2022/04/15

新築ワンルーム投資で失敗する7のパターンと成功率を上げるための3つのポイント

新築ワンルームマンションで不動産投資を行う際のありがちな失敗パターンと、成功率を上げるためのポイントについて解説します。空室リスクが低く、比較的流動性も高い新築ワンルーム投資は不動産投資初心者にも人気です。しかし「新築」という言葉に惑わされてしまうと失敗につながりかねません。失敗パターンを学んで活かしていきましょう。

新築ワンルーム投資とは

ワンルームマンション投資とは、不動産投資の中でもワンルームマンションを区分(1部屋単位)で購入し、賃貸に出す投資方法です。ワンルームマンションとは、居室が1つで主にユニットバス・トイレがあり、ミニキッチンが配置されたタイプの部屋があるマンションのことを指します。間取りとしては1R、1K、1DK、1LDKの4種類があり、一般的なワンルームは1部屋全体で約20㎡(約12畳)程度で単身者が快適に住めるようになっているのが特徴です。本記事では新築に限定したワンルームマンション投資のありがちな失敗パターンと、成功率を上げるためのポイントを解説します。

参考記事:

ワンルームマンション投資のメリット・デメリット

ワンルームマンション投資は新築と中古のどちらが良いのか?気をつけるポイントを比較

新築ワンルーム投資でありがちな7つの失敗パターン

1. 設備の新しさだけを見て物件を選んでしまった

新築のワンルームマンションは、設備や内装の新しさが魅力です。セキュリティ面で安心なトリプルロックシステムや宅配ボックス、浴室乾燥機など入居希望者が増えそうな魅力的な設備を備えたワンルームマンションも増えてきています。しかしいくら設備が最新でも、賃貸需要がある場所に建っていなければ入居希望者は集まりにくいです。利便性よりも設備の充実度を重視する傾向にあるファミリータイプの部屋とは異なり、ワンルームマンションは利便性が第一です。設備の良し悪しだけで物件を選んでしまうと、入居希望者が集まらず空室が続くという失敗につながりがちなので気をつけましょう。

2. 周辺の家賃相場を確認せず家賃を設定してしまった

新築物件は、通常の相場家賃価格よりだいたい3~7%ほど高い家賃が設定されていることが多いです。その賃料で入居者が決まり長く住んでもらえれば高い利回りのまま運用が行えるというメリットがあります。しかし、周辺の家賃相場よりもあまりに高い家賃設定をしてしまうと、当然入居者が決まりにくくなってしまいます。近くにワンルームマンションがどれくらいあるかによってその周辺の家賃相場はだいぶ変わってきますので、一般的な家賃相場で考えるのではなく、物件のある場所周辺の家賃事情をリサーチしてから適切な家賃設定を行うようにしましょう。

3. 事前に長期の収支シミュレーションを行わなかった

新築ワンルームマンション投資は、はじめは家賃も高めに設定でき、管理費用もほとんどかからないなど順調に見えることが多いですが、新築時の収支が続くと思ってしまうと「意外と早く修繕費用が必要になってしまったときに資金が足りない」という失敗パターンにつながってしまいます。新築ワンルームも3~4年経過してくると家賃の下落や設備の不具合の発生など、初年度とは異なる収支になってくることがあります。そのためあらかじめ、10年単位で厳しめに作成した収支シミュレーションを行っておくことが大切です。

4. 信頼できない不動産会社・管理会社に頼んでしまった

これは新築ワンルームマンション投資に限らない話ですが、信頼できない不動産会社や管理会社にお願いしてしまうと相場より高い物件を提案されたり、不利なサブリース契約を結んでしまったりと失敗する確率が格段に高くなってしまいます。レスポンスが早いかどうか、こちらの要望に寄り添ってくれるかどうか、オーナーに不利なこともきちんと伝えてくれるかどうかなどの点を見ながら、信頼できる業者をパートナーとして選ぶようにしましょう。

5. まとまった資金が必要になり物件を早期売却してしまった

新築ワンルームマンション投資は、基本的に長期を前提に運用を行います。出口戦略として売却するのは有効な方法ですが、物件を取得してから短い期間(5年以内)に売却してしまうと売却にかかる所得税や住民税が非常に高くなります。短期的に地価がかなり上がっているような場所であれば話は別ですが、そのような場所はなかなかないので短期売却はあまり良い方法であるとは言えません。物件を購入してから5年以内に急に資金が必要になるなどして売却を行ってしまうと利益を出すことは難しくなってしまうので、資金状況には気をつけましょう。

