2022/08/16

引受基準緩和型保険のメリット・デメリットとは

引受基準緩和型医療保険のメリット・デメリットについて解説します。持病がある人や健康に不安がある人にとって有力な選択肢の一つである引受基準緩和型医療保険について、そもそもどのような特徴があるのか、メリット・デメリット、加入の際の注意点までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

引受基準緩和型保険とは

引受基準緩和型保険とは、一般的な生命保険や医療保険と比べて保険会社が定める引受基準が緩和されている保険のことです。加入の際に必要となる告知項目が一般の保険と比べて少ないため、持病や健康に不安のある人でも加入しやすい保険となっています。(告知事項が限られているという点から、「引受基準緩和型」ではなく「限定告知型」という名前で販売されていることもあります。)

引受基準緩和型保険では、主に以下のような「はい」か「いいえ」で答えられる3~5項目の質問に対してすべて「いいえ」であれば加入することができます。

・現在入院中ですか。

・過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか。

・過去3年以内に病気やけがで入院したことや手術をしたことはありますか。

・過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか。

※告知項目の内容は保険会社によって異なります。

引受基準緩和型保険と無選択型保険の違い

引受基準緩和型保険と同じく、持病のある人や健康に不安のある人が入りやすい保険として「無選択型保険」というものもあります。無選択型保険は、加入の際告知や健康診断結果の提出などが一切必要ない保険で、引き受け基準緩和型保険よりも加入しやすいという特徴があります。

どんな人でも加入しやすい保険という点では魅力的ですが、引受基準緩和型保険よりもさらに保険料が高い、保障開始までに一定期間かかる場合が多いなど注意すべき点も多いです。

引受基準緩和型保険のメリット

1. 一般的な保険商品と比べて審査項目が少ない

通常、一般の生命保険や医療保険に加入する場合は保険会社ごとの審査が必要になります。商品によって必要な告知内容は異なりますが、持病・既往症・健康診断の結果などの複数項目の告知を行う必要があります。その項目数は平均して10項目ほどと言われています。

しかし引受基準緩和型保険の場合は告知項目は平均3~5項目ほどで、簡単な告知のみで加入することができます。直近での入院履歴などがない場合は加入できることが多いので、持病などの影響で通常の保険に加入できなかったという人にとっては、有力な選択肢となる保険です。

2. 持病の悪化・再発なども基本的に保障してくれる

一般的な保険の場合、持病や既往症がある場合は保険に加入できないか、加入できたとしても特定部位不担保といって持病がある部位に関しては保障の対象外となることが少なくありません。しかし、引受基準緩和型の保険の場合、加入する前からわかっている持病や既往症が再発したり悪化したという場合も保障の対象となります。持病に関する不安を抱えている人でも、引受基準緩和型保険に加入していれば治療費に関する不安は少なくすることができます。

引受基準緩和型保険のデメリット

1. 保険料が割高

引受基準緩和型保険は、通常の保険と比べて保険料が約1.5~2倍と割高な傾向があります。持病や既往症がある人が保険に加入した場合、保険金を受け取る可能性が健康な人よりも高くなるためです。引受基準緩和型保険は告知が少なく加入しやすいですが、支払う保険料が保障に見合うかどうかはよく検討する必要があります。

2. 保険金の支払削減期間がある

引受基準緩和型保険では、加入してから1年以内に保険金を支払う事由に該当した場合給付金額が50%に削減されます。これは持病や既往症に関する支払いだけでなく、関係ない病気や怪我であった場合にも保険金額は半額になるため注意が必要です。保険金の支払いが多くなることを保険会社側が防ぐための対策ですが、最近では加入当初から100%の保険金額を受け取れるといったタイプの引受基準緩和型保険も登場してきていますので、加入前に内容をしっかり確認するようにしましょう。

3. 特約に制限がある場合もある

引受基準緩和型保険は他の保険と同じく特約を付加することもできますが、その種類はかなり少なくなっています。また、特約を付加する場合、引受基準緩和型保険に加入するための告知とは別の告知を行う必要がある場合もあります。特約を付加して様々な保障を追加したいと考えている人は、希望する保障内容の特約を付加できるかどうか事前によく確認する必要があります。

引受基準緩和型保険の注意点

1. 保障内容が充分であるか注意する

デメリットのところでも記載したように、引受基準緩和型保険は特約の付加に制限がある場合があります。そのため、主契約となる基本保障が自身にとって充分な保障内容であるかという点が最も重要です。「持病があっても入れるから」という視点で検討するのではなく、自分に必要な保障が得られるかという点で保険商品を検討するようにしましょう。

2. まずは一般的な保険を検討する

引受基準緩和型保険を検討する前に、まずは一般的な保険を検討してみることをおすすめします。健康に不安のある人でも、症状の程度や完治からの経過年数などによって通常の保険に加入できるケースも多いからです。引受基準緩和型保険はやはり保険料の高さなどのデメリットがあるため、まずは一般的な保険に申し込んでみて、もし加入できなかった場合に初めて引受基準緩和型保険を検討するようにしましょう。

3. 保険は必ず加入しなければいけないわけではない

保険に加入することで、保障を受け不安を軽減することができますが、保険は必ず加入しなければいけないわけではありません。引受基準緩和型保険は保険料も高く他の保険にはない制限もあるため、引受基準緩和型保険しか保険の選択肢がないという人は貯蓄でカバーするというのも選択肢の一つです。また、公的な保障として高額療養費など国の制度も活用することができます。それらの上限金額などを確認し、保険という安心がなくても大丈夫そうかどうかという点を検討してみることは大切です。

参考記事:『高額療養費制度があれば、民間医療保険への加入は不要?

引受基準緩和型保険のメリット・デメリットを理解しよう

引受基準緩和型保険のメリット・デメリットについて解説しました。一般の保険に加入できなかった人にとっては有力な選択肢となる引受基準緩和型保険ですが、保険料が高額であるなどデメリットもあるため、保険料や保障内容などをよく理解した上で検討するようにしましょう。

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