2022/03/27

投資信託の正しい選び方と初心者におすすめの銘柄について解説

投資信託の正しい選び方と、おすすめの投資信託について解説します。投資信託を選ぶ際は「投資対象」「コスト」「純資産総額」の3つを確認するのがポイントです。確認すべきポイントからおすすめの投資信託の銘柄まで初心者にもわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

投資信託とは

投資信託(ファンド)とは、運用のプロであるファンドマネージャーが投資家から集めたお金を株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果として生まれた利益を投資家に還元する金融商品のことです。どんな対象(株式・債券・商品・特定のテーマなど)に投資するのか、どんな地域(先進国・新興国・特定の国など)に投資するのかなどによって様々な商品があります。株式投資と同じく元本保証ではありませんが、プロの専門家が運用するため投資家は手間をかけずに運用を行うことができます。

通常、国内や海外の株式に投資をする場合はある程度まとまった金額で購入する必要がありますが、投資信託の場合は多数の投資家から集めた資金で様々な株式や債券を運用するため、投資家は1万円ほどの少額からでも購入することができます。このように投資信託は、投資初心者にとって購入しやすく、手間もかからないため忙しい人にも始めやすい金融商品です。

投資信託の正しい選び方

投資信託を購入したいけど、種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからないという人は多いのではないでしょうか。投資信託を選ぶ際には、主に以下の3つのポイントを見ると選びやすくなります。

1. 投資対象

「何に投資される投資信託なのか」という点は、リスクやリターンに大きな影響を及ぼすため必ずチェックが必要です。投資信託の種類としては「国内株式」「海外株式」「国内債券」「海外債券」「不動産(REIT)」などがあります。海外株式はその中でも投資対象が全世界なのか、米国のみなのか、先進国なのか、新興国なのかによってもリスクが大きく異なります。まずは自分が日本や海外、不動産など何に対して将来安定して伸びると感じているかを考えてみましょう。投資対象が一つだと心配だと思う人は、投資対象が複数ある投資信託(バランス型投資信託)もありますので、そちらも検討してみるとよいでしょう。

参考記事:『投資信託の種類とは?種類別のリスクまで解説

2. コスト

投資対象と同じく重要なのが、その投資信託を購入・運用する際に発生する経費(コスト)です。投資信託に発生するコストは主に以下の3種類があります。

手数料名 内容
販売手数料 投資信託を購入したときにかかるコスト
信託報酬 投資信託を保有している間にかかるコスト
信託財産留保額 投資信託を売却する際にかかるコスト

販売手数料と信託財産留保額については、近年の投資信託の中にはノーロードと言って無料のものが多くなってきています。そのため本記事では主に信託報酬について記載します。

信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として投資信託を保有している間ずっと投資家が支払い続ける費用のことです。支払いの方法としては別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して何%」といった形で毎日差し引かれます。信託報酬の割合は投資信託によって様々で、主にインデックス型かアクティブ型かによって大きく異なります。

インデックス型投資信託は日経平均株価などのインデックスと呼ばれる指数(市場の平均的な値動き)と同じ運用成果を出すように設計されている商品のことです。一方アクティブ型はインデックス投資とは逆に、日経平均株価などの市場の平均よりも良いパフォーマンスを出すことを目的に運用している商品のことです。基本的にアクティブ型の投資信託はファンドマネージャーが独自の調査や分析に基づいて銘柄を選定、運用していくため手間がかかり、信託報酬がインデックス型と比べると高くなります。インデックス型の信託報酬はだいたい0.1%~0.6%、アクティブ型の信託報酬はだいたい0.9%~2.0%ほどです。信託報酬はその商品を持っている間は常にかかる費用なので、必ず確認して少しでも安い商品を選びましょう。

また、アクティブ型投資信託はもちろんインデックス型の運用成果に勝つこともあるのですが、勝てるアクティブ型投資信託を事前に選ぶことは不可能ですし長期的にはインデックス型に勝てないということが証明されつつありますので、初心者の人はインデックス型を選ぶのが無難です。

※投資信託の中には、具体的に数字として表示されていない「隠れコスト」がかかる場合もあります。投資信託の運用にかかるコストは隠れコストも含めた「実質コスト」という表記が一番正確に表していますので、「実質コスト」の数字も確認するようにしましょう。

参考記事:『投資信託やETFのコストが長期投資に与える影響

3. 純資産総額

純資産総額とはその投資信託の規模を表したもので、組み入れられている株式や債券などの資産の時価総額のことです。純資産総額が増減するのは、主に以下の2つが要因となります。

1. 投資信託の購入や解約などによる資金の流入・流出

2. 組み入れられている資産(株式や債券など)の価格の変動

純資産総額が大きいほど人気が高い投資信託と言え、純資産総額の低い投資信託は継続が難しかったり、途中で運用をストップしてしまうという可能性も少ないですがあります。純資産総額が少なすぎる投資信託は選ばないようにしましょう。また、純資産総額が一定金額を超えると、その部分の信託報酬が下がるというファンドもありますので、コストと合わせて純資産総額も見るようにしましょう。

おすすめの投資信託

上記の投資信託の選び方を加味し、投資初心者にもおすすめの投資信託を紹介します。

おすすめの投資信託

ファンド名 投資対象 信託報酬 純資産総額(百万円)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 全世界株式 0.1144% 203,362
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 全世界株式 0.212% 101,939
SBI・全世界株式・インデックスファンド 全世界株式 0.1102% 26,179
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 全世界株式(日本除く) 0.1144% 66,827
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 先進国株式(日本除く) 0.1023% 216,443
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 先進国株式(日本除く) 0.1023% 294,903
楽天・全米株式インデックス・ファンド

全米株式

0.162% 290,831
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) S&P500(米国株式) 0.0968% 474,129
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド S&P500(米国株式) 0.0938% 229,631
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 新興国株式 0.187% 67,245
SBI・新興国株式インデックス・ファンド 新興国株式 0.176% 10,558
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 国内株式(TOPIX) 0.154% 33,828
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド 国内株式(TOPIX) 0.154% 40,416
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 8資産 0.154% 99,717

※2021年12月時点

eMAXIS Slimシリーズについて

おすすめで挙げた投資信託14のうち7つが「eMAXIS Slimシリーズ」となっています。このシリーズは業界最低水準の運用コストを目指し続けると宣言しているファンドです。つまり常に最も手数料が少ない運用が目指せるということです。基本的にインデックスファンドは同じ指数に連動させる銘柄を比べた場合ほぼ同じような値動きをします。なのでなるべく運用コストを低く抑えられる銘柄を選んだ方が、結果として良いパフォーマンスを期待できるということです。コストを追求したいという人にはおすすめのファンドです。

参考:eMAXIS Slim公式ページ

正しい選び方を踏まえて商品選択を

投資信託の正しい選び方とおすすめの銘柄について解説しました。投資信託は種類がたくさんあって迷ってしまうかもしれませんが、ポイントを押さえれば難しくはありません。正しい投資信託を選んで、無駄のない資産運用を目指しましょう。

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