2022/05/10

不動産投資とマイホーム購入はどちらを先にするべきか。メリット・デメリットを比較

不動産投資とマイホームを検討した時に、どちらのローンを先に組むべきなのでしょうか。ローンを組む順番は、ローンの審査や返済計画に大きく影響してくるため、それぞれのメリット・デメリットを理解して検討することが大切です。不動産投資ローンと住宅ローンの違いや、ローンを組む際の注意点まで解説しますので、参考にしてください。

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

不動産投資ローンとは、不動産投資のために金融機関から受けることができるローンの名称です。不動産投資ローンには主に個人投資家が利用するアパートローンと、個人投資家から事業主までより投資規模の大きい人が利用するプロパーローンがあります。通常個人投資家の場合アパートローンを利用することになりますので、本記事では不動産投資ローン=アパートローンとして解説します。

住宅ローンとは、自分が住むための住宅を買ったり改築したりするために金融機関から受けることができるローンの名称です。原則として、契約者本人や家族が居住するための住宅を購入する費用として活用することができ、「人に貸すための物件」や「セカンドハウス」の購入には利用することができません。

その他、不動産投資ローンと住宅ローンは以下のような違いがあります。


住宅ローン 不動産投資ローン
返済原資 借主の毎月の給与収入 収益用不動産から得られる毎月の家賃収入
融資金額 年収の5倍~8倍程度が融資の上限であることが多い 年収の7倍~10倍程度、事業規模によっては15倍~20倍程度の融資が可能な場合もある
融資の金利 0.5%~2%程度 1.5~4%程度
融資審査の内容 借主の属性

借主の属性

購入する物件の収益性

名義 個人名義での契約のみ 法人名義での契約も可能
団体信用生命保険への加入 必須 必須ではないこともある

不動産投資ローンを先に組むメリット

基本的に、住宅ローンと不動産投資ローン両方を検討する場合は不動産投資ローンを先に組んだ方がメリットが大きいことが多いと言われています。つまり、不動産投資用の物件を先に購入し、後からマイホームを購入するという順番です。どちらのローンを先に組んだ場合も与信枠を大幅に使うことになるため後から組むローンに多少なりとも影響はしますが、不動産投資ローンを先に組むメリット・注意点は以下の通りです。

1. 家賃収入が入る分、総所得を増やせる可能性がある

不動産投資を先に始めることで、不動産投資で得られる家賃収入を自身の給与収入にプラスすることができるというメリットがあります。例えば、年収700万円の人が不動産投資を始めて年間100万円の家賃収入を得ることができた場合、後から住宅ローンを組む場合には家賃収入分も合わせて800万円を収入として審査を受けることができます。収入の不安定な副業の場合は審査にプラスになることはほぼないですが、不動産投資の安定した家賃収入であれば収入の一部として総収入に追加した状態で審査する金融機関もあります。そうすることでより良い条件で住宅ローンの融資を受けることができたり、購入できるマイホームの幅が広がることもあります。ただしこれは不動産投資が順調に運用できている場合の話であり、空室が続くなどで収益が上がっていない場合は後から受ける住宅ローンの審査に悪い影響を及ぼす可能性もあります。収益物件の選定は慎重に行い、安定して家賃収入が得られると判断した物件に対して不動産投資ローンを組むようにしましょう。

2. 投資用物件の方が流動性が高く、現金化しやすい傾向がある

住宅ローンを組んで購入するマイホームはファミリー向け物件であることが多いため、ワンルームマンションと比べると流動性が高いとは言えません。不動産投資ローンを組んで購入する投資用物件は単身者用のワンルームマンションが多く、比較的流動性が高いと言われています。特に都心や駅近の物件であればより流動性が高く、もし売却したいと考えたときにも購入希望者が見つけやすい傾向があります。不動産投資を先に始めることで、万が一運用が思った通りに行かず売却したいと思った際にも比較的早く現金化することができます。リスク対策としても、不動産投資を先に行っていた方が選択肢が増えやすいというメリットがあるのです。

しかしこれは物件のある地域によって事情は大きく異なり、都心であればファミリー向け物件でも需要が高く流動性が高いケースもあります。ワンルームマンションならどの地域でも流動性が高いわけではありませんので注意してください。

