2022/08/26
健康増進型保険のメリット・デメリットとは
健康増進型保険のメリット・デメリットについて解説します。保険加入後の健康診断などで健康状態をチェックし、結果に応じて割引や還付金などが受けられる健康増進型保険は各保険会社から発売されており、その種類は増え続けています。健康増進型保険の特徴・種類からメリット・デメリットまでわかりやすく解説しますので、参考にしてください。
健康増進型保険とは
健康増進型保険とは、保険加入後に定期的に健康状態をチェックし、その結果に応じて保険料の割引や還付金などの特典が受けられるという保険です。「健康増進型保険」という種類の保険があるわけではなく、主に医療保険や収入保障保険、一部の死亡保険などに特約として付加されています。特約は保険料が無料のタイプもあれば、月数百円程度の保険料が発生するタイプもあります。
健康増進型保険が増えている背景
近年、各保険会社から健康増進型保険が販売されており、その種類は年々増えてきています。その背景として挙げられるのが「平均寿命と健康寿命の差」です。健康寿命とは簡単に言えば健康でいられる期間のことで、平均寿命と健康寿命の差はだいたい9~12年ほどあると言われています。超高齢化社会を迎えている日本においてはこの健康寿命をどれだけ延ばすことができるかが国を挙げての課題となっており、健康寿命を延ばすための取り組みが様々なところで行われています。その流れを受けて、各生命保険会社でも健康寿命を意識した「健康増進型保険」が増えてきているということです。
以前から、一部の生命保険会社では喫煙の有無に応じた割引を適用するなど加入後の健康を意識した商品は存在していましたが、健康増進型保険と呼ばれるものはそこからさらに踏み込んだ内容になっています。健康増進型保険の加入者は保険を通じて健康を意識することができ、保険会社は加入者が健康を維持してくれれば保険金の支払いが少なくて済み、さらに加入者の継続的なデータを得ることもできるためお互いにメリットがある保険商品と言えます。
健康増進型保険の特徴・種類
健康増進型保険には、加入後毎年の健康診断結果によって割引があるタイプの商品と、健康診断は関係なく日頃のウォーキングなどの運動習慣を見て割引があるタイプの商品があります。後者のタイプの商品だと保険会社からウェアラブル機器の貸し出しがあり、1日の平均歩数が〇歩以上の場合に還付金が受け取れるなどといった形で運動習慣を確認するようになっています。
健康増進型保険の種類によってチェックされる項目は異なりますが、例えばある保険会社の健康増進型保険では以下のような項目を毎年チェックします。
・BMI
・血液検査・血圧
・尿蛋白
・喫煙歴
通常他の保険の場合は加入時に保険料が確定しますが、健康増進型保険の場合は毎年のチェック項目の結果によって保険料が割引になる可能性があります。また保険料の割引だけでなく、健康増進を目的としたフィットネスジムの利用料金割引などの特典がつく商品もあります。
各保険会社から販売している主な健康増進型保険
保険会社 | 商品名 |
明治安田生命 |
ベストスタイル健康キャッシュバック |
東京海上日動あんしん生命 |
あるく保険 |
大同生命 |
会社みんなでKENKO + |
住友生命 |
Vitality |
※上記以外にも様々な保険会社から健康増進型の保険商品が販売されています。
健康増進型保険のメリット
1. 健康に対する意識が高まる
健康増進型保険は、加入者が健康を維持できていれば保険料の割引など加入者にとってお得になるため健康に対する意識が高まるという点が大きなメリットです。毎年の健康診断や貸与されるウェアラブル機器による歩数計測、「健康年齢」の診断、睡眠時間の計測など、保険会社によって様々な方法で加入者の「健康」をチェックします。自分がより前向きに取り組めそうな特典を選択することで健康でいる期間を延ばせる可能性があるというのは、今までの保険になかった特徴であると言えるでしょう。
2. 基準を満たせば保険料が割安になる場合もある
健康増進型保険では、保険会社ごとの基準を満たすことで翌年からの保険料が割引となる場合があります(割引ではなくキャッシュバックという形で支払われる商品もあります)。年齢や病歴などによって保険料が決められてしまう他の保険とは違い、自分の努力によって保険料が安くなるかもしれないというのは健康増進型保険ならではのメリットです。
健康増進型保険のデメリット
1. 他社との比較検討がしづらい
健康増進型保険のデメリットとして、商品の比較検討がしづらいという点が挙げられます。保険会社によって単純に保険料の割引だけでなく特典の内容が多岐に渡るため、どの商品が自分に合っているのか・どの商品が一番お得かが判断しにくいのです。様々な特典は魅力的ではありますが、基本的に特典の内容で商品を決めるのではなく保障内容が自分に合っているかを見て加入する保険を決めるようにしましょう。
2. 健康状態が悪化した場合、保険料が値上がりになることもある
健康増進型保険は健康状態によって保険料が割引になる可能性がありますが、逆に言うと健康状態が悪化していた場合は割引が適用されず、保険料が上がり割高になってしまうという可能性もあります。現時点では健康に自信があっても、今後どうなるかは誰にもわかりません。健康増進型保険を検討する場合は、そのような可能性があることも考慮しなくてはいけません。また、元々健康に不安があるという人にとっては恩恵を受けづらい保険とも言えます。健康状態に応じた割引が受けられない場合は、他の保険と比べて割高になってしまうケースもありますので注意しましょう。
健康増進型保険のメリット・デメリットを理解しよう
健康増進型保険のメリット・デメリットを解説しました。日々頑張った結果が保険料の割引などわかりやすい成果として出てくる健康増進型保険は、現代注目されている保険の一つです。様々な特典内容は魅力的ですが、特典のみで保険商品を判断するのではなく、あくまで主契約の保障内容が過不足なく自分に合っているかという点をメインに検討することが大切です。