2020/12/22

ロボアドバイザーの手数料は高いのか?

ロボアドバイザーの手数料は高いのか安いのか?手数料や長期投資へ及ぼす影響、手数料を支払ってでもロボアドバイザーを使うことのメリットについて考察します。

ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは、資産配分や商品の選定、売買の発注やリバランスまで、すべての資産運用を自動で行ってくれるサービスのことです。アメリカでは2000年代後半頃から、日本では2015-2016年頃から広まってきています。日本では、2020年12月現在で最大手の「WealthNavi(ウェルスナビ)」や、お金のデザインが運営している「THEO(テオ)」、マネックスグループが運営している「ON COMPASS(オン コンパス)」などが有名です。


ロボアドバイザーは、厳密には適切な資産配分を提示するだけで終わる「助言型(投資アドバイス型)」のものと、その提示された資産配分にもとづいて自動的に運用までしてくれる「運用型(投資一任型)」に分けられますが、本記事では「運用型(投資一人型)」の前提で説明します。

ロボアドバイザーを使うメリット

ロボアドバイザーを利用するメリットはいくつかありますが、一番は、「手間をかけずに自分にとって最適な資産運用ができる」ことです。ほとんどのロボアドバイザーでは、いくつかの質問に答えるだけで、自動的に自分に合った資産配分で、コストの低い商品を組み合わせて資産運用をしてくれます。資産運用において重要となってくるリバランスなども定期的に行ってくれます。

例えば、最大手のウェルスナビでは、いくつかの診断結果にもとづいて、米国株(VTI)・日欧株(VEA)・新興国株(VWO)・米国債券(AGG)・金(GLD)・不動産(IYR)の最適な配分を提示し、その割合で運用をしてくれます。

少額からできる、専門家に相談する必要がない、等いろいろなメリットが言われていますが、ロボアドバイザーの一番のメリットは上記です。

ロボアドバイザーの手数料は高いのか?

2020年12月現在、ロボアドバイザー各社の手数料は、運営会社によって違いはありますが、運用金額に対して年間約1%程度が一般的です。最大手のウェルスナビの手数料が現在年率1%(税別)です。(3,000万円を超える部分は0.5%になります。)

この「1%」の手数料が高いのか安いのかということがよく話題になります。

アメリカではロボアドバイザーの手数料は0.25%程度

ロボアドバイザーが進んでいるアメリカでは、この手数料は現在年率0.25%程度です。なのが一般的です。(手数料がかからないという会社もあるようです。)

コストが長期投資へ及ぼす影響

『投資信託やETFのコストが長期投資に与える影響』でも説明しましたが、ほんのわずかのコストの差でも、長期投資においては大きな差となります。

下の表は、1,000万円の資金を年率5%で30年運用した時の、コストごと(0, 0.25%. 1.1%)の推移です。コスト0の場合、年率5%で運用した場合、30年後に1,000万円は4,322万円になりますが、コスト0.25%の場合には4,024万円、コスト1.1%の場合には3,151万円となります。

それでもロボアドバイザーを使うメリットは大きい

資産運用だけを考えた場合、年率1%という手数料は割高と言えます。また、多くのロボアドバイザーの運用商品は、誰でも簡単に少額から購入できる海外ETFなども多く、ロボアドバイザーを介さずに自分で近しい運用をすることは可能です。ロボアドバイザーの手数料に批判的な投資家やブロガーの意見ももっともです。

一方で、これから投資を始めようという方や、銀行に置いておくくらいなら何かしら運用したいものの資産運用に自分の時間を取られたくないといった方々も多く存在します。そして、そういった方々の方がおそらくマジョリティでしょう。

OpenMoneyは、「お金の情報をオープンにすることで、よりよいお金の選択ができるようにサポートする」ことを目指していますが、お金にはしっかり向き合いつつも投資よりも大切なことに時間を使うべきだと考えています。そうした方々にとって、ロボアドバイザーは選択肢の一つとして十分魅力的と言えます。

HOME記事一覧Page Top