2021/01/20

リクルートテクノロジーズへの転職者インタビュー【選考や面接、社風まで】

大手システム会社からリクルートテクノロジーズへ転職した方へのインタビュー記事。リクルートテクノロジーズへの転職活動の際の考え方からエージェントの使い方、採用面接の内容、入社後の働き方の実態や、社風、社内の雰囲気までお話ししていただきました。

大手システム会社からリクルートテクノロジーズへ転職

−−−まずはじめに、これまでの経歴を簡単に教えてください。

都内の私立大学を卒業後、大手システム会社に新卒で入社しました。約5年ほど勤めた後、リクルートテクノロジーズに転職しました。


−−−転職のきっかけはなんだったのでしょうか?

前職のシステム会社での給与ややりがいには満足していました。しかし、自分のやりたい事業領域とは異なっていたので転職を考えました。システムを売ったり開発するフェーズだけでなく、実際にビジネスにおいてシステムを何のためにどのように使うのかといった、ビジネスにより近いフェーズに携わりたいと思っていました。


−−−実際に転職活動を始めるにあたって「これだけは譲れない」条件はありましたか?

事業内容と自分のやりたいことがマッチしていること、年収が前職より下がらないことの2点が条件でした。ベンチャー企業への就職も考えたのですが、給与の観点から受けませんでした。この条件を満たす企業3社の選考を受け、1社は一次選考で落ち、もう1社は最終面接で辞退しました。リクルートテクノロジーズに決めたのは、最終的には給与面の理由が大きいです。ベンチャー企業も面白そうだったのですが、どうしても給与の観点からやめてしまいました。数少ない譲れない条件で年収(700万円以上)と決めている中で、500万円しか出せないと言われてしまうと、それじゃ無理だわ、と。リクルートテクノロジーズはそういう意味だとバランスが良く、この「譲れない条件」を満たしてくれました。めちゃくちゃ行きたくて行ったというよりは、最終的には総合力で判断したような感じです。


−−−利用していた転職サイトや転職エージェントについて教えてください。

転職サイトