2021/07/30

ベンチャー企業への転職を成功させるために知っておくべきこと

ベンチャー企業への転職には通常の転職とは異なり、より綿密な情報収集が成功の鍵です。それを怠ると、転職後に社風とマッチしない、求めていたスキルが得られないなどといった失敗に繫がってしまいます。自分に合ったベンチャー企業でスキルアップ、年収アップなどを実現するために知っておくべきことを頭に入れておきましょう。

ベンチャー企業への転職で失敗しないために

大企業に勤めていると、大企業にありがちなルーチンワークの仕事に嫌気がさし、別の企業への転職を検討することもあるでしょう。特に「自由に裁量権のある仕事をしたい!」という方や「新しいビジネスの創出に関わりたい!」という方であれば、ベンチャー企業への転職も選択肢の一つであると思うケースがあると思います。

ただし、一口で「ベンチャー企業」と言っても、ベンチャーは規模等によって大きく様相が変わりますし、それに応じて得られる給与や、求められるスキルも変わってきます。それを知らずにベンチャー企業に転職してしまい、思っていたのと違う・失敗した、と後悔する人も多いのが実態です(ベンチャー企業が、外面と実情が違うケースが多々あるというのも一因としてありますが)。

ベンチャー企業への転職に失敗しないために、また、年収アップやスキルアップなどの目的を叶えられるような転職を実現するために、ベンチャー企業への転職にあたり留意すべきこと・知っておくべきことをまとめました。

ベンチャー企業とは?

「ベンチャー企業」という言葉は広く使われていますが、明確な定義は非常にあいまいです。Wikipediaでは、「ベンチャーとは、企業として新規の事業へ取り組むことをいう。このような事業をベンチャービジネスという。事業は新規に起業したベンチャー企業によって行われるものを指すことが多いが、既存の企業が新たに事業に取り組む場合も含む。」とされています。

また、設立してから5年以内程度と歴史が浅く、インターネットやバイオテクノロジーなど、新しい技術を源泉に成長を志向する企業と定義するケースもあったりと、定義の仕方によって幅広い解釈が生まれてきます。

一般的な中小企業とベンチャー企業を分ける点としては、前者が特段成長への志向や新しい技術の活用を行っていないのに対し、ベンチャー企業は上述の通り成長意欲のある若い会社であるという比較もできるでしょう。合わせて、社員の年代も比較的若いことが多いのも特徴と言えます。

ベンチャー企業とスタートアップの違い

ベンチャー企業に近しい概念として、「スタートアップ企業」という言葉があります。ベンチャー企業という言葉が日本発祥の和製英語であるのに対し、スタートアップ(startup)企業という言葉はアメリカ発です。ベンチャー企業とスタートアップ企業とは全く別物なわけではなく、ベンチャー企業の中にスタートアップ企業が含まれる形です。

ベンチャーとスタートアップ、両者の違いは「会社としてのゴール」が異なる点とも言えます。ともに成長志向の若い企業であることは同じですが、スタートアップは中でも「EXIT」をゴールとしていることが特徴です。EXITとは例えば上場(IPO)であったり、特定の企業へ会社を売却する(M&A)、といったことを指します。

また、そのためにも、自己資本や借り入れを中心にゆっくりと着実に会社を成長させていくのではなく、外部資本も入れて創業後数年間赤字を掘ることもありながら、短期間での急成長を目指す企業がスタートアップとも言えます。そして、どちらが良い悪いという話ではなく、それぞれに長短はあります。

もちろん定義までしっかりと考えてベンチャー、スタートアップを自称している企業ばかりではないので明確な指標とまでは言えませんが、ベンチャーへの転職を考える場合には両者の違いを意識してみるとよいでしょう。

スタートアップ企業のステージごとの違い

上述したように、スタートアップ企業は「EXIT」を意識し、特に日本では「上場」が一つのゴールとされています。上場前のスタートアップ企業には「ステージ」が設定されています。下記が各ステージの名称です。

・シード

・アーリー

・ミドル

・レイター

シードステージから順に、資金調達が進むに連れてステージが進んできます。

こちらも明確な定義は曖昧で定まってはいませんが、イメージとしては、シードステージのスタートアップはアイデアのみでサービスができていない状況であったり、プロトタイプが完成した状態で資金調達ができているステージです。アイデアの可能性や、創業メンバーの能力や実績への期待が大きいフェーズである可能性も高いです。そこからサービスや事業の成長具合に応じてステージは進んでいきます。

