2020/12/19

【中・上級者向け】投資・資産運用の本おすすめ18選

投資中級者〜上級者向けに、投資・資産運用のおすすめ本をご紹介します。幅広い本の中から独自のランキングをもとに選定しています。古典的名著を中心に紹介していますが、純粋な投資本だけではなく、投資につながるような本や、投資においても重要な考え方である行動経済学についての本まで幅広く紹介します。

中・上級者におすすめの投資本・投資に関連する本

投資中級者〜上級者向けに、おすすめの投資本を紹介します。

なお、本記事で紹介しているおすすめ本は、100冊以上の投資・資産運用関連本の中から、OpenMoney編集部が独自にランキング化したものです。『【初心者から中級者向け】投資・資産運用の本おすすめ9選』の選定ではOpenMoneyでの基本的な投資・資産運用に対する考え方も強く反映させ、特に、「短期間で大きく儲ける」といった類の本は選びませんでしたが、今回は幅広いスタンスの本の中からも参考としておすすめできる本を選んでいます。OpenMoneyが決して薦めることのない投資スタンスのものも多く含まれていますので、ご了承ください。

また、中級者〜上級者向けということで、純粋な投資本・資産運用関連本だけでなく、投資につながるようなおすすめの本や、投資をするのであれば知っておいた方が良い行動経済学に関するおすすめ本まで紹介します。


参考:

【初心者から中級者向け】投資・資産運用の本おすすめ9選

これから投資を始める人への17のアドバイス

中級者〜上級者におすすめの投資本(12冊)

バートン・マルキール『ウォール街のランダム・ウォーカー』

1973年初版の全米累計150万部を超える世界的名著です。『【初心者から中級者向け】投資・資産運用の本おすすめ9選』でも紹介した一冊ですが、9冊の中ではこの本が一番読むのが大変だと思います。内容は「インデックスファンドへの投資がベスト」というシンプルなものなのですが、それを幅広いデータを用いて説明していきます。「ランダム・ウォーク理論」や「効率的市場仮説」について繰り返し解説されています。

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ハワード・マークス『投資で一番大切な20の教え』

オークツリー・キャピタル・マネジメントという投資会社の会長兼共同創業者のハワード・マークスの本で、ウォーレン・バフェットも名著と評価し、株主総会で配布したとか。個別株投資における基本的な考え方を20に分けて説明しています。基本的には「バリュー投資」のスタンスです。

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ジェレミー・シーゲル『株式投資』

ジェレミー・シーゲルの通称「緑本」です。株式投資全般について解説していますが、

・株式投資は長期的にはリターンが安定している

・したがって、資産の多くの割合を株式にするべき

・株式ポートフォリオの大部分を国際分散した低コストの株式指数ファンド(インデックスファンド)にするべき

と主張しています。また、株式投資の中でも、成長株よりも割安株に優位性があるというスタンスです。

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ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来』

ジェレミー・シーゲルの通称「赤本」です。「緑本」の内容を踏襲しつつ、より具体的にどのような投資手法が良いのかについて書かれています。特に、「高配当株投資」の優位性について、過去のデータをもとに説明していきます。

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ローレンス・A・カニンガム『バフェットからの手紙』

バークシャー・ハサウェイ社の年次報告「バフェットからの手紙」を36年分まとめたものです。ウォーレン・バフェットに関する本は非常にたくさん出版されていますが、バフェットの投資哲学を知るにはこの手紙を読むのが一番です。なお、ウォーレン・バフェット自身について知りたい場合は、『スノーボール』がおすすめです。

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ベンジャミン・グレアム『賢明なる投資家』

バフェットが師と仰ぐベンジャミン・グレアムの名著。1949年に個人投資家に向けて「投資の初心者にも理解できる形で、資産運用で大きな間違いを犯すことなく、不安なしにいられる投資方針を作り上げる」ために書いた本ですが、初心者向けにしては少し難しい内容です。バフェットやシーゲル同様、「バリュー投資」を考えるのであれば、読んでおくべき名著です。上下巻になりますが、金融コラムニストが当時の時代背景などの解説や最近の事例との比較が随時加わっている『新 賢明なる投資家』を読むのも面白いかもしれません。

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ベンジャミン・グレアム、デビッド・ドッド『証券分析』

1949年に出版された『賢明なる投資家』が個人投資家向けであるのに対し、機関投資家向けに1934年に出版されたのが『証券分析』です。バリュー投資の原典とも言える「古典中の古典」です。『賢明なる投資家』を読んで、もっといろいろ知りたいと興味が湧いたら読むのがおすすめです。

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ハワード・マークス『市場サイクルを極める』

『投資で一番大切な20の教え』のハワード・マークスの本です。『投資で一番大切な20の教え』はどれも大事な投資の要素であるものの、その中でも最も重要な要素が「市場サイクル」を理解することであるとし、本書はその「市場サイクル」について書かれた本です。『投資で一番大切な20の教え』の市場サイクルに関する部分に興味が湧いたのであれば、本書も読むのをおすすめします。(逆にその部分がピンとこなければ読む必要はないかもしれません。)「株価は振り子のように動き、適正価格で留まっていることの方が少ない」というスタンスです。

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ピーター・リンチ『ピーター・リンチの株で勝つ』

マゼラン・ファンドの運用を担当した伝説のファンドマネージャー、ピーター・リンチの本です。「テンバガー(10倍になる株)」という言葉を広めたのがピーター・リンチで、「1勝10敗」でも1銘柄(1勝)がテンバガーであれば勝てる、と言っています。比較的わかりやすい表現で書かれており、個別株投資を考えるのであれば一度は読んでおいて良い本です。小型株・成長株投資を考えるのであれば必読です。

