2022/03/07

女性保険のメリット・デメリットとは。必要性から注意点まで

女性保険のメリット・デメリットについて解説します。女性特有の病気をカバーする女性保険ですが、どのような病気を保障することができ、保障内容はどのような特徴があるのでしょうか。女性が気をつけたい疾病から女性保険のメリット・デメリット、必要性、注意点までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

女性保険とは

女性保険とは、女性特有の病気(女性がかかりやすい病気)を手厚く保障する保険のことです。一口に「女性保険」と言っても、種類は主に以下の2つがあります。

・女性特有の病気の保障が主契約になっている保険

・通常の医療保険・がん保険などに女性特有の保障を特約として付加した保険

例えば、女性保険に加入することで通常の医療保険であれば入院日額5,000円給付されるところを、女性特有の病気で入院した場合は2倍の入院日額10,000円が支給されるといった形で保障が手厚くなります。病気でなくても妊娠・出産に伴う異常もカバーしてくれることが多いので、妊娠を望む女性にも注目されている保険です。

女性保険で保障が手厚くなる女性特有の病気・症状

女性保険の保障対象となるのは、主に以下のような病気です。

がん

・乳がん

・卵巣がん

・子宮頸がん

・甲状腺がん

妊娠・出産に関する異常

・流産

・子宮外妊娠

・子宮脱

・切迫早産

・妊娠高血圧症

・帝王切開

・鉗子分娩

・吸引分娩 など

その他

・子宮内膜症

・卵巣嚢腫

・関節リウマチ など

保険会社によって基準は異なる

上記は女性保険の対象となる主な病気ですが、その基準は保険会社によって異なります。近年女性保険の対象となる疾病は年々増えてきており、下肢静脈瘤、胆石症、腎結石・尿管結石などまで保障される女性保険も出てきました。また、乳がんに関しては今まで給付対象とならなかった「乳房再建術」の手術を受けた場合にも給付金が支給される商品も出てきています。女性保険を検討する場合は、どのような病気・手術に対して保障してくれるのかという点はしっかり確認しておきましょう。

女性保険の必要性

女性保険は現在各保険会社で特に注目されている保険であり、年々新しい商品が出てきています。それは以下のような点から女性保険の必要性が高いと判断されているからです。「公的医療保険があれば女性保険は必要ない」と思っている人も、以下の理由を見て本当に自分には必要ないかどうか一度検討してみることをおすすめします。

50代前半までは女性の方ががん罹患率が高い

年齢別・男女別のがん罹患率を見ると、男女ともに年齢が上がるほど罹患率も高くなりますが、50代前半までは女性の方ががんの罹患率が高いという特徴があります。また、女性で罹患率が高いがんは1位:乳がん 2位:大腸がん 3位:肺がん 4位:胃がん 5位:子宮がん となっており、1位と5位に女性特有のがんが入っています。女性が罹患するがんのうち、約46%が女性特有のがんであるというデータもあります。乳がんは30~50代と比較的若い世代も罹患しやすく、子宮頸がんはさらに若い世代の罹患率が高いのが特徴です。貯蓄の少ない若い世代でも罹患しやすいことから、もしがんになってしまった際の治療費の問題は女性にとって大きな問題です。健康なうちに女性保険で備えるというのは有効な選択肢であると言えるでしょう。 

参考:全国がん登録 罹患数・率 報告(厚生労働省)

妊娠・出産での異常に対するリスクがある

女性保険の必要性が高い理由として、女性には妊娠・出産での異常に対するリスクがあるという点も挙げられます。現代、4人に1人がなんらかの理由で帝王切開での出産となっており、切迫流産や切迫早産などで入院する人の割合も増えてきています。通常の医療保険でも妊娠・出産に関する異常はカバーされますが、女性保険に加入することでより手厚い保障を受けられることは経済的な安心につながります。今後妊娠・出産を希望している人の場合は、妊娠する前に女性保険への加入を検討することをおすすめします(妊娠判明後に女性保険に加入しようとした場合、妊娠・出産に関する異常はカバーされない、もしくは保険に加入できないこともあります)。

参考記事:『妊娠・出産費用は医療保険でカバーできる?

