2021/01/16

【リクルート用語集】リクルートで実際に使われている社内用語を現役社員がまとめてみた

リクルート社内で日常的に使われる独特の社内用語、リクルート用語。今回はそんなリクルート用語を現役リクルート社員の方にまとめていただきました。

リクルート用語とは

リクルート用語とは、リクルートグループ社内で当たり前のように使われている独特な社内用語のことです。リクルートグループは他の企業とは一線を画す、独自の社風を持っています。それに合わせてか、社内で使う言葉もかなり独特で他の企業から転職してくる方にとっては「???」な場面も多数。いきなり耳にしてびっくりしてしまわないように、就職・転職を検討している方は事前にインプットしておきましょう。

※本記事は現役リクルート社員の方による寄稿記事です。


参考:株式会社リクルートの資産データ一覧|OpenMoney

参考記事:『リクルート社員の年収・資産データからリアルなお金事情を分析

フィジビリ

フィジジビリティ・スタディの略。F/Sと記載されることもあります。

新規事業や施策の立ち上げ段階に、売上の見込みが立つか、利益の見込みご立つか、といった指標を計る実験・テストのこと。

「フィジビリ的にやってみようよ」はよく聞きます。

ヨミ表

リクルートグループの営業進捗管理法。ちなみに、ヨミ表を見ながら毎週営業進捗を確認する会を「ヨミ会」と言います。

ちなみに、昔はエクセルで管理していましたが、最近はSalesforceで管理をしています。

ヨミ表とはつまり、「どのクライアントからいくらくらい受注できそうか?」を進捗管理するためのもの。

ヨミはA〜D まであり、それぞれの意味合いはだいたい下記の通りです。

・Aヨミ:受注が確定している(申込書獲得済み)

・Bヨミ:受注がほぼ確定している(申込書獲得前)

・Cヨミ:受注は確定していないが、受注見込みが高い。

・Dヨミ:受注できるかはわからないが、がんばりたい。別名ドリームヨミ。

一般的にはCヨミが申請数字(ここまで営業として頑張ります数字)としてみなされ、「着地数字」や「オトシ数字」と呼ばれたりします。

GMは、上記の各ヨミ、特にCヨミ・Dヨミの金額を見て、各メンバーの営業状況を把握しています。

各カンパニーや領域によってヨミ方の温度感は変わるものの、ヨミ表文化はリクルートグループ全体で共通のものなので、営業であれば仮にカンパニー間異動があっても安心です。

オネスト(honest)

最もそれっぽいもの。いろんな場面で使われる形容詞です。

オネストヨミ、と言ったら、たぶんここくらいの数字なると思います、という着地数字のことなので、上述のCヨミとほぼ一緒です。

「昨対150%目指します!」とドリームな宣言をしたら、GMから「オネストでヨミ出しして」と言われますので注意しましょう。

アスピ

もととなっている言葉は「アスピレーション」。オネストヨミが手堅いヨミであるのに対し、アスピはより意志のこもったヨミです。

ここまでは頑張りたいです!的な自分の意志込みなので、着地数字とは別にアスピヨミを申請したりすることも。アスピヨミが強すぎるタイプと、アスピとオネストがほぼ同じ超絶手堅いタイプと、大体どちらかに営業は分かれます。

ファクト

スタッフ系の職種で人気のワード。

「○○だと思います」といった定性的な意見は「それって本当にファクト?」と詰められます。客観的・定量的な事実=ファクト、という感じで使います。

リクルートのスタッフは定量と定性のバランス感覚が求められるので、ファクトはしっかりと持ったうえでエモーショナルに話すくらいがベターです。 

ナレッジ

直訳すると「知識」ですが、リクルートでは「自らの持っているスキル・スタンス・成果物」のことを指します。

ナレッジ共有といえば、自分のクライアントへの提案に使った資料を周りに共有したり、営業スタンスを周りに発表したり、といった意味合いになります。

自分の数字だけが良くても周りにそのスキルを展開できないと、リクルートでは評価されません。レッツナレッジ共有。

べスプラ(ベストプラクティス)

ベスプラはナレッジ共有のゴージャスバージョンです。半期、もしくは一年の自分の仕事を振り返り、周りの人にも使える形で仕事への取り組み方をプレゼンする場です。コンテスト形式で開催するため、グランプリを獲った方には賞金・トロフィーがもらえるので、MVPなどの表彰と同等の栄誉です。