転職先を選定する上で知っておくべきこととしては、初期のステージはまだ社員も少なく給与条件等は低い(安定しない)一方で、初期メンバーとして多くの(あるいは低い金額の行使価格での)ストックオプション(新株予約権)を得られる可能性があります。後半のステージになると逆に給与面での安定(最近では一般的大企業よりももらえるケースも多いです)が期待できる一方で、あくまで社員として転職する限りではストックオプションも期待できません(ストックオプションが付与された場合も、会社の価値もあがっているため行使価格が高額になってしまいます)ので「上場して一攫千金」といったことは期待できません。

転職を検討しているスタートアップ企業が一体どういう資金調達ラウンド、シリーズにあるのか、に関してはしっかりと知っておく必要があることは、頭に入れておきましょう。

スタートアップ業界のトレンド

スタートアップ業界のトレンドは、社会の注目するトレンドに合わせて凄まじいスピードで移り変わっていきます。仮想通貨関連もそうですし、最近ではドローンやAIなども話題に上がることが多いでしょう。また、社会の全体トレンドとしてインターネットへの接点は引き続き伸びているので、インターネット広告関連の市場でも、ベンチャー企業は続々と成長し、誕生しています。

ただし、トレンドに乗った企業がベンチャーキャピタルなどから投資を受け成長を実現できる一方で、トレンドを逃し、資金繰りに苦しむベンチャー企業が表舞台から姿を消すことも多いのが事実です(特に、売上成長・利益創出に失敗したシード・アーリーステージののベンチャーでありがちです)。

例えば、数年前、上場に失敗したWeWorkの社内腐敗が世界的に話題になりましたが、WeWorkのビジネス上の収益性が不安視されている(評価額が実態と乖離している)という状況こそが何よりの課題でした。また、実際に上場を果たしたUber・Lyftも未だに黒字転換が見えないこともあり、上場後の株価は下がってきています。

これはあくまで「スタートアップの成長リスク」の一例ですが、しっかりとその企業が何で儲けていて、何が成長のキードライバーなのか、そしてその企業で働くことで何を得られるのか(逆に、何がリスクになりうるのか)を理解した上で転職することが必要です。ベンチャー企業の場合、上場企業と違い決算資料が公開されていない、もしくは少ない場合が多いので企業研究が難しいという事情はありますが、上記はしっかりと頭に入れた上で転職活動に臨みましょう。

ベンチャー企業への転職のメリット

ではここで、ベンチャー企業への転職のメリットを整理します。

※ここまで説明してきたように、ベンチャー企業と我々が総称している企業の中にはスタートアップ企業と呼ばれる、より成長意欲・スピードの早い企業群が存在します。ここからは基本的にベンチャー企業全体に当てはまるメリット・デメリットを記載しますが、「特にスタートアップ企業に当てはまる」特徴に関しては、その旨を付記します。


メリットは以下の3つです。

・裁量権を与えられる(マネジメント経験を得やすい)

・スピード感のある仕事ができる

・ストックオプションを得られるチャンスがある(※スタートアップで顕著)

裁量権を与えられる(マネジメント経験を得やすい)

ベンチャー企業と大企業とでは、社員の絶対数が違います。一方で、ベンチャー企業で求められる仕事数・対応数が大企業に比べて少ないわけではありません。つまり、一人一人に求められる仕事の量・幅が非常に大きいと言えます。

もちろん、仕事の量が多いということが人によってはデメリットになり部分ではありますが、ベンチャー企業に転職したい!という野心のある方にとっては仕事の幅が大きく取れることはメリットと言えます。大企業では味わえない「企業としての意思決定」に大きく関われる可能性も高まります。

また、転職市場において希少性の高いマネージャー人材は、ベンチャー企業としては採用がかなり難しい存在です。その分、社内の人材にマネジメントを任せるケースも多いと言えます。とりわけ、ある程度の業務を学生インターンに任せているベンチャー企業などでは、そういったインターン生のディレクション・マネジメントなども求められます。一般的な大企業であれば管理職になれるのは40代以降、早くても30代以降です。もし20代のうちにマネジメント経験を得たい、と考えているならばベンチャー企業への転職は魅力的と言えます。

