クレジットカードの不正利用を防ぐには？原因や対処法を解説

一般社団法人日本クレジット協会が四半期ごとに発表している「クレジットカード不正利用被害の発生状況」（2021年12月発表）によると、2021年（1月〜9月）の不正利用被害額は236億円でした。

そのうちの90%以上がフィッシングやスキミングによる番号盗用被害で、2021年の被害額は1月〜9月までの9ヶ月間で既に前年1年間の被害合計額を上回っています。

各企業セキュリティ対策に力を入れていますが、それを掻い潜るように新たな手口も増え、いたちごっこが続いているのが現状です。

金融機関や有名企業を装ってEメールやSMSでメールを送り、メール内のURLにアクセスすることで表示される偽WEBサイトにパスワードや口座番号情報を入力させ個人情報を抜き取る手口です。

フィッシング対策協議会の報告によると、2021年だけでも毎月3万件〜6万件のフィッシングが報告されています。現在最もポピュラーな不正利用の手口です。

「スキマー」という装置を使ってカードの磁器ストライプに書き込まれた情報を読み取る手口です。クレジットカードの決済端末に細工がされているというような場合もあるため、被害に遭ったことに気づきにくいという特徴があります。

有名企業のWEBサイトに似せた偽サイトにて人気商品を割引価格で販売するとし、そのサイトで商品を購入した利用客が代金を振り込んでも商品を届けない、または違う商品を届けるとなどという手口。支払い方法が前払いの銀行振込のみの場合や、販売者の連絡先が記載されていない、サイトの日本語がおかしいなどの場合は特に注意が必要です。

SMS等でメールを送りつけ、出会い系サイトやマッチングアプリへの登録を誘導し、登録料や利用料を支払わせる手口。最近では芸能人本人、または芸能人のマネージャーを騙り芸能人とメールをするためと言って有料出会い系サイトに登録させ、登録料やポイント購入などで課金させる手口も増えています。無料を謳っていてもいつのまにか課金されているというパターンもあるため注意が必要です。

ネットショッピングをした際にECサイト側に記録された顧客情報に不正アクセスをし情報を盗み取る手口。2018年6月に施行された改正割賦販売法により、クレジットカードを取り扱う加盟店は各社セキュリティ対策を強化していますが、同時に不正アクセスの手口も巧妙化しているためなかなかなくならない不正利用の手口の一つです。

心当たりのない請求があった場合には、家族が利用したものではないか、購入した店舗名と請求時の表記名が異なっているだけではないかを確認した上でカードの発行会社に連絡をしてください。

連絡を受けたカード会社は、カードを利用停止にした上で調査をします。調査の結果不正利用が認められた場合は、その後不正利用補償の手続き等が始まります。

最近増えているデジタルカードなどでは、アプリでカード利用を管理できるものも多くなってきています。その場合、アプリからカードの無効化や一時的な利用停止を自分ですぐに行うことができます。手順については日頃から確認しておくようにしましょう。

不正利用補償サービス

基本的にどのカードでも付帯している保険です。クレジットカードの紛失や盗難、またオンライン上での利用が原因で不正利用をされた場合にも、届出をした日から一定期間さかのぼって補償が受けられます。

カード発行会社、またカードごとでも条件は異なりますが、カード裏面にサインをしていなかったり、不正利用の届出が発生日から一定期間経過している場合など補償の対象外になるケースもありますので気をつけましょう。

ナンバーレスカード…券面にカード番号やセキュリティコードが印字されておらず、盗み見などをされることを避けられる。

専用アプリ「Vpass」…利用明細がいつでも確認できたり、緊急時にはアプリ上よりカードの一時利用停止などがいつでも自分でできる。

3Dセキュア…非対面での決済時、事前に登録した決済用パスワードを決済時に入力することで本人認証をするサービス。「Vpass」への登録で利用可能。

タッチ決済…暗証番号の入力が必要ない。また、端末にカードを差し込む必要がないため、スキミングの被害を避けられる。

不正利用検知システム…24時間365日、業界最高水準の不正利用検知システムでのモニタリングが行われている。

ナンバーレスデジタルカード…スマホ上で発行されるカード。同時にカード番号やセキュリティコードの記載のないプラスチックカードも届く。カード番号やセキュリティコードの確認は専用アプリ「セゾンPortal」で行う。

3Dセキュア…非対面での決済時、事前に登録した決済用パスワードを決済時に入力することで本人認証をするサービス。

タッチ決済…暗証番号の入力が必要ない。また、端末にカードを差し込む必要がないため、スキミングの被害を避けられる。

不正利用検知システム…AIを活用した不正利用検知システムで24時間365日モニタリングが行われている。

カード情報を裏面に集約…券面にカード番号やセキュリティコードが印字されておらず、盗み見などをされることを避けられる。

本人認証サービス「J/Secure（TM）」…非対面での決済時、事前に設定したパスワードやワンタイムパスワードの入力や、会員のデバイス情報などの追加情報を利用して本人認証をするサービス。

タッチ決済…暗証番号の入力が必要ない。また、端末にカードを差し込む必要がないため、スキミングの被害を避けられる。

不正検知システム…24時間365日、不正利用検知システムによるモニタリングを実施。不正利用を検知した場合にはメールで通知がされる。

クレジットカードの不正利用について、またその対策となるセキュリティの充実したクレジットカードについて解説をしました。誰にでも遭う可能性のある不正利用は、もしもの場合に備え手口や対処の仕方について知っておくことが大切です。

個人でできる対策には限りがありますが、利用明細を定期的に確認することや不審なサイトにアクセスをしないことなど基本的なことを徹底しましょう。