年収1,000万円超でも満足度が低い企業、700万円以下でも高い企業(vol.8)
2026/09/24(最終更新:2026/10/02)
「給与が高い会社ほど、働く人の満足度も高い」
OpenMoneyに投稿されたデータからも、この傾向が読み取れます。
給与データが20件以上ある995社を集計したところ、平均年収と企業満足度の相関係数は0.59でした。
今回は、2024年1月以降にOpenMoneyへ投稿された給与データ128,364件をもとに、
平均年収1,000万円超でも満足度(1〜5)が中央値を下回る企業
平均年収700万円以下でも満足度が3.5以上(上位25%)の企業
をそれぞれ見ていきます。
年収1,000万円超でも、満足度が低い企業
平均年収1,000万円超の企業のうち、満足度が集計対象企業全体の中央値3.24を下回るのは18社です。
18社の残業は月平均40.9時間で、今回の集計対象995社の平均26.6時間を上回りました。なかでも証券やコンサルティング企業の残業時間は長い傾向にあり、みずほ証券は48.8時間、SMBC日興証券は59.5時間、アーサー・ディ・リトル・ジャパンは101時間でした。
一方、18社にはファイザー、バイエル薬品、グラクソ・スミスクラインなどの外資製薬企業も並びます。これらの企業は平均残業が20時間前後と短いにもかかわらず、満足度は中央値を下回りました。
長時間労働と満足度の低さが重なる企業がある一方、残業時間が短くても満足度が低い企業もあります。少なくとも、給与や残業時間だけでは企業満足度を説明することはできません。
高給でも残る、働き方と評価への不満
不満があっても高い給与が惜しくて離れられない状態は「黄金の手錠」と呼ばれます。給与データから具体的な不満の中身までは分かりませんが、各社のクチコミにその一端が表れています。一部を抜粋します。
SMBC日興証券
長時間労働がマストなのでワークライフバランスは無しに等しい。平日でも繁忙期は深夜まで働き、土日も対応する。佳境の時は連日の深夜対応を強いられる
グラクソ・スミスクライン
個人のレーティングを廃止したため、自身が個人としてどう評価されているのかを直接的にフィードバックされる機会がない。前職では年次評価が厳格に伝えられていたこともあり、やや不透明感は拭えない。
年収700万円以下でも、満足度が高い企業
平均年収700万円以下の企業のうち、満足度3.5以上(上位25%)は21社です。
こちらでは、SIer、人材、インターネット企業が目立ちます。三菱UFJトラストシステム、NTTデータ・フィナンシャルテクノロジー、関西電力送配電など、大手金融やインフラのグループ企業も並びました。
21社の残業は月平均22.3時間で、平均年収1,000万円超かつ満足度が中央値を下回る18社の40.9時間と比べると、ほぼ半分でした。
ただし、21社すべての残業時間が短いわけではありません。リンクアンドモチベーション、レバレジーズ、クイックのように、月35時間を超える企業も含まれています。
残業時間だけで満足度の差を説明することはできませんが、給与とは別に、働き方も企業への評価と関係している可能性があります。
働きやすさや評価の納得感で企業を評価
21社のクチコミを見ると、満足度の背景は一様ではありません。柔軟な働き方や評価制度への納得感に加え、仕事の負荷を抑えられる環境を評価する声も見られます。
サイボウズ
コアタイム無しのフルフレックス、オフィスに出社しない完全なフルリモートでの勤務が許されており、自身のライフスタイルに合わせた柔軟な労働環境を実現できる。
ワンキャリア
評価自体はかなりフェア。早い時期から、かっちりとした評価制度を構築しており、不満が出づらい形になっていると感じる。社員増加に伴って、制度の見直しも適宜行われている。
三菱UFJトラストシステム
仕事はユーザ企業から降りてくるし、ユーザがとても協力的なので、まあゆるい。仕事をしないできない人にも割とおおらか。成長よりも安定を求めている人が大多数。血気盛んな人には絶対にお勧めしない。
企業を選ぶとき、給与と一緒に見たいもの
今回の集計では、まず前提として平均年収と企業満足度の間に一定の正の相関が見られました。そのなかで、平均年収が1,000万円超でも満足度が低い企業と、平均年収が700万円以下でも満足度が高い企業に注目しました。
給与が高いこと自体は間違いなくプラスな一方で、高給であれば必ず満足できるとは限らず、給与水準が高くなくとも満足度の高い企業は存在します。また、誰かにとっての満足・不満要素が自分にとっての不満・満足要素となることもあるかもしれません。
企業を比べる際には、給与水準だけでなく、働き方や評価制度もあわせて確認すると、それぞれの特徴が見えやすくなります。