カンパニーや領域によって名前・規模は変わると思いますが、同様のイベントはリクルートグループではどこでもやっていますので、ナレッジ共有への会社としてのこだわりが改めて見て取れますね。

よもやま

普通の会議はしっかりとアジェンダを設定して進行を行うものですが、よもやまはアジェンダも設定しないような会議とは言えない会議のようなものです。GMとメンバーであれば、週次よもやまを設定して、「最近どうよ?」みたいなフラットな会話をしたり、特定の案件についていろいろ質問したいけどざっくばらんに話してみたい、という場合も、○○よもやま、のような形で設定されます。

リクルートは基本的に別組織のGMや部長でも、気軽によもやまを受けてくれるので、タテヨコナナメの交流がしやすい、とよく言われます。よもやまお願いして断られることはほぼありません。

やるやら

「やるかやらないか」を略して「やるやら」です。用法としては「やるやらは、営業部の判断を仰いだ上で進めた方がいいんじゃないか」みたいな感じです。リクルートはこういう謎に略してみんなが当たり前のようにそのまま使っている用語が多い気がします。

圧倒的当事者意識

リクルートの代名詞とも言われる圧倒的当事者意識。実際、リクルートグループ社内でも口に出すときは半笑いです。具体的には、仕事をただの仕事ととらえずに、強い当事者意識を持って仕事することを指す言葉です。

当事者意識という言葉をどう捉えるのかは人それぞれですが、たしかにリクルート内で活躍している方は誰もが当事者意識が異常に高いです。クライアント理解が非常に深かったり、「そこまで?」と思うほどリクルートの提供価値にこだわり続ける人であったり。一瞬アレルギー反応を起こしそうになるワードではありますが、リクルート用語の代表格と言えます。

WCM(ウィル・キャン・マスト)シート

リクルートグループの社員は半期に一回、このWCMシートを書きます。

Willとは、自分の将来のありたい姿。Canとは、今できること。Mustは、WillとCanの差分を埋めるためにすべきこと。

半期ごとにこのシートを書くことで、自分の中期的なキャリア感や展望と現状の能力から逆算した、「この半期にやるべきこと」を上司とすり合わせるのがリクルートの人材育成の基本です。(ここでいうやるべきことが「ミッション」と言われ、半期ごとに設定、半年後にできた・できないをすり合わせた上で査定がなされます。)

基本はWillを持つことが大前提なので、「いや、やりたいこと特にないっすよ(笑)」というタイプの方は覚悟しておきましょう。

RING(リング)

株式会社リクルート傘下のカンパニー内の新規事業コンテスト。賞金も出ます。

RINGは各カンパニーの社員であればだれでも応募でき、予選を通過すれば事業化に向けての検討が進められるため、新規事業をやりたい方はRINGへの応募がおすすめです。

外部の起業家を招いたイベントの開催や、事業開発室の社員による壁打ちイベントなども開催されるなど、かなり会社としても気合の入ったイベントです。

合算(2月合算/8月合算)

これはリクルートでもスタッフ職の間で使われる用語です。「事業計画」策定にあたっての一連の対応のことを総称して合算と言います。

2月合算が翌期4月~3月の通期計画で、8月合算が10月~3月の下期修正計画策定を指します。2月合算であれば11月~12月がかなりあわただしく、8月合算であれば6月〜7月がバタバタするスケジュール感ですね。

合算時期は各カンパニーのスタッフ組織は疲弊しておりますので、飲み会の誘いには乗りづらいと思われます。気をつけましょう。

基本的には事業推進部や事業統括、ネット企画のようなスタッフ系の仕事は「計画」と「モニタリング」に分けられ、パワーがかかるのは計画、つまり合算です。なので、スタッフ系の職種でのリクルートグループへの転職を考えている方は、上記の合算時期と忙しいタイミングを知っておくとよいでしょう。

元リクルート社員も使いまくる謎のリクルート用語

リクルートから他の企業へ転職した「元リクルート社員」にも、染み付いてしまったのかそもそも独特な社内用語だと認識すらしていないのか「謎のリクルート用語」を多発する方は多いようです。リクルート用語を使っているからどうこうと言ったことはまったくありませんが、「この人なんか難しい言葉を使っているぞ」なんて思わずに、「あーリクルート用語使っちゃってるよ、一般的には使われてないんだけどな、それ」と優しい気持ちで見ていただければ幸いです。


参考:株式会社リクルートの資産データ一覧|OpenMoney

参考記事:『リクルート社員の年収・資産データからリアルなお金事情を分析

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