2022/09/20

ふるさと納税の限度額とは?仕組みや控除額の計算方法まで解説

ふるさと納税の限度額について解説します。ふるさと納税は魅力的な制度ですが、自分がいくら寄付ができるのかわかりにくいという人は多いと思います。ふるさと納税の基本的な仕組みから年収に応じた限度額の目安、住民税の控除額の計算方法までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、自分が産まれたふるさとや応援したい自治体に寄付ができるという制度です。人口減少による税収の減少への対応や、地方と大都市の格差是正を目的として2008年5月から制度がスタートしました。 2015年4月からは「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が始まり寄付先の自治体が5つ以内であれば確定申告が不要になったため、さらに利用しやすくなっています。

ふるさと納税では所定の手続きを行うと、寄付金のうち2,000円を超える部分について所得税の還付、住民税の控除が受けられます。寄付金の使い道を自身で指定することができ、地域の名産品など幅広いお礼の品がもらえるという魅力的な仕組みです。

参考:ふるさと納税ポータルサイト(総務省)

参考記事:『【2022年】ふるさと納税サイトおすすめ徹底比較!各社の特徴からよくある疑問まで

ふるさと納税の限度額とは

ふるさと納税を行う場合、どんな商品を選択してどれだけ寄付してもすべてが控除対象となるわけではありません。納めている税金以上の控除は不可能なため、寄付する人が納めている税金(給与収入)によってふるさと納税の限度額も変わってきます。

ふるさと納税の限度額の目安は給与年収に応じて以下のように設定されています。

ふるさと納税を行う人の給与収入
ふるさと納税を行う人の家族構成が独身または共働き ふるさと納税を行う人の家族構成が夫婦のみ(配偶者に収入がない)
ふるさと納税を行う人の家族構成が共働き+高校生の子1人
ふるさと納税を行う人の家族構成が共働き+大学生の子1人
ふるさと納税を行う人の家族構成が夫婦+高校生の子1人
ふるさと納税を行う人の家族構成が共働き+高校生と大学生の子2人
ふるさと納税を行う人の家族構成が夫婦+高校生と大学生の子2人
300万円
28,000
19,000
19,000
15,000
11,000
7,000
-
500万円
61,000
49,000
49,000
44,000
40,000
36,000
28,000
800万円
129,000
120,000
120,000
116,000
110,000
107,000
85,000
1000万円
180,000
171,000
166,000
163,000
157,000
153,000
144,000
1300万円
326,000
326,000
261,000
258,000
261,000
248,000
248,000
1500万円
395,000
395,000
377,000
373,000
377,000
361,000
361,000
2000万円
569,000
569,000
552,000
548,000
552,000
536,000
536,000
2500万円
855,000
855,000
835,000
830,000
835,000
817,000
817,000

※上記表はあくまで目安です。住宅ローン控除など、他の控除を受けている場合は限度額が変わってきます。正確な限度額が知りたい場合は市区町村へ問い合わせてください。

たとえば年収500万円で共働きの人であれば、自己負担2,000円でふるさと納税を行える限度額は約61,000円ということになります。まずは自身の給与年収と家族構成から、だいたいの限度額を把握しましょう。

ふるさと納税の限度額の計算方法

ふるさと納税の限度額は上記に目安の表を記載しましたが、細かく計算したい場合は以下の式で求めることができます。


・ふるさと納税で所得税から控除される上限額の算出方法

(ふるさと納税額-2,000円)×所得税の税率


・ふるさと納税で住民税から控除される上限額の算出方法

・基本分:(ふるさと納税額-2,000円)×10%

・特例分:「(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)」または「(住民税所得割額)×20%」

※住民税からの控除額は、「基本分」と「特例分」の合計で計算され、それぞれ違う式が求められます。特例分については、通常は前者の計算式が使われますが、前者の式で計算した結果が住民税所得割額の2割を超える場合は後者の計算式が使われます。


また、ワンストップ特例を利用する場合は所得税からの控除は行われず、寄付金額すべてが住民税から控除されますので注意してください。

※ワンストップ特例制度とは

ふるさと納税のワンストップ特例とは、ふるさと納税を行う先の自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出することで、確定申告を行わなくても住民税の寄付金控除を受けることができるという制度です。通常、ふるさと納税を行った場合は確定申告を行わなければいけませんでしたが、2015年にワンストップ特例制度ができたことで、ふるさと納税以外に確定申告を行う必要性がない人がより簡易にふるさと納税の制度を活用することができるようになりました。ワンストップ特例制度を利用できるのはふるさと納税以外に確定申告を行う必要性がなく、ふるさと納税を行う先の自治体が5団体までの人に限られますが、利用できる人は是非活用してください。

参考:ワンストップ特例制度(総務省)

ふるさと納税の限度額に関する注意点

1. 限度額にかかわらず自己負担分の2,000円は必ず必要

ふるさと納税は給与収入によって限度額が異なりますが、この限度額は「自己負担が2,000円で済む限度額」であり、自己負担分なしでは寄付することができません。限度額の上限にかかわらず自己負担分の2,000円は最低必ず必要であることは理解しておきましょう。

2. 限度額を超えた場合は自己負担額が大きくなる

ふるさと納税を選ぶ際、たくさんの魅力的な返礼品があり選ぶのに迷う人も多いと思います。実はふるさと納税を行うことができる金額には限度額はなく、やればやるほど返礼品を受け取ることができます。ただし、控除限度額を超えた部分に関しては全額が自己負担となりますので注意してください。

3. 年収200万円以下だとメリットがない場合も

ふるさと納税は年収200万円以下の人でも行うことができますが、家族構成などの条件によってはふるさと納税のメリットがなくなってしまうケースもありますので注意が必要です。例えば年収200万円で特定の年齢の子供がいるひとり親や寡婦の場合、ふるさと納税の上限額が5,000円以下となります。寄附を行い返礼品を受け取れる最低金額は5,000円~としている自治体が多いため、人によっては自己負担額が多くなり、節税効果が薄くなってしまう場合があるということです。自分の寄附上限額がいくらになるのかはよく確認してからふるさと納税を行うようにしましょう。

ふるさと納税の限度額について理解しよう

ふるさと納税の限度額について解説しました。限度額は年収や家族構成によって細かく変わってきますので、必ず事前に確認して限度額を超えないようにしましょう。

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