2022/08/23

逓減定期保険とは?メリット・デメリットや注意点まで解説

逓減定期保険のメリット・デメリットについて解説します。定期保険の種類の一つである逓減定期保険は、合理的な死亡保険として近年注目を集めています。どのような特徴があり、どのようなメリット・デメリット、注意点があるのかわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

定期保険とは

定期保険とは、契約時に保障期間を指定し、その期間内で保障が受けられる死亡保険です。保障期間中に死亡または高度障害状態となった場合に保険金を受け取ることができます。終身保険などと比べて貯蓄性はほとんどなく、解約した際の解約返戻金もないことが多いですが、その分終身保険などと比べて保険料は割安という特徴があります。

参考記事:『定期保険(定期生命保険)のメリット・デメリット

逓減定期保険とは

逓減(ていげん)定期保険とは定期保険の一種で、加入した年の保険金額が最も大きく、その後年数の経過とともに保険金額が徐々に減少していく(逓減する)という特徴のある生命保険です。保険金の受け取り方法は一括のみで、逓減率は年3%ずつ、年4%ずつなど商品によってそれぞれ異なります。逓減定期保険の商品の中には逓減率を自身で設定できるものもあり、子どもの成長などに伴う必要保証額の増減に対応できる最適な保険と言えます。

その他の定期保険の種類

定期保険には、逓減定期保険の他にも以下のような種類があります。

平準型定期保険

最も一般的な定期保険です。保障開始時から保障終了時まで保険金額が変動せず、最初に設定した金額を受け取ることができます。

逓増定期保険

逓減定期保険とは逆で、加入後年数の経過とともに保険金額がだんだんと増える逓増定期保険というタイプもあります。このタイプの保険は他の定期保険と比べて保険料が割高で、個人よりは法人で加入するケースが多くなっています。

収入保障保険

収入保障保険も定期保険の一種で、年数が経過するとともに保険金額が減少するという点は逓減定期保険と同じですが、保険金が一括ではなく月ごとなどの分割で支払われるという特徴があります。また、逓減定期保険のように一括で保険金を受け取る場合は相続税の課税対象となり、収入保障保険のように定期的に保険金を受け取る場合は1年目に受け取る死亡保険金は相続税の課税対象、その後毎月受け取る死亡保険金は所得税の課税対象となるという違いもあります。

参考記事:『収入保障保険のメリット・デメリットとは。必要性から注意点まで

逓減定期保険のメリット

1. 保険料が割安

逓減定期保険は保険金が年数に応じて減っていくため、通常の定期保険と比べて保険料が割安であるというメリットがあります。定期保険は保障期間が一定期間のみのため、終身保険などと比べてそもそも保険料が割安な傾向がありますが、その定期保険の中でもより割安に保障を受けられるということです。

2. 健康状態によってさらに保険料が安くなることもある

逓減定期保険の商品の種類にもよりますが、加入者の健康状態によってさらに保険料が割引になる場合があります。そのような商品の場合、例えばタバコを吸わない人や、健康診断の結果が良い人などは保険金を支払う可能性が他の人よりも低いという理由から一定の割引を受けることができます。保険料が割安な逓減定期保険でさらに保険料の割引を受けられるというのは大きなメリットの一つです。

3. 合理的な保障金額を準備することができる

逓減定期保険は年月の経過とともに保険金額が減少していきます。この点について不安に思う人もいるかもしれませんが、実はとても合理的な仕組みです。なぜなら人生のうちでずっと同じ保険金額が必要である人はほとんどおらず、子どもの年齢や貯蓄などに応じて必要な保障金額は変化していくものだからです。そして必要な保障金額は子どもに教育費がかかる年齢までが一番高く、その後は緩やかに減少していきます。自身のライフプランに合わせた設計がしやすいため、逓減定期保険は最も合理的な保険商品であると言えるでしょう。

逓減定期保険のデメリット

1. 保険料は基本的に掛け捨て

逓減定期保険は基本的に掛け捨ての商品がほとんどで、解約返戻金があってもごくわずかとなります。「貯蓄性のある保険に入りたい」と考えている人にとっては不向きとなりますので注意しましょう。ただ、掛け捨てであるから割安な保険料で加入することができるため、自身が保険に何を重視するかを見極めて検討する必要があります。

逓減定期保険の注意点

1. 逓減割合は加入前にしっかり理解しておく

逓減定期保険の逓減率は、商品によって様々です。たとえば加入後数年経過後から初めて保険金額が下がっていく商品や、加入後毎年同じ割合で下がっていく商品もあります。また下がっていったあとの最低保険金額も商品によって異なり、ある一定金額まで下がればその後は下がらない商品もあれば、毎年必ず下限なく下がっていく商品もあります。

加入後、保険金を受け取る段階になって「思っていたより金額が少なかった」ということのないように、加入前に逓減条件についてはしっかり確認するようにしましょう。


逓減定期保険のメリット・デメリットを理解しよう

逓減定期保険のメリット・デメリットについて解説しました。逓減定期保険は、ライフプランにあった経済的リスクを割安な保険料でカバーすることのできる保険です。メリットやデメリット・注意点を理解した上で、自身に合った保険商品を選択しましょう。

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