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フィリップ・A・フィッシャー『株式投資で普通でない利益を得る』

1958年に出版され、ベンジャミン・グレアムの本と共に投資の古典的名著とされているのが本書です。フィリップ・フィッシャーもバフェットに大きな影響を与えたと言われています。「株を買うときに調べる15のポイント」や「投資家が避けるべき5つのポイント」など読みやすいテーマも多いです。成長株投資を考えるのであれば一度は読んでおいて良いでしょう。本書と特に関係はありませんが、息子のケネス・L・フィッシャーの『ケン・フィッシャーのPSR株分析』もおすすめの一冊です。

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ウィリアム・J・オニール『オニールの成長株発掘法』

成長株投資の中でも、「比較的小さな会社のうちから、成長の速そうな株を探し出し、短期間うちに利益を上げていく方法」について書かれた本です。「CAN-SLIM」という投資手法で、7つの条件に当てはまるかどうかで投資判断をする方法は、短期間で利益を追求したいという方は知っておいて損はないかもしれません。

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マーク・ミネルヴィニ『ミネルヴィニの成長株投資法』

伝説的トレーダー、マーク・ミネルヴィニの投資手法を解説した本です。「価格の高い株を買って、さらに高値になったところで売る」という投資手法です。こちらも、短期間で利益を追求したいという方は一度読んでおいて良い本です。OpenMoneyでは、「短期間で大きく儲けよう」とする行動をすべて資産形成とは程遠いギャンブルに近いものと位置付けています。一方で、世の中にはそういった多くの本が出版もされています。OpenMoneyのスタンスは変わることはありませんが、多くの「短期間で利益を追求する」本をレビューし、そのスタンスの本であれば、今回紹介した2冊(『オニールの成長株発掘法』と『ミネルヴィニの成長株投資法』)が良著であると判断しました。

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投資につながるおすすめの本(3冊)

ナシーム・ニコラス・タレブ『ブラック・スワン』

金融トレーダーからベストセラー作家になったナシーム・ニコラス・タレブの代表作です。投資ではリスクについて考えることは必要不可欠ですが、このリスクを考えるのにタレブの著作は最適です。皮肉たっぷりの独特の表現が苦手な人には苦手かもしれませんが、一度は読んでおきたい本です。他の著作『まぐれ』、『反脆弱性』、『身銭を切れ』なども、リスク・不確実性について考えるのであればどれもおすすめです。

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エドワード・O・ソープ『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』

ブラックジャックのカウンティングの有意性を証明し、クオンツの始祖とも言われるエドワード・ソープの本です。効率的市場仮説を否定しながらも、ほとんどすべての人はインデックス投資にした方が良いと言っています。投資本としても、読み物としても楽しめる本です。

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ジェイソン・カラカニス『エンジェル投資家』

ウーバーの初期投資家として有名になったジェイソン・カラカニスが自身の経験をもとにエンジェル投資について語る本。スタートアップへのエンジェル投資についての内容ですが、「どのプロダクトが成功しそうかなど絶対に予測できない」など、一般の投資の考え方にも活かせる考え方も非常に多いです。

また、近年日本国内でもエンジェル投資についての本が多く出版されていますが、国内の本よりもこちらの本を読んだ方が良いと思います。さらに、基本的には一般の投資家がエンジェル投資で「美味しい」案件に出会えることはほぼほぼありえないということも認識しておくべきです。

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行動経済学の名著(3冊)

リチャード・セイラー『実践 行動経済学』

2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーの代表作で、行動経済学の入門書です。より身近な例をもとに、行動経済学についてわかりやすく解説しています。

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ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』

行動経済学のブームに火をつけたとも言われているのが本書です。ダン・アリエリーの『不合理だからうまくいく』『ずる 噓とごまかしの行動経済学』も同様にベストセラーとなっています。ダン・アリエリーは経済学者ではないですが、行動経済学者の代表的な一人とされています。「高価な偽薬は安価なものより効果がある」という研究結果によって、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績」に贈られるイグノーベル賞を受賞しています。

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ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』

2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンによる行動経済学の本です。「プロスペクト理論」や「ピーク・エンドの法則」、「認知バイアス」など投資でもよく出てくる法則はダニエル・カーネマンによるものです。行動経済学について知るのであれば、ダニエル・カーネマン、リチャード・セイラー、ダン・アリエリーの本をまずは読んでおけばいいと思います。

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編集長ひとこと

OpenMoney編集長SHOです。

前回の『【初心者から中級者向け】投資・資産運用の本おすすめ9選』に続き、今回はより中級者〜上級者向けにおすすめの投資・資産運用の本を紹介しました。さらに今回は、一般的な投資本・資産運用本だけでなく、リスクについて考える本やエンジェル投資についての本、行動経済学の名著まで紹介しています。これらの本も、投資・資産形成を考える際には活きてくると思います。また、投資本・資産運用本については、『【初心者から中級者向け】投資・資産運用の本おすすめ9選』では紹介しなかった、OpenMoneyが考える適切な投資のスタンスとは異なる本も複数紹介しています。自分と異なるスタンスの名著を読むことで、より自分のスタンスに対する認識が深まったり、あるいはこういった見方もあるのかという発見もあると思います。場合によっては、そちらの方が正しいと「改宗」することもあるかもしれません。OpenMoneyとしても、これが最適だと提示している考え方はありますが、必ずしもそれが正しいとも限りません。幅広い「良著」「名著」を読むことで、「自分のスタンス」を確立していただければと思います。

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