ワークライフバランスを求めた転職は、年収ダウンを伴うのか?(vol.6)

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ワークライフバランスを求めた転職は、年収ダウンを伴うのか?(vol.6)

2026/07/23(最終更新:2026/08/21)

転職で年収と働き方のどちらを取るかは、多くの人が悩むテーマです。残業やリモート・フレックス、家庭との両立などワークライフバランス(WLB)を理由に転職を考えるとき、気になるのは「年収は下がるのか」「働き方と年収は両立できるのか」ではないでしょうか。

本記事では、OpenMoneyに寄せられた転職レポートのうち、働き方への言及があるものを集計し、WLBを求めた転職の年収変化と、実際の転職パターンを見ていきます。

WLB関連の転職は48%

今回集計対象となる転職レポート5,115件のうち、WLB関連の言及があったのは2,455件(48.0%)。転職理由の中でWLBが大きなテーマであることがうかがえます。

特に多かったのは「残業」「業務量」など労働時間に関するキーワードと、勤務場所・時間の柔軟性に関するキーワードでした。

分類

言及の多いワード上位3個

労働時間・休日休暇

残業:663件
業務量:150件
休日:109件

勤務場所・時間の柔軟性

リモート:281件
出社:197件
転勤:140件

WLB総称

働き方:408件
ワークライフ:286件
ホワイト:134件

心身の持続可能性

ストレス:130件
疲弊:73件
体力:71件

家庭・プライベートとの両立

家庭:103件
家族:95件
両立:49件

WLBを理由に転職した人の年収変化

WLBを求めた転職で、年収は下がるのか?
OpenMoneyに寄せられた転職レポートから、WLB言及のある転職/ない転職の年収変化を比較したところ、WLB言及ありは平均+27万円、なしは+74万円。WLBをめぐる転職では、年収の上昇幅がやや抑えられる傾向が見られました。

転職前
(平均)

転職後
(平均)

増減

WLB言及あり

686万円

713万円

+27万円

〃 言及なし

661万円

735万円

+74万円

また、WLB言及ありの転職レポートを、クライアントワーク中心の業界(コンサル、SIer、広告・PR)について見たものが以下です。
今回の集計の範囲では、いずれも年収微増〜微減となりました。

転職前の業界

転職前
(平均)

転職後
(平均)

増減

コンサル

965万円

967万円

+2万円

SIer

691万円

714万円

+23万円

広告・PR

626万円

616万円

▲10万円

年収ダウンを受け入れた人の特徴

WLB言及のある転職において、年収が下がったケースを紹介します。

長時間労働や休日勤務、出社頻度、心身への負荷などから、働き方の持続可能性を優先した転職がうかがえます。

コンサル|高年収の一方、ライフイベントを機に働き方を見直し

「深夜タクシー帰りや土日出社が常態化していた。結婚を機に、サステナブルな働き方をしたいと思うようになり、転職を決めた。」

戦略コンサル → オリックス(900万円 → 800万円)

広告・PR|長時間労働や休みの取りづらさから、年収を下げてでも転職

「残業の多さと休みの取れなさが大きかった。始発で行って、終電で帰ることも多く、お金はいらないから休みがほしいと思い退職を決意した。」

クリエイティブ企業 → JERA(550万円 → 360万円)

インターネット|出社頻度やリモートの有無が転職理由

「週4〜5日出社の環境から、フルリモートで働ける環境に移りたかった。」

メガベンチャー → PayPayカード(700万円 → 650万円)

営業職|業務負荷や心身の負担から、働き続けられる環境を求めて転職。

「飛び込み営業や歩合制の環境の中で、長く続けることはできないと感じた。心身への負荷も大きく、働き方を変える必要があった。」

光通信 → 人材サービス企業(350万円 → 325万円)

これらの事例では、「いくら稼げるか」だけでなく「その働き方を続けられるか」が判断軸になっています。長時間労働・出社頻度・ライフイベントが重なると、一定の年収ダウンを受け入れてでも働き方を変える選択がなされていました。

年収を落とさずWLBを改善した転職ケース

一方で、WLBを重視しつつ年収を維持・向上させた転職もあります。

コンサル → 事業会社|高稼働を離れ、プロジェクト推進や業務改善の経験を事業会社で活かす

「月120時間を超える残業が数ヶ月続き、心身ともにダメージを受けた。子どもが小さい中で出社を強制されることも、大きなストレスだった。」

総合コンサル → 損害保険大手(1,100万円 → 1,100万円)

コンサル → 外資IT|案件やクライアントに左右される働き方から、専門性を活かしやすい環境へ

「働き方がプロジェクトやクライアントに依存しており、ワークライフバランスも悪かった。」

総合コンサル → 日本マイクロソフト(1,000万円 → 1,300万円)

金融 → 事業会社|事業開発やM&Aの経験を活かしつつ、働き方を見直す

「新事業立ち上げに伴う業務負荷が高まり、子どもと向き合う時間がとれない状況が続いたため、WLBを見直すことにした。海外事業開発やM&Aなど、これまでの経験を活かせる点にも魅力を感じた。」

銀行大手 → エネルギー業界大手(1,200万円 → 1,400万円)

広告・PR → 事業会社|代理店での経験を、自社サービス・製品を持つ企業で活かす

「業務量が多く、残業時間も多かった。休職してしまう人もいる状況で、業務量を改善しながら年収も上げたいと考えた。代理店業ではなく、自分のサービス・製品を持って仕事をしたいという思いもあった。」

PR業界大手 → 外資ハードウェア(570万円 → 600万円)

共通するのは、前職の経験を捨てず、別の業界・職種で評価されやすい形に「転用」している点です。コンサル経験を事業会社やIT企業へ、金融の事業開発経験をエネルギー業界へ、広告・PRの経験を事業会社へーーこうした転用で、働き方を見直しながら年収を維持・向上させています。

まとめ

WLB転職は、必ずしも年収ダウンではない

WLBを理由にした転職でも、必ずしも年収は下がりません。年収を維持・向上させたケースも多く見られました。

ただし、年収の上昇幅はやや抑えめになりやすい

WLB言及のない転職に比べると、上昇幅はやや抑えめの傾向となりました。年収の最大化だけでなく、長時間労働の回避やリモート、家庭との両立を含め、働き方と報酬のバランスを取りにいく傾向があると考えられます。

両立の鍵は「経験の転用」

年収を落とさずWLBを見直せたケースの鍵は、経験の転用です。コンサル・金融・広告・PR・メーカーなどで得た経験を、事業会社やIT企業、同業他社で活かすことで、働き方を変えながら年収を保つ/伸ばす選択肢も見えてきます。


※本調査結果は、出典を明記のうえご利用いただけます。
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引用時の出典表記:給与情報データベース「OpenMoney(オープンマネー)」調べ( https://openmoney.jp/insights/wlb-job-change-salary )