不動産投資ローンを先に組む場合の注意点

1. 不動産投資の収支が赤字の場合は注意

不動産投資ローンを先に組んだ方が良いのは、安定して家賃収入を得られる場合に限ります。先に始めた不動産投資の収支が赤字続きだった場合には、当然ですが後から組む住宅ローンの審査に悪影響を及ぼします。後から組む住宅ローンに悪影響を及ぼさないためにも、より安定して収益があげられる物件を選び、不動産投資の運用がうまくいっていない場合には、物件の早期売却も含めて検討する必要があります。

2. 必ず希望のマイホームを購入できるとは限らない

住宅ローンと不動産投資ローンを組む順番を考えた場合、不動産投資ローンを先に組む方がメリットが大きい場合が多いですが、不動産投資ローンを先に組んだ場合必ず希望のマイホームを購入できるとは限らない点には注意が必要です。

住宅ローンの融資限度額は年収の5~7倍、不動産投資ローンの融資限度額は年収の7~10倍が平均と言われていますが、与信枠は両方のローンの合計で考えられますので、先に組んだローンは少なからず後から組むローンに影響します。例えば年収700万円の人が、先に始めた不動産投資ローンで5,000万円の物件をフルローンで購入した場合、すでに与信枠をかなり使ってしまっているため後から組む住宅ローンはあまり融資を受けられない可能性があります。自分がどのくらいの与信枠なのかはよく把握し、ローン金額は慎重に決定するようにしましょう。

3. フラット35を利用できない可能性がある

フラット35とは、「全期間固定金利型住宅ローン」のことです。借入時の金利が全期間変わらないため返済計画が立てやすく、民間住宅ローンの借入時に必要な保証料・保証人・繰り上げ返済手数料ともに必要がない、自営業の人でも申し込みやすいなどのメリットがあるため人気の住宅ローンです。

しかしフラット35には、すべての融資の返済負担率が年収の30〜35%以下という利用条件があります。返済負担率とは年収に占めるすべての借入れの年間合計返済額の割合のことで、自動車ローンや不動産投資ローンもこの中に含まれます。不動産投資ローンを先に組み、返済時に本業の収入からも返済を行っている場合、フラット35の利用条件である総返済負担率30〜35%を上回る可能性も出てきます。そうするとマイホーム購入の際にフラット35は利用できなくなってしまうため、返済比率は慎重に決定するようにしましょう。

参考:フラット35公式HP

参考記事:『フラット35とは?民間住宅ローンとの違いから利用する上での注意点まで

住宅ローンを先に組むメリット

不動産投資ローンを先に組んだ方がメリットが大きいことが多いと言われている一方、住宅ローンを先に組むべきケースももちろんあります。住宅ローンを先に組むメリット・注意点は以下の通りです。

1. マイホームの予算が削られることがない

不動産投資ローンを先に組むメリットを前述しましたが、後から住宅ローンを組む場合、不動産投資ローンが与信枠を圧迫することは確かです。マイホームに関して注文住宅で1からこだわりたい人、二世帯住宅などで予算が高くなることが予想される人などは、先に不動産投資ローンを組んでしまうと希望の予算まで住宅ローンが組めない可能性が出てきてしまいます。マイホームに対して妥協せずこだわって予算をかけたいという人にとっては、まず住宅ローンを先に組んだ方がよいケースが多いでしょう。

住宅ローンを先に組む場合の注意点

1. 住宅ローンは単純な負債となるため、不動産投資ローンが通らないことも

不動産投資ローンを先に組んでいる場合は、物件の収益性や実際の収益を見て収入に加えてもらえるケースもありますが、住宅ローンを先に組んでいる場合はその金額は単純な負債となります。後から不動産投資ローンを組もうとした場合に、住宅ローンの残債によっては審査に通らないことも考えられますので注意しましょう。

それぞれの状況に応じて判断することが重要

住宅ローンと不動産投資ローンはどちらを先に組んだ方がいいのかという点について解説しました。基本的に不動産投資を先に始めた方がメリットが大きいと言われていますが、その判断は個々の状況に応じて変わってきます。また、不動産投資ローン→住宅ローンの順番で融資を申し込む場合も、あまり間を空けずに2つのローンを申し込むのはあまり得策とは言えません。不動産投資ローンを組み、2~5年ほど時間を空けて黒字での安定経営を続けたあとに住宅ローンを申し込むと、住宅ローンへ最大限良い影響を与えられる可能性が高いと言えるでしょう。いずれにせよシミュレーションを綿密に行い、後悔のない選択をすることが大切です。

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