スピード感のある仕事ができる

大企業、特に上場企業などになると企業は様々なルール・制度が整備されます。それはひとえに、安定的な成長とリスク(監査上問題ないかなど)の最小化が至上命題であるからです。特に社内での意思決定にあたっては、どの会議体で誰から承認を得ないといけない、その前に誰々に事前合意を取っておかないといけない、など、煩雑な承認フローが存在するケースが多々あります。

一方のベンチャー企業は、社内の合意形成・承認獲得へそれほどパワーを割かなくて良いというメリットがあります。社内の合意形成力とはいわば、社内政治に近しい部分があるため、実質的にスキルと言えるのかと悩む大企業サラリーマンは多いもの、そんな方にとってはベンチャーのやりたい仕事に全力で取り組める環境は、魅力的と言えるでしょう。「ベンチャー企業は成長環境である」とよく言われるのは、このような意味のある仕事に全力投球できるからです。

ストックオプションを得られるチャンスがある(※スタートアップで顕著)

ベンチャー企業の中には、社員に対してストックオプションを提示するケースがあります。ストックオプションとは、あらかじめ決められた価格で会社の株式を購入できる権利のことです。一般的に、創業者や役員、ベンチャーキャピタル等の出資者が株式の大多数を占めていますが、貢献度の高い社員に対してストックオプションを提示することで、社員のモチベーションを引き出すケースはスタートアップでは非常に多いです。大企業に比べるとベースの給与条件がよくない中で社員を定着させるための一つの手段と言えます。

とはいえ、役員・管理職など重要なポジションでの参画ではなく、ベンチャーとしても成熟期にある企業へ転職する場合は、たとえ「ストックオプションの付与あり!」と求人にうたい文句があったとしても、それほど大きな株式割合をもらえないでしょう。

ですので、ストックオプションを期待してベンチャー企業へ転職する場合にはその企業の現状のラウンドと、どういう役職で自分が転職するのか・できるのかを検討した上で進めるのが良いでしょう。もし「一攫千金」レベルのリターンを期待するならば、シードステージ・アーリーステージのスタートアップでない限りまず難しいと考えるべきです。

ただし、実際にストックオプションについて転職時に交渉する場合は、年収交渉同様、自分で行うよりも転職エージェントに代行してもらった方が良いでしょう。会社からすると、ストックオプションはホイホイとあげられるものではなく、どちらかというと切り札に近いです。それを頑なに要求してしまうと企業側から悪印象を抱かれてしまう恐れがありますので、そういった条件交渉は転職エージェントに一任してしまいましょう。

ベンチャー企業への転職のデメリット

次に、ベンチャー企業への転職のデメリット・リスクを整理します。

※下記は全てスタートアップ企業でも当てはまります。むしろ、特に顕著と言って良いでしょう。


デメリット・リスクは以下の3つです。

・経営が安定しないリスクがある(労働条件が変わるリスクがある)

・社内の教育・研修体制が整っていない

・大企業での経験・スキルが活きない場合がある

経営が安定しないリスクがある(労働条件が変わるリスクがある)

ベンチャー企業は、大企業に比べて経営リスクが相対的に高いと言えます。例えばですが、マーケットのトレンドが大きく変わり、強みであったテクノロジーが市場価値を失ったりだとか、主要事業で大手競合が参入し売上が大幅に悪化するなど。マーケットや競合、もしくは自社に原因を抱え、ベンチャー企業は経営不振に陥るリスクを常にはらんでいます。もちろんそれは大企業においても同様なのですが、大企業は複数の事業ポートフォリオを組み「Aの事業がこけても、Bの事業で賄おう」という、リスクヘッジを常に企図しています。一方でベンチャー企業はリソースに限りがある以上、どうしても「特定事業の一本足打法」になりがちです。ですので、一つの事業で成長に陰りが生じれば、すぐに経営への影響が発生します。

大企業であろうとベンチャーであろうと、経営において人件費は特に大きなコストの一つです。ですので、経営不振に至った企業では給与などの労働条件が変わったり、場合によっては会社を離れることを促される可能性もあります。そして、上述のとおりそのリスクはベンチャー企業の方がより高いといえます。

社内の教育・研修体制が整っていない

大企業は新入社員に対する研修もそうですが、入社後も様々な研修を用意しています。その研修の講師も外部から招いた一流の講師であることが多く、自分が望めば非常に学びになる研修を受けることができます。

