2022/01/12

生命保険料控除とは?対象となる保険から申請方法、注意点まで

生命保険料控除について解説します。年末調整の時期に耳にする機会が多くなる「生命保険料控除」ですが、どのような保険が対象で、どのように計算されるのでしょうか。申請方法から改正された内容、生命保険料控除申請の際の注意点までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

生命保険料控除は所得控除のうちの一つ

生命保険料控除とは、所得控除の一つで支払った保険料に応じて税金が軽減されるという制度です。支払った保険料のうち一定の額がその年の所得から差し引かれます。所得から一定額を差し引いて税金が軽減される所得控除は扶養控除など全部で以下の15種類があり、そのうちの一つが「生命保険料控除」です。

所得控除の名目 種類
納税者の基本的な生活を尊重する所得控除 基礎控除、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、障害者控除、寡婦・寡夫控除、ひとり親控除、勤労学生控除
納税者の特別な出費に配慮する所得控除 雑損控除、医療費控除、寄附金控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除

生命保険料控除の種類

生命保険料控除の種類は、保険の加入時期によって2つのパターンに分けられます。

契約開始が平成23年12月31日以前の保険 契約開始が平成24年1月1日以降の保険

・一般生命保険料控除

・個人年金保険料控除

・一般生命保険料控除

・介護医療保険料控除

・個人年金保険料控除

参考:生命保険料控除(国税庁)


それぞれの控除が指す保険の内容は以下の通りです。

・一般生命保険料控除…定期保険、終身保険、収入保障保険 など一般的に死亡保険と呼ばれるもの

・介護医療保険料控除…医療保険、がん保険、介護保険 など

・個人年金保険料控除…個人年金保険

自分が入っている保険がどの保険料控除に該当するのかは、毎年保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」という紙で確認することができます。該当する区分に今年度支払った保険料の金額が記載してありますので、よく確認するようにしましょう。該当する保険がある場合、年末調整もしくは確定申告を行うことで当年の所得税が控除され、払い過ぎた分の税金の還付を受けることができます。

旧契約と新契約とは?

生命保険料控除は平成22年度の税制改正により、平成24年度の税金分から変更が加わりました。まず新たに介護医療保険料控除が新設され、より細かい区分での申告が必要となりました。(平成24年以前は介護医療保険料控除がなかったため、医療保険などに加入している人は一般生命保険料控除で申告する必要がありました。)また各保険料控除での適用限度額などが変更となるなど大幅に制度が変更になっています。

契約開始が平成23年12月31日以前の保険を旧契約、契約開始が平成24年1月1日以降の保険を新契約と呼び、それぞれ別の計算を行います(それぞれの控除額は以下図を参考にしてください)。もし旧契約と新契約両方の保険がある場合は、両方計算して大きい控除金額になる方を適用させることができます。


【旧契約の控除額】

年間の支払保険料等の合計額 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,001円から50,000円まで 支払保険料等×1/2+12,500円
50,001円から100,000円まで 支払保険料等×1/4+25,000円
100,001円以上 一律50,000円

【新契約の控除額】

年間の支払保険料等の合計額 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,001円から40,000円まで 支払保険料等×1/2+10,000円
40,001円から80,000円まで 支払保険料等×1/4+20,000円
80,001円以上

一律40,000円

参考:旧生命保険料と新生命保険料の支払がある場合の生命保険料控除額(国税庁)

生命保険料控除の申請方法

生命保険料控除は、対象となる保険に加入していても申告をしなければ控除を受けることはできません。会社員の場合は年に一度の年末調整時に申告をし、自営業者の場合は確定申告の際に申告を行います。年末調整の際は会社の担当者から連絡があると思いますが、実際に支払った保険料を証明する「保険料控除証明書」という書類が必要となります。これは毎年10~11月に保険会社から送られてくるもので、なくしてしまうと再発行などの手間がかかりますのでなくさずに保管しておきましょう。保険料控除申告書という書類に保険料などの内容を記載し、生命保険料控除証明書を添付して会社に提出することで保険料控除の申請は完了です。

※会社員の人でも、以下のような人の場合は年末調整ではなく確定申告を行う必要がありますので注意してください。

・給与所得が2,000万円以上の人

・副業などの所得が年間20万円を超える人

・医療費控除を適用する人

生命保険料控除の注意点

年末調整の対象となるのはその年に支払った保険料分のみ

年末調整で保険料控除の対象となるのは、その1年に支払った保険料の分のみになります。例えば昨年の年末調整で期限までに提出が間に合わなかった、などの事情があっても前年度分は年末調整できませんので注意してください。ただし、自身で確定申告(還付申告)の手続きをすれば過去5年までは遡って控除を適用することが可能です。もし年末調整での申告が間に合わなかった場合は自身で手続きを行いましょう。

旧契約の保険で契約の更新、転換、中途付加を行った場合は契約全体が新契約となる

最初に契約をしたのは旧契約期間(平成23年12月31日以前)だとしても、平成24年1月1日以降に契約の更新、転換、中途付加などなんらかの更新を行った場合は契約全体が新契約扱いとなります。ずっと同じ保険料を支払っていたとしても、なんらかの更新を行ったあとは控除額が変わるということもあり得ますので注意してください。

主契約と特約で対象が異なる場合もある

主契約と特約で保険料控除が適用される種類が異なることもあります。例えば、定期保険(死亡保険)に加入していて入院特約を付加していた場合、定期保険(主契約)の部分は「一般生命保険料控除」の対象となりますが、入院特約の部分は「介護医療保険料控除」の対象となります。その他の特約でも主契約と異なる保険料控除となる場合がありますので、よく確認し、わからない部分がある場合は契約している保険会社に問い合わせるようにしましょう。

生命保険料控除の対象とならない特約もある

特約部分の保険料についても基本的には生命保険料控除の対象となりますが、対象とならない特約もあります。例えば災害割増特約や傷害特約といった特約(災害によって死亡した際などに保障される特約)は生命保険料控除の対象外となります。生命保険料控除対象外となる特約がある場合は、実際に支払った保険料と保険料控除証明書に記載されている金額が異なることになりますので注意してください。

個人年金保険控除の対象に注意

個人年金保険料控除の対象となる個人年金は、以下のような条件があります。

・保険料払込期間が10年以上であること

・被保険者と年金受取人が同一人物であること、かつ、個人年金保険料税制適格特約が付加されていること

上記の条件を満たしていない場合、控除の対象とはなりません。また、変額個人年金保険については、個人年金保険料控除ではなく、一般生命保険料控除の対象となります。自身の加入している個人年金保険が該当するかどうかはよく確認しましょう。

生命保険料控除の仕組みを理解しよう

生命保険料控除について解説しました。一見複雑そうに見える制度ですが、税金が控除される非常に大切な仕組みです。保険料控除に該当する民間保険に加入している人は、注意点を理解した上で毎年の申告を忘れないように行いましょう。

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