では主に中古ワンルームマンションと比較したときの新築ワンルームマンション投資のメリット・デメリットを解説します。
参考記事:
『ワンルームマンション投資のメリット・デメリット』
『新築ワンルーム投資で失敗する7のパターンと成功率を上げるための3つのポイント』
賃貸物件を探している人の中には、一定数「新築」のみに限定して探している人がいます。地震などの災害リスクが高い日本では特にその傾向は顕著で、新築物件は家賃が多少割高でも人気があります。ワンルームマンションは一戸建てと比べても空室リスクが低いと言われていますが、新築ワンルームマンションはさらにそのリスクが低くなるということです。不動産投資を行う上で一番のリスクはこの空室リスクなので、空室リスクが低いのは新築ワンルームマンションの大きなメリットの一つです。
不動産投資ローンはその物件の収益性を見ながら審査を行いますので、中古物件と比べると新築物件のほうが物件評価額は高く、ローンが組みやすいというメリットもあります。新築ワンルームマンションは需要も多いので、不動産投資の中では最もローンが組みやすく、始める敷居が低いと言えるでしょう。また、新築ワンルームマンションの場合物件評価額が高いのでローンの限度額も高くなる傾向があり、フルローンが可能な場合もあります。
※すべての人が希望額まで融資を受けられるわけではありません。
中古ワンルームマンションの場合、それまでどのような物件管理を行ってきたかによって資産価値の状況はそれぞれ異なりますが、新築ワンルームマンションの場合は新品でオーナーとなるため、自身の管理次第で物件の資産価値が長く続きます。適切な管理を行うことで売却時にも物件価値が高いまま査定してもらうことが可能になりますので、新築だからといって管理を疎かにせず資産価値を高く保つよう心掛けましょう。
ワンルームマンションは単身者のニーズを満たすために都心や駅チカなどの利便性の良い場所に建てられていることが多いため、売却時もその利便性から買い手がつきやすいという特徴があります。流動性が低いと言われている不動産投資の中で比較的流動性が高いというのはワンルームマンションのメリットです。新築ワンルームマンション投資を行う場合、基本的に長期間の運用を前提としますが、物件を購入して5年以内に売却すると売却にかかる所得税や住民税が高額になってまいますので、もし何らかの理由で売却を検討する場合は保有して5年が経過してからにしましょう。
物件の管理の手間が少なくて済むというのも新築ワンルームマンション投資のメリットの一つです。新築ワンルームマンションは1部屋ごとの区分で購入するため共有部などの管理は必要なく、部屋の管理も新築であればほとんど必要がありません。ただ、数年経過すると設備の不具合などで修繕の必要が出てくる場合もあるので、管理のための資金は残しておくようにしましょう。
新築ワンルームマンションのデメリットは、なんといっても物件価格が高いことです。だいたい都内のワンルームマンションで1,500万円ほどから販売されていますが、中古物件と比べると物件価格はかなり高いです(市況や中古物件の築年数にもよりますが、基本的には少なくとも1〜3割は高いです)。その分設備が最新で、セキュリティ面でも安心できる建物が多いのでトラブルが起こりにくいというメリットもあるのですが、中古物件と比べると資金が多く必要であることは認識しておきましょう。
物件価格が高いという点とつながりますが、新築ワンルームマンションは中古ワンルームマンションや一棟アパートなどと比べると利回りが低い傾向があります。これは予想される収益(家賃)と比べて物件価格が高いことからそうなるのですが、利回りを重視する人にとってはデメリットです。しかしこれは表面利回りの話で、実質利回りになると管理費用が嵩みやすい中古物件の方が利回りが低くなることもありますので、物件購入の際は実質利回りまで確認するようにしましょう。
※表面利回り…年間の家賃収入の総額を、物件価格で割り戻した数字のこと。
※実質利回り…年間の家賃収入から諸経費(管理費や固定資産税など)を差し引いたものを、物件価格に購入時の諸経費(登録免許税など)を足したもので割った数字のこと。
不動産投資では、帳簿上の赤字を作ることで所得税や住民税の節税につながります。新築のワンルームマンションの場合、RC造がほとんどなので減価償却期間は建物の法定耐用年数(=47年)となり、長期間に渡り節税効果を見込むことができます。しかし、新築ワンルームマンションの場合減価償却期間が長い分毎年の減価償却費は少なくなり、あまり多くの節税効果を見込むことができません。また、物件購入の初年度は諸経費がかかるため節税効果を感じやすくなりますが、2年目以降は諸経費がない分節税効果は感じにくくなります。不動産投資に節税効果があることは事実ですし、特に年収の高い人には効果的な手段ではありますが、その効果に期待しすぎないように気をつけましょう。
新築ワンルームマンションは、通常の相場家賃価格よりだいたい3~7%ほど高い家賃が設定されていることが多いです。その賃料で入居者が決まり長く住んでもらえれば利回りの良い状態のまま運用が行えるというメリットがあります。しかし新築プレミアムの家賃設定ができるのは新築時のみなので、もし新築時に入居してくれた人がすぐに退去してしまえば、家賃を大幅に下げなくては入居希望者が出ないこともあります。新築プレミアムの家賃がずっと続く前提では考えない方がよいでしょう。
新築ワンルームマンション投資のメリット・デメリットについて解説しました。手間が少なく、空室リスクも低い新築ワンルームマンションは不動産投資の初心者にも運用が行いやすいと言えます。この記事にあるようなメリット・デメリットを理解した上で、新築ワンルームマンション投資を検討してみましょう。