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2022/08/22

地震保険とは。補償対象から注意点まで徹底解説

地震保険について解説します。地震保険は他の保険とは違って公共性が高いという特徴を持っており、加入を検討するにあたり知っておきたい割引制度や注意点などがあります。地震保険の特徴から地震保険の補償対象について、また地震保険は必要なのかという点までわかりやすく解説しますので参考にしてください。

地震保険とは

地震保険は、地震や噴火・津波によって建物や家財が火災・損壊・埋没・流失などの被害に遭った際の損害を補償するための保険です。地震はいつどこで発生するかの予測がつかない上に、被害は広範囲に渡り、被害額も甚大になります。そのため、大きな地震や津波などで広範囲に渡り損害が発生した場合、「地震保険に関する法律」に基づき保険会社だけでなく国が保険金の支払いの一部を負担するという契約を保険会社と政府が結んでいます。地震保険は他の種類の保険とは異なり巨額の保険金の支払いに備えて政府がバックアップしているという公共性の高い保険でもあるのです。

地震保険はこのように政府が介入している保険であるため、どの保険会社で地震保険に入っても補償内容や保険料は変わりません。また、地震保険単独での加入はできず、必ず火災保険とセットで加入する形になります。既に火災保険に加入している人でも、地震保険を後から付帯することも可能です。基本的に火災保険は地震による火災は補償してくれないため、火災保険加入時に同時に地震保険も検討しましょう。

地震保険の補償の対象となるもの

地震保険で補償の対象となるのは、「地震により家が倒壊した」「地震により火災が発生し、家が焼失した」「津波により家が流された」「噴火により家が損壊した」「地震により家が埋没した」といったケースです。基本的に地震に由来する被害には対応していますが、以下のように補償対象とならないものもありますので注意してください。

地震保険の補償の対象とならないもの

地震保険は主に地震による被害を補償しますが、工場や事務所など、住居として使用されない建物については補償対象外となります。また、有価証券(株券・小切手・商品券など)・1点の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨董品・印紙・切手なども地震で被害を受けたとしても地震保険の補償対象外となります。地震により起きた火災に対しては補償されますが、自家用車がその火災によって焼けてしまった場合には補償されません。

また、地震保険で補償されるのは被害を受けた金額全てではありません。地震保険で設定できる保険金額は火災保険で設定した金額の30~50%でしか設定することができません。そしてその金額にも上限があり、保険金額の上限は家財が1,000万円、建物が5,000万円と決まっています。

地震保険の割引制度

地震保険の保険料は地域や建物の構造によって違いますが、どの保険会社から加入しても変わりません。地震保険には独自の割引制度があり、建物の構造などによって割引率は異なりますので、以下を参考に自身の建物が対象となるか確認してみてください。

名称 適応条件 割引率
建築年割引 1981年6月1日以降に新築された建物であること 10%
耐震等級割引 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、耐震等級の基準に適合する建物

耐震等級1:10%

耐震等級2:30%

耐震等級3:50%

(2014年7月1日~契約の場合)

免震建築物割引
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、「免震建築物」の基準に適合する建物

50%
(2014年7月1日~契約の場合)

耐震診断割引
地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、1981年6月1日に施行された改正建築基準法における耐震基準を満たす建物
10%
※割引は重複して受けることはできませんので、複数に該当する場合は割引率が大きいものを1つ選ぶことになります。

※割引率に関しては、以下フローチャートなども参考にしてみてください。

参考:地震保険の割引判定フロー(東京海上日動)

地震保険は必要?

火災保険とともに加入することのできる地震保険ですが、基本的には加入するべき保険と言えます。特に預貯金が少ない人、住宅ローンの返済が多く残っている人、地震によって仕事の継続に影響がある人などは備えておくべき保険と言えるでしょう。日本政府が行っている調査によると、南海トラフで今後30年以内にマグニチュード8~9クラスの巨大地震が起こる可能性は70~80%にのぼると言われています。発生する確率が高い災害に備えるためにも、火災保険加入時には同時に地震保険も検討することをおすすめします。

地震保険の注意点

1. 生命保険料控除の対象になる

地震保険の保険料は、生命保険料控除の対象になります。生命保険料控除とは所得控除の一つで、支払った保険料に応じて税金が軽減される制度です。生命保険だけでなく地震保険も対象となり、企業に勤めている人は年末調整で必要な書類を提出することで控除されますので、地震保険に加入している場合は毎年申請を忘れないようにしましょう。具体的な控除の詳細については以下を参考にしてください。

参考:地震保険料控除(国税庁)

参考記事:『 生命保険料控除とは?対象となる保険から申請方法、注意点まで

2. 地震保険は建物を再建することが目的ではない

地震保険は、地震で被害を受けた建物を再建することが目的ではなく、災害後の人々の生活の安定に貢献することを目的に作られた保険制度です。そのため、被害額がすべて保険金で支払われるわけではなく、支払いに上限があります。そしてその上限金額は基本的に建物を再建するには充分ではありません。「地震保険に入っているから地震の被害を受けても大丈夫」と思うのではなく、地震保険はあくまで最低限の補償であるということを理解しておきましょう。

3. 保険料は住んでいる地域によって異なる

地震保険は住んでいる地域によって保険料に差があります。例えば南海トラフがある地域など、地震が発生する確率が高く、地震が起きた際に被害が大きいと予想される地域ほど保険料が高く設定されています。東海地方、四国南部、首都圏などが該当しますので、詳しくは以下を参考にしてください。

参考:都道府県別の地震保険料一覧(損保ジャパン日本興亜)

4. 長期契約にした方が保険料は安くなる

地震保険の保険期間は最長で5年(火災保険の保険期間は最長10年)で、1年から5年まで選ぶことができます。保険料を少しでも安くしたい場合は、保険期間を1年ではなく長期で結び一括で支払うことで総額が少し安くなります。1年契約にすることで見直しがしやすいというメリットもありますが、もし同じところに住み長く契約するつもりだという場合は、地震保険は長期契約にした方がメリットが大きいでしょう。

地震保険の概要を理解しよう

地震保険について解説しました。地震大国である日本では、地震保険は必ず検討すべき保険であると言えます。補償範囲や注意点を理解して、必要に応じて加入するようにしましょう。

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