一方で、ベンチャー企業だとそもそもどういった研修機会を、どれくらい用意すればいいのかという知見が少ないケースがあります。そもそも研修費用を会社として捻出する余裕がない企業も大半でしょう。また、ある種旧時代的に「現場で仕事をしながら育てよう」という意識が強く、研修制度の整備の優先順位が低いケースもあります。

また、上記は研修に関してですが、業務上のマネジメント層のレベルが低いケースも多々あります。ベンチャー企業ではプレイヤーとしての能力(例えば新規営業での受注能力)が重要視され、それを評価されてのマネージャー登用もあります。そういったマネージャーのマネジメント能力はえてして我流かつ、パワーマネジメントに走りがちです。特に20代の若いうちは、上司であるマネージャーの力量で大きく成長のスピードが変わります。もしも成長環境を望んでベンチャー企業への転職を検討する場合には、マネジメント層の経歴などを鑑みるのが良いでしょう。

大企業での経験・スキルが活きない場合がある

大企業で一定の経験を得て、ベンチャーに転職したとしても必ずしもうまくいくわけではありません。特に、インフラ系の企業や銀行など、既存権益かつ体質の古い企業からの転職の場合は気をつけないといけません。

業種にもよりますが、ベンチャー企業では基本的にリスクよりもリターンを重んじた「スピード重視・量重視」の仕事が求められます。大企業では逆にリスクを重んじた業務の進め方を求められます。また、営業職などの場合は大企業の看板を掲げた営業ができていた部分が多分にあるということを理解しないままベンチャーに転職し、思ったような成果がまったく上げられないというケースも多いです。このように、大企業とベンチャー企業では求められるスキルも違いますし、自分のスキルだと思っていたことがそうでないこともあります。このことを理解していないまま転職すると、大きく後悔をすることがありますので気をつけましょう。

ただし、場合によっては「大企業流」の仕事を求められるケースもあります(より厳密にいうと、大企業流の「組織」をインストールすることを求められるケース)。社員数が100人を超え、ある程度の規模になってきたベンチャー企業であれば、それまで目を向けてこなかった社内のバックオフィスの整備や、各種組織の整理などに注力し始めるようになります。そういった知見を持っていないベンチャー企業であれば、知見のある人材を採用し、組織・制度構築をお願いした方が早いです。例えばメリカリなどでも、人材の採用を積極的に進めるステージ担った際、楽天の採用マネージャーを招いて自社の採用強化を進めたといった経緯があります。

ベンチャー企業への転職にあたっては、面接の機会でも事前のリサーチでも、「自分のどういった経歴・能力が評価されているのか?」をよくよく考えた上で、擦り合せる必要があります。転職エージェントも上手に活用し、こういった点もしっかりと押さえておきましょう。

ベンチャー企業への転職がうまくいく人の特徴

さて、ここまでベンチャー企業に転職する上でのメリット・デメリットについて記載しましたが、上記を踏まえた上で、ベンチャー企業への転職がうまくいく方の特徴について整理します。


ベンチャー企業への転職がうまくいく方の特徴は以下の4つです。

・当事者意識の強い人材

・成長意欲の強い人材

・柔軟性のある人材 

・体力のある人材(※スタートアップに顕著)

当事者意識の強い人材

ベンチャー企業においては、言われたことをきっちりとやりきる「だけ」の人材は必要ありません。常に企業としても成長が求められる中で、任された業務範囲を超えた仕事にも興味を持ち、取り組んでいける人材こそがベンチャーでは活躍できます。ただし、こういった人材はベンチャー企業のみならず、今やどんな企業でも求められていると言えます。その意味では、「今の職場では定型の業務以外に顔を出すことが許されない」という悩みがある方は、ベンチャーにおいて新しいビジネスマンとしての基礎を作るといった挑戦をしてもよいかもしれません。その経験を通して、次にまた転職活動をする時には全く違うスタンスを持って取り組めるでしょう。

ちなみに、当事者意識という言葉を聞くと「圧倒的当事者意識」で有名なリクルートグループを想起される方も多いと思いますが、実際にリクルートグループで活躍する社員と、ベンチャーで活躍する人材との共通点は高いと考えられています。リクルートグループからベンチャーへ転職する方がいる一方で、ベンチャー企業からリクルートグループへ転職する方も多くなっています。

