2022/03/07

がん保険の種類徹底解説

がん保険の種類について解説します。主にがんの治療費を保障するがん保険には保険期間や保障内容に応じていくつかの種類があります。がん保険の種類からがん保険の歴史、現在の加入率、がん診断一時金について、上皮内新生物についてなどわかりやすく解説しますので、がん保険を検討する際には参考にしてください。

がん保険とは

がん保険の歴史

日本にがん保険が登場したのは1974年11月、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)が発売したのが初めてとされています。当時はがん保険など第三分野の保険商品を日本国内の生命保険会社や損害保険会社が取り扱うことが米国との合意に基づいて事実上禁止されており、がん保険はその後長い間外資系保険会社のみが独占してきました。2001年に独占政策が終了し、その後は日本国内の生命保険会社や損害保険会社など多くの企業ががん保険を販売しています。がんは治療方法が年々進化し常に変化しているので、がん保険の種類も年々増えてきおり、様々なニーズに応えられる保険が増えてきています。

どうしてがんだけ単独の保険があるのか

世の中には様々な病気があるのに、がんだけ単独で保険があるのはなぜでしょうか。それは他の病気に比べて、がんは各段に経済的リスクが大きいと言われているからです。がんは先進医療などの保険の効かない治療が必要になったり、再発を繰り返したりすることで高額な治療費がかかる可能性が高い疾患です。また、治療の副作用で長期間仕事をすることができなくなるケースも多くあります。がんは常に死因ランキングで1位を占めるポピュラーな病気でありながら、経済的負担が非常に大きいというのが単独での保険が進化している理由です。

がんにかかる人の割合

がん情報サービスの統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性65.0%、女性50.2%と男女ともに半数を超えています。また、日本人ががんで死亡する確率は男性26.7%でおよそ4人に1人、女性17.8%でおよそ6人に1人となっています。(2018年、2019年のデータ)

がんは、2人に1人が一生のうちに診断される可能性があるという非常に身近な病気であることがわかります。

参考:がん情報サービス

がん保険の加入率

実際にがん保険に加入している人の割合は、以下のようになっています。年々加入者の割合は増えてきており、最新の令和元年の数字で見ると42.6%と半数近い人が加入していることがわかります。

年度 がん保険加入率
平成13年 21.2%
平成16年 25.3%
平成19年 31.2%
平成22年 33.1%
平成25年 37.3%
平成28年 37.8%
令和元年 42.6%

参考:生活保障に関する調査(生命保険文化センター)

がん保険の種類

がん保険は大きく分けると、保険期間で分けた2種類と保障内容で分けた4種類の分類があります。

保険期間で分ける

定期型

定期型のがん保険とは、ある一定期間の保険期間のみ保障されるタイプのがん保険です。保険期間は5年間、10年間など年数で保障期間を決めるものや、60歳や70歳までなど年齢で期間を決めるものがあります。設定した保障期間が満了すると自動的に更新される商品が多く、更新時の年齢によって保険料が再計算されるため更新のたびに保険料が上がるという特徴があります。

終身型

終身型のがん保険とは、一度加入すると解約しない限り一生涯保障が続くタイプのがん保険です。保険料は定期型と比べると割高なことが多いですが、保険料はずっと変わらないので定期型で更新を繰り返すよりもお得になることもあります。

保障内容で分ける

入院給付金型

一般的ながん保険のタイプが「入院給付金型」です。入院した際にもらえる入院給付金をベースに、がん診断一時金、手術給付金などもついています(入院給付金のみで、特約で他の給付金を付加する商品もあります)。がんは長期入院になることも多いので、入院給付金が手厚いことは重要なポイントです。このタイプのがん保険であれば商品も各保険会社から豊富に出ているので、比較検討して自分に合った商品を見つけることも難しくないでしょう。

診断給付金型

診断給付金型のがん保険は、入院給付金や手術給付金などがなく、がんと診断されたときに支給されるがん診断一時金のみを保障する保険です。保障が少ないため他のタイプのがん保険よりも保険料が割安になっています。商品によって異なりますが、がん診断一時金は100万円や200万円といった金額をまとめて受け取ることができるため、今後の治療費はもちろん家族の生活費など様々な用途に使うことができます。貯蓄が少なく、がんと診断された時点である程度まとまったお金が必要と思われる人や、がんを治療する上でなるべく入院をせずに治療を進めたいという考えの人などに向いているタイプのがん保険です。

実損補填型

実損補填型のがん保険は損保系の保険会社に多い比較的新しいタイプのがん保険で、手術や入院など手段に関わらず、がんの治療として実際にかかったお金を保障するというタイプの保険です。契約時に1,000万円、2,000万円など保険金額の上限を設定し、その上限以内であれば実際に支払った費用をそのまま保障してくれます。がんの治療では治療費が非常に高額になることもありますので、かかった費用をそのまま保障してくれるということで近年注目されているタイプのがん保険です。

参考:SBI損保のがん保険

収入保障型

収入保障型のがん保険とは、がんになってしまい就労できずに収入が減ってしまうというリスクを保障するタイプのがん保険です。がんと診断された場合に、その後毎月給与のような形で保険金を受け取ることができます。入院給付金型のがん保険に特約として収入保障部分をつけることができる商品もあります。

参考:がん保険「ダブルエール」の特長(ライフネット生命)

※上皮内新生物をカバーするかどうかも要確認

がん保険には上記のようにいくつかの種類がありますが、その分類とは別に「上皮内新生物」をカバーしているかどうかも確認する必要があります。上皮内新生物とは、がんが上皮内にとどまり深いところまで広がっていない状態のことを言い、転移の可能性は低く、治療費が比較的少なく済むと言われています。がんの初期状態であることは間違いないのですが、がん保険の商品によっては上皮内新生物と診断された場合にはがん診断一時金の対象外となったり、保険金額が変わったりする商品もあります。現在がんと診断される人の10人に1人は「上皮内新生物」として診断されており、特に子宮頸がんの場合は半数以上の人が上皮内新生物と診断されています。上皮内新生物と診断された場合にも保障があるかどうかはよく確認するようにしましょう。

がん保険の種類を理解しよう

がん保険の種類について解説しました。がんは生涯のうちに診断される可能性の高い病気の一つです。がん保険を検討する場合は自分に合った保障を受けられるよう、特徴や種類を理解して比較検討するようにしましょう。

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