女性の患者数は男性の1.33倍

あらゆる病気での通院・入院患者数は女性が男性に比べて1.33倍であるというデータがあります。その理由としては、上述のように女性は妊娠・出産に関して通院や入院する機会があること、子宮など女性にしかない臓器があることで女性特有の病気が多いこと、男性よりも女性の方が長生きであることなどが考えられます。つまり、女性はより通院や入院・手術に対する備えが必要となる可能性が高いのです。

参考:患者調査の概況(厚生労働省)


女性保険に加入するメリット

1. 女性特有の病気に対する安心感が増える

女性特有の病気である乳がんや子宮がん、卵巣がんなどは比較的年齢が若くても罹患するリスクが高く、治療も長引く傾向があります。若い世代で罹患してしまうと経済的な理由から治療方法の選択肢が狭くなってしまうということも起こっているのが現状です。女性保険に加入することで、費用に対する安心感が増え安心して治療を受けることができるというのは大きなメリットです。

2. 妊娠・出産に対する安心感も増える

女性特有の病気はもちろん女性誰でも罹患する可能性はありますが、妊娠・出産に関する異常もどんな女性でも経験する可能性があります。妊娠・出産に関するリスクは数多くあるうえに、切迫早産などで入院した場合は数ヶ月など長期入院となることも珍しくありません。なるべく心穏やかに過ごしたい妊娠・出産期間に金銭的な不安を少なくしておくためには、女性保険は有力な選択肢です。

3. お祝い金が支給される商品もある

女性保険の中には、入院給付金や手術給付金だけでなくお祝い金やボーナスが支給されるタイプの商品もあります。そのような商品だと、3年や5年など一定期間保険金の請求がなく健康に過ごせた場合に「生存給付金」という形でお祝い金を受け取ることができます。健康で過ごせた場合にも給付金が受け取れるというのは嬉しいポイントですが、そのタイプの商品の場合は通常の女性保険よりも保険料が割高なことが多いため注意してください。

女性保険に加入するデメリット・注意点

1. 保険料が高くなる

女性保険は女性特有の病気に対して保障が手厚くなるため、通常の医療保険やがん保険よりも保険料が高くなります。特約を付加するタイプの商品の場合も、特約分の保険料の負担がかかります。どれだけ保障が手厚い保険に入っていても、保険料の負担が大きすぎては元も子もありませんので、自分が長く支払い続けられる金額を見極めて保険料を設定するようにしましょう。

2. 妊娠中は加入できない場合もある

女性保険含め医療保険では、妊娠中の保険加入について一定週数までは認めている場合と、受け付けていない場合とがあります。妊娠中は妊娠前よりもリスクが高い状態であると判断されますので、保険会社の判断は様々です。中には、妊娠中でも保険加入はできるけれど妊娠や出産に伴う入院や手術では保障されないという条件が付くケースもあります(特定部位不担保)。異常妊娠・異常分娩に備えるために女性保険に加入する場合は、妊娠前に加入しておくようにしましょう。

また、1人目の子どもの妊娠時には女性保険に加入しておらず、出産した後に2人目に備えて加入しようとしても、もし最初の出産が帝王切開だった場合は特別条件が付き、加入後一定期間は帝王切開を含め妊娠・出産に関係する事項では保障されないというケースが多いようです。想定していたケースで保障されないということのないよう、保障内容はよく確認するようにしましょう。

3. 保障の重複が起こりやすい

現在医療保険に既に入っていて、追加で女性保険に加入する場合、保障の重複が起こりやすい点にも注意が必要です。重複して保障を受けることは可能ですが、その分月々の保険料負担が大きくなりますので、現在入っている保険とこれから入る保険の保障内容がかぶっていないかはよく確認するようにしましょう。

女性保険のメリット・デメリットを理解しよう

女性保険について解説しました。健康なうちはなかなか意識しにくいですが、女性には特有のリスクがあります。そのリスクに備えるために、女性保険も選択肢の一つとして検討してみましょう。

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