リクルートグループは大企業でありながら、一人一人の成長にコミットし、その成長をエンジンに会社を成長させていくという社風からして、ベンチャー企業に似たDNAを有していると言えます。ベンチャー企業へ転職を考える際には、リクルートへの転職も選択肢のひとつに入れてみても良いでしょう。

参考:株式会社リクルートの年収・資産データ一覧|OpenMoney

参考記事:『リクルートへの転職を考えるなら知っておきたいこと【年収・各社の特徴・求める人材まで】

成長意欲の強い人材

ベンチャー企業での業務は、デメリットの段でも述べたように楽なものではありません。大企業のようにアシスタントが充実していないケースも多いため、雑用を含め自分自身でこなす業務の量は必然的に多くなります。当然、体力的にハードなこともあるでしょう。一方で、自分が任される仕事の幅や裁量権の大きさは大企業に比べ、ハイスピードで広がってきます。(もちろん、年収もそれに一定以上相関して伸びていきます。)

上記のデメリットを成長機会と捉え、メリットに魅力を感じられる人こそ、成長意欲が強くベンチャーでの仕事にコミットできる人材と言えます。自身のビジネスマンとしての成長に焦りや課題感を感じているなら、ベンチャー企業は一つの選択肢と考えてよいでしょう。

柔軟性のある人材

ベンチャー企業では経営者の思想が色濃く社風に反映されているケースが多くなっています。ベンチャー企業へ転職する場合には、その社風に早期に馴染むことが必要とされます。もし大企業から転職する場合には、ベンチャー企業というそもそもが独特の文化に馴染むことに加え、その会社独特の社風にも慣れることが必要とされます。

ベンチャー企業へ転職する人材が20代〜30代と比較的と若いケースが多いのは、上述した「転職上の難しさ」をクリアできる柔軟性を持っていることが多いためです。もちろん、年齢が若いからといってみながみな柔軟性を有しているわけではないため、自分がベンチャー企業に転職した時にうまくいくのかということは考えておく必要があります。もちろんベンチャー企業ごとに社風は全く違うので、その切り口での企業研究も必須です。経営陣の出身企業・業界などによっても社風の傾向に特徴があったりもするため、企業HPなどでチェックするのもおすすめです。

体力のある人材(※スタートアップに顕著)

ベンチャー企業、特に初期ラウンドのスタートアップ企業ならば、とにかく業務量をこなし、会社の成長を第一優先におくことが求められます。もちろん企業にもよりますが、定型的な労働時間の設定が意味をなしていなかったり、休日に働くのは当たり前というケースも多々あります。

上記のような働き方は、ある程度の年齢を超えていたり、家族を持っていたりするとなかなか難しい場合もあります。その意味では、一定以上の体力のある方でないと難しいと言えます。よくコンサル出身者がベンチャー・スタートアップ企業へ転職したのちに重宝されると言われますが、その理由はロジカルシンキング能力が高いことに加え、激務のコンサル会社で培われた体力的なタフさがベンチャー・スタートアップ企業で重宝されるからという部分もあります。

ベンチャー企業への転職で知っておきたい年収のこと

ベンチャー企業への転職に限らず、転職時にはやはり年収の上下は気になるところです。ベンチャー企業の場合は規模によっても大きく差異があるため、規模別に傾向を確認してみましょう。

以下3つに分けて確認します。

・メガベンチャー(DeNA、グリー、サイバーエージェントなど)

・小〜中規模ベンチャー

・創業初期(シード・アーリーステージ)のスタートアップ

メガベンチャー(DeNA、グリー、サイバーエージェントなど)

DeNAやグリーなどのいわゆる「メガベンチャー」では、大企業と比較しても遜色ない、むしろ高い年収が特徴的です。上記のDeNAやグリーでは平均年収は700〜800万円ほどあり、マネージャー・管理職となれば年収1,000万円以上が見えてきます。

このくらいの規模感のベンチャーであれば社内体制などもかなり整っており、一方でベンチャーらしい活気と出世スピードを期待できるため、メリット面は多いと言えます。大企業と違い年功序列の要素は少ないので、実力主義の中を勝ち抜こうという意識が強い方、もしくはIT系の素養・スキルのあるWebディレクター・エンジニアであれば、転職先の選択肢の一つとしておすすめです。

ただし、初期ベンチャーやスタートアップとは違い、既に大きく業績を伸ばしてきている企業ですので「ベンチャーで一攫千金!」という方には向いていません。また、企業によってはすでにベンチャー気質がなくなり、「大企業病化」している場合も多いため注意が必要です。