【売却にかかる所得税・住民税】

区分 所得税 住民税

長期譲渡取得

(所有期間5年超で売却)

15% 5%

短期譲渡取得

(所有期間5年以下で売却)

30% 9%

※個別の地域ごとの地価情報については、以下サイトなどを参考にしてください。

参考:都道府県地価調査

6. 入居者の審査が甘かった

新築ワンルームマンションは、空室リスクが比較的低く入居者は決まりやすいと言われています。しかし、できるだけ空室期間を減らそうと入居希望者の審査をせず入居させてしまうと、家賃滞納などのトラブルリスクが上がってしまいます。入居希望者の職業、支払い能力、クレジットカードの滞納歴など確認できるところは確認して、安心できる入居者に住んでもらうようにしましょう。入居者の審査業務まで管理会社に委託している人は、審査の基準をしっかり伝えるようにしてください。また、審査を厳しくすると現在働いていない高齢者の人の入居を断るべきか迷うという人も多いですが、基本的に年金収入が安定してあるようであれば、高齢者の人でも支払い能力はあると判断して問題はないでしょう。

7. 節税効果を目当てに物件を選んでしまった

不動産投資では、帳簿上の赤字を作ることで所得税や住民税の節税につながります。新築のワンルームマンションの場合、RC造がほとんどなので減価償却期間は建物の法定耐用年数(=47年)となり、長期間に渡り節税効果を見込むことができます。しかし、節税できるということはマンション投資の収支が赤字であるということが前提であり、節税効果以上の赤字が出てしまっては意味がありません。不動産投資で重視すべきことは節税効果ではなく「物件の収益性」です。「節税できますよ」という営業マンの言葉に惑わされず、納税しながらしっかり収益が見込める物件を選定するようにしましょう。

新築ワンルーム投資の成功率を上げるための3つのポイント

1. 「新築」と呼べる期間は短いことを知っておく

「新築」と呼べるのは、過去に誰も入居したことがなく、建築後1年未満の物件のみです。(建築後1年が経過したけれど誰も入居したことがない物件は「未入居物件」と呼ばれます。)日本では特に新築物件を好む人が多いため、新築の期間は入居者が決まりやすい傾向がありますが、例えば最初に入居した人がなんらかの理由ですぐ退去してしまったら、もう「新築」とは呼べなくなってしまいます。そうすると家賃を下げないと次の入居者が決まらないなど、当初想定していた収益が変わってきてしまうことがあります。新築物件は新築プレミアム価格の家賃設定ができ、入居者が決まりやすいなどメリットもありますが、「新築」である期間は短いのでその効果を期待しすぎないことが大切です。

2. 修繕リスクはゼロではないので資金は残しておく

新築ワンルーム物件は、最初は修繕費用がかかりません。しかし早い場合だと数年経過すると、部屋の設備の不具合が出てくることもあります。物件費用に資金を全て注いでしまって修繕のための費用が捻出できないということになってしまうと困るので、物件購入時から部屋の修繕費用は別途自身で積み立てるなどして確保しておくことをおすすめします。修繕費用の他にも、毎年かかる管理費用として固定資産税・都市計画税や管理費、マンション全体としての修繕積立金などが発生します。資金は余裕を持って残しておくようにしましょう。

3. 新築だろうと中古だろうと賃貸需要の見極めが一番重要

新築物件は魅力的ですが、前述したように特にワンルームマンションの場合は立地が良くなければ空室リスクは高くなります。「不動産投資を行う場合、新築と中古はどちらが良いのか」という論争はよく起こりますが、どちらにせよ物件のある場所に賃貸需要があるかどうかが重要であり、その見極めを誤ってしまうと新築だろうと中古だろうと失敗してしまう可能性が非常に高くなります。周辺環境や競合物件の数や家賃等を確認し、その場所に賃貸需要があるのかをしっかり見極めるようにしましょう。

失敗パターンを学んで成功率を上げよう

新築ワンルーム投資で失敗する7のパターンと成功率を上げるための3つのポイントについて解説しました。不動産投資の入り口として選ばれることも多い新築ワンルーム投資ですが、ポイントを押さえて物件選びをする必要があります。ありがちな失敗パターンを学んで、運用の成功率を高めましょう。
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