2022/09/12

クレジットカードの主要国際ブランドそれぞれの特徴と違い

クレジットカードの主要国際ブランドそれぞれの特徴と違いについて解説します。ブランドごとに加盟店数や強みも異なり、クレジットカードを申し込む際にはどのブランドを選ぶかがとても大切なポイントとなります。それぞれのブランドの特徴を掴み、カード選びの参考にしてください。

クレジットカードの国際ブランドとは

クレジットカードにはVISAやMastercardなどの国際ブランドがあり、カードの右下には提携するブランドのロゴが入っています。国際ブランドはクレジットカードの発行会社と提携し、決済システムの提供や整備を行う会社で、基本的には発行会社とは別です。

VISAブランドのカードであればVISAが構築した決済システムやセキュリティ環境下で、日本国内だけでなく、世界各国のVISA加盟店で安全にクレジットカードを利用することができます。ブランドごとに加盟店数等も異なるので、クレジットカードを選ぶ際にどの国際ブランドを選択するかはとても重要なポイントになります。

今回は代表的な5大ブランドに加え、近年アジアを中心にシェアを伸ばしている銀聯、アメリカでの知名度が高いDiscover Cardの7つの主要国際ブランドについて解説していきます。

主要国際ブランドの種類とその特徴

1. VISA

シェア・知名度ともにNo.1を誇るブランドで、1958年にバンク オブ アメリカがBankAmericardを発行したのが始まりと言われています。世界での決済額のシェアは56%(出典:Purchase Transactions on Global Cards in 2015)と一社で約半数を占め、日本においても現在発行されているクレジットカードの内7割以上でVISAが選べるようになっています。

世界中に加盟店ネットワークがあるため、先進国のみならず多くの途上国でも利用に困ることはありません。

Apple Payでの利用ができないことがデメリットとして挙げられてきましたが、2021年より使用可能になり、さらに使いやすくなっています。

参考記事:『VISAの人気クレジットカードおすすめ10選

2. Mastercard

VISAに続き世界No.2のシェアを誇るMastercard。1966年のMastercardの前身であるInterbank Card Associationの設立が始まりです。

世界でのシェアは26%(出典:Purchase Transactions on Global Cards in 2015)と第1位のVISAとは少し差があるものの、加盟店数はともに世界各国で7000万店以上と並んでおり、VISAかMastercardのどちらかを持っていれば安心と言えるでしょう。日本ではそれほど差を感じませんが、Mastercardは欧州方面に強く、VISAはアメリカに強いという傾向があります。

日本国内の会員向けに提供されるブランド独自の優待サービス「Priceless Japan(プライスレス ジャパン)」や、日本のコストコで唯一使えるブランドであるという点も大きな特徴です。

3. JCB

主要ブランドのほとんどがアメリカの企業である中、JCBは日本発の唯一の国際ブランドです。1961年に三和銀行と日本信用販売が共同出資したカード会社「株式会社日本クレジットビューロー(JCB)」が始まりです。

他のブランドに比べ国際的な知名度はあまり高くありませんが、近年は他の国際ブランドとの提携によって海外での利便性も高くなりました。日本国内においてはVISAに続きNo.2のシェアを占めています。

海外でのサービスも手厚く、カード会員向けのラウンジ「JCBプラザ」を観光地で見かけたことがあるという方も多いでしょう。また、東京ディズニーランド®・東京ディズニーシー®のオフィシャルスポンサーでもあるので、ディズニーに特化した特典が多いのも魅力です。

4. American Express

ハイステータスカードの代名詞とも言えるAmerican Express。もともとはアメリカのウェルズ・ファーゴ創業者らが1950年に創業した運送業が始まりです。ちなみに、日本で1980年に初めて発行されたAmerican Expressのカードはスタンダードカードではなく、ゴールドカードでした。スタンダードカードも含め年会費は高めですが、それに見合う質の高いサービスや特典が受けられるのが特徴です。

自社発行のカードと、世界のホテルや航空会社と提携したライセンスカードのどちらも発行しています。提携先を見ても、旅行や出張、エンターテイメントに強みを持つブランドと言えます。

5. Diners Club

American Expressと並ぶハイステータスカードでも知られるDiners Club。1950年に設立されたDiners Clubは世界で初めて登場したクレジットカードブランドとしても知られ、現在はアメリカのDiscover傘下に入っています。

年会費は高額ですが、利用可能額に上限がないことや、最高一億円の付帯保険等プレミアムなサービスが受けられます。旅行関連やゴルフなどでの優待をはじめ、「食事をする人」を意味するDinersがブランド名に入っている通り、レストランでの特典は特に充実しています。

6. 銀聯(ぎんれん)/Union Pay

2002年に中国政府の主導のもと中国人民銀行が中心となって設立した銀聯。中国では銀行口座を作ると同時にデビットカード機能の付いた銀聯カードが発行されることもあり、近年急速にシェアを伸ばしています。中国人旅行者の多い香港やシンガポールをはじめ、台湾や韓国、東南アジアを中心に海外での加盟店も増えていて、日本においても2021年現在、加盟店数は130万店を超えています。

中国では、ビジネスシーンにおいて銀聯カードを持っていることで相手に信用される効果もあるようです。クレジットカードの普及率が日本と比べそれほど高くない中国においてVISAやMastercard以上に利用できる場所が多いので、長期の出張や留学の際には必須のカードと言えるかもしれません。日本では三井住友カード、三菱UFJニコスの2社でカードの申し込みが可能です。

7. Discover

アメリカのディスカバー・フィナンシャル・サービシズが展開するブランドDiscover。ブランドとしての歴史はまだ浅く、1985年に百貨店のシアーズが開業したのが始まりです。

北米では5000万人を超える会員を持ちますが、日本ではカードの発行ができず、知名度もあまり高くありません。ですが、近年JCBや銀聯と提携したことにより日本でも多くの加盟店で利用が可能になりました。

「決済カードブランド」と「T&Eカードブランド」について

国際ブランドは大きく「決済カード(ペイメントカード)ブランド」と「T&Eカードブランド」に分けられます。「決済カード(ペイメントカード)ブランド」とは、決済機能に重きを置き、加盟店数も多い利便性の高いブランドで、VISAやMastercardがこれに該当します。

「T&Eカード」のT&EはTravel&Entertainment(トラベル&エンターテインメント)の略で、旅行やエンターテイメントのサポート等に重きを置いたカードを指します。American ExpressやDiners Club等がこのタイプに分類されます。

それぞれの特徴を掴み最適なブランドを選ぼう

国際ブランドはそれぞれ特徴が異なります。1枚目のカードとして持つのであれば、利用できる店舗も多く、利便性の高いVISAやMastercardがおすすめです。2枚目以降であれば、1枚目のカードが使えない場合に備えるためにも、1枚目とは違うブランドのカードを選ぶのがおすすめです。

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