小〜中規模ベンチャー

メガベンチャーと違い、一般的には大きく名前の聞くことの少ないベンチャー群の年収に関しては、情報収集が大きく影響してきます。見た目の提示年収よりも大きく稼ぐチャンスがあるのは、この規模の会社群です。

ベンチャー企業は成長志向が強く、多くが創業から歴史があまり経っていない企業群です。上場している企業であれば、基本的には利益が重要視されますが、上場していないベンチャー企業・スタートアップ企業にとっては利益よりも「売上のトップラインを伸ばす(あるいはユーザー数などといった売上の代わりとなる指標を伸ばす)」ことの方が重要です。つまり、ベンチャー経営層の発想は「売上の伸びにつながる投資はすべき」となります。

上記のベンチャー特有の特徴から「残業代が多くつく」会社が比較的多いのが、小〜中規模のベンチャー企業です。例えば主力事業で売上が大きく伸びてきている企業、またはベンチャーキャピタルなどから大きな投資が入っている企業であれば、人件費に充てる余裕があると想定できます。そういった目線で転職先を探すと、求人要件に書かれている月給以上に大きく稼ぐことのできる可能性があります(労働時間が長くなる前提ではありますが)。

ただし、上記のようなベンチャー企業ばかりではないのも、ベンチャーへの転職にあたり難しい部分です。もしも年収アップを重視してベンチャー企業への転職を考えているのならば、転職エージェントやベンチャー業界に詳しい知人を活用した情報収集は必要です。

創業初期(シード・アーリーステージ)のスタートアップ

創業初期のスタートアップ企業では、転職によって年収は下がるケースがほとんどだと考えた方が良いでしょう。ただし、この規模のベンチャー企業へ転職する場合には、短期的な給与よりも、急成長した後の年収やポジションであったり、上場や会社売却などのEXITによって得られる利益を重視するケースが多いので、一般的な転職における年収の変化と同じ感覚で捉える必要はないでしょう。逆に言うと、年収よりも会社としてどれだけの成長が期待できるのか、ストックオプションなどをどれだけ期待できるのかといったことに主眼をおいて情報収集・交渉を進める方が良いでしょう。また、こうしたフェーズの企業への転職の際は、年収以上になかなか得られない経験を得られることであったり、成長可能性に期待する場合がほとんどですので、最初から年収を気にするような方には向いていないとも言えます。(もちろん最低限の年収を維持するということは必要です。)

ベンチャー企業への転職は情報収集が成功のカギ

ベンチャー企業への転職にあたっては、ここまで書いてきた通り一般的な大企業への転職とは趣が違います。小~中規模のベンチャー・スタートアップは特に、そもそもの情報量が大企業に比べて集めにくく、入社した後に社風とマッチしないなどの壁に直面するリスクがあります。ですので、ベンチャー業界に強い転職エージェント・転職サイトを利用したり、ベンチャー業界に詳しかったり在籍している知人の情報を活用する必要があります。また、日頃からベンチャー業界のニュースに目を通し、自分なりに各業界の動向に対して見解を持つことも重要になってきます。

20代~30代前半の社会人にとっては、ベンチャー企業への転職は大きくキャリアの方向性を変え、成長するにあたって大きなきっかけになりえます。ベンチャーで挑戦したいキャリア・転職したい企業があっても、年齢を重ねるとなかなかキャリアチェンジができないこともあります。そういった長期的なキャリアプランもしっかりと考えながら、ベンチャー企業への転職というのも選択肢の一つに加えるのがおすすめです。


年代や年収レンジ、志望業界に関わらず転職エージェント・転職サイトは利用するメリットは大きいです。以下の記事を参考に、転職エージェントを選んでください。

参考記事:『転職エージェント・転職サイトおすすめ11選【利用するメリット・選び方・効果的な使い方まで】


ベンチャー業界への転職を考えるのであれば、以下の記事で紹介している転職サイト・転職エージェントに登録するのがおすすめです。

参考記事:『ベンチャー業界への転職におすすめの転職サイト・転職エージェント


また、OpenMoneyでは、多数のベンチャー・スタートアップ企業の社員の実際の年収データも掲載しています。是非、登録してみてください。

参考:「IT・通信・インターネット」の掲載企業一覧|OpenMoney

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