2022/04/28

不動産投資ローン、サラリーマンの融資限度額とは。融資限度額を上げるコツまで解説

不動産投資ローン(アパートローン)を組む際、一般のサラリーマンの場合の融資限度額はどれくらいなのかという点について解説します。不動産投資において融資限度額は、購入できる物件が変わってくるため非常に重要です。年収や勤務年数など融資限度額に関わってくる項目から、融資限度額を上げるコツまで解説しますので参考にしてください。

不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、不動産投資のために金融機関から受けることができるローンの名称です。自身が住むための住宅を購入するために組む住宅ローンとは審査基準が異なり、購入する投資物件の収益性なども審査されます。

不動産投資ローンには主に個人投資家が利用するアパートローンと、個人投資家から事業主までより投資規模の大きい人が利用するプロパーローンがありますが、この記事ではアパートローンについて、一般的なサラリーマンが利用する際の融資限度額について解説します。

参考記事:『【初心者向け】不動産投資ローンとは。種類や組み方、手順や審査基準まで

一般的なサラリーマンの融資限度額とは

一般的なサラリーマンの不動産投資ローン融資限度額は、年収の7倍~10倍程度であると言われています。すでに不動産投資を行っていて利益が出ている、親の遺産があるなど条件が揃えば年収の10~20倍まで融資額が増えることもあります。自宅を購入した際に利用する住宅ローンの場合は年収の5~7倍が融資限度額と言われていますので、これから収益が見込める不動産投資を行うための融資ではより多額の融資が可能なことがわかります。

参考記事:『不動産投資ローンを組むのに必要な年収とは。属性を上げるコツも

融資限度額を左右する条件

不動産投資ローンの融資限度額はだいたい年収の7倍~10倍程度と言われていますが、借主によってだいぶ幅が出てきます。ここからは、不動産投資ローンの融資限度額を左右すると言われている条件について解説します。金融機関によって審査の基準は若干変わってくるため、すべての金融機関でこれらの項目が融資限度額に関わってくるとは言い切れませんが、いずれも重要な審査項目の一つですので参考にしてください。

勤務先

安定した収入があるかどうかを見るために、勤務先は重要な審査項目です。一般的なサラリーマンであれば安定した収入があると見なされますが、特に一部上場企業などの大企業であれば、融資限度額も上がる傾向があります。サラリーマン以外にも、医者、弁護士などは安定性が高いと判断されます。逆にサラリーマンの中でも中小企業や、自営業の場合は収入の不安定さがあると判断され融資限度額が下がる傾向がありますので、もしサラリーマンの人で今後自営業への転職を考えている場合は、不動産投資を行うならサラリーマンの間にローン審査を受けておくことをおすすめします。

勤続年数

勤務先だけでなく、勤続年数も重要な項目となります。勤続年数が長いほど評価が高くなり、融資限度額が上がる可能性があります。逆に転職を繰り返していて勤続年数が短い場合、職を失う可能性が高いとして評価が低くなります。

家族構成

家族構成についても、融資限度額を左右するポイントがあります。単身者よりも配偶者がいる方が連帯保証をつけられるため属性評価が高くなり、融資限度額が上がる傾向にあります。子どもが多いと支出が多いと見なされ評価が若干低くなることもあるようですが、融資限度額にはさほど影響しないようです。

遺産

将来入る予定の遺産が具体的に定まっている場合、金融機関によっては入る予定の遺産の金額の半分を融資限度額に追加するというケースもあります。遺産が入る予定の人は、遺産状況も金融機関に伝えてみるとよいでしょう。必ずとは言えませんが、融資限度額が大幅に上がる場合もあります。

他の借入状況

カードローン、住宅ローンなど他の借入金状況も融資限度額に影響します。カードローンがある場合は評価が下がりますので、可能であれば審査申込前に返済しておきましょう。住宅ローンについては、住宅ローン返済中であること自体は影響しない金融機関が多く、逆に持ち家がある方が生活基盤がしっかりしていると評価されるケースもあります。しかし以下のような場合は融資限度額に影響するどころか審査に通ることが難しくなってしまいますので、注意しましょう。

・住宅ローン支払遅延がある場合

・収入に対して住宅ローンの比率が大きい場合

購入する物件の収益性

購入する物件の収益性が高いと判断された場合、融資限度額も上がりやすいです。主に立地や周辺環境が良い物件の場合は物件の担保性が高いと判断されるため、融資に有利に働きます。そのため融資限度額を上げるためには、年月が経っても高く売れるような物件を見定めることが重要となります。

融資限度額を上げるコツ

収入を増やす

融資限度額を上げる一番手早い方法は、収入を増やすことです。ここで重要なのは、不動産投資ローンの審査で見ているのは「安定した」収入があるかという点です。会社での収入が低いから副業を行って収入を上げれば属性が上がるかと言うとそうではありません。個人で行う副業は安定した収入とはみなされないため、よほど規模が大きい副業でないかぎり属性の改善にはつながらないことが多いです。なかなかすぐには難しいですが、本業での収入アップを目指すことが融資限度額の増加への一番の近道ということになります。

他の負債を完済する・借り換えを行う

前述した通り、不動産投資ローンを申し込む際に別の借入(住宅ローン以外)がある場合は、先に完済しておくことも重要です。また、住宅ローンなど金額の大きな負債に関しては金利の見直し、借り換えをすることも融資限度額を上げるためのポイントとなります。マイナス金利の導入以降ローンの金利は超低金利が続いており、他の金融機関に借り換えを検討することで金利を引き下げられる可能性もあります。借り換えを行うことで返済額や毎月の収支が改善することができれば、次に借りるローンの限度額も高くなる可能性が出てくるということです。

不動産投資の実績を積む

すでに不動産投資の実績があり、順調に利益が出ているようであれば次の借入時に融資限度額が上がる可能性があります。利益の安定しない副業であれば属性に良い影響は与えませんが、安定的に家賃収入が見込める不動産投資であれば属性を上げる要因になり得るということです。もちろんこれは運用がうまくいっていて健全なキャッシュフローで不動産投資を行えている場合に限りますので、その点は注意してください。

クレジットカードの限度額を下げる、解約する

カードローンなど他の負債がある場合は審査に影響しますが、クレジットカードを複数持っている、クレジットカードの限度額が高い場合にも審査にマイナスに影響する可能性があります。これは現在は借入をしていなくても、将来的に借入を行う可能性があると見なされてしまうからです。そこで少しでも属性を上げて融資限度額を上げたい場合は、使っていないクレジットカードは解約する、またクレジットカードの限度額を引き下げておくことも有効となる場合があります。

サラリーマンの融資限度額について理解しよう

不動産投資を行う上で、サラリーマンの融資限度額はいくらなのか、融資限度額を上げるコツについて解説しました。努力によって多少の融資限度額を引き上げることは可能ではありますが、限度額まで借り入れることが正解とは限りません。自身の属性や物件の状況を慎重に判断しながら、健全な運用を目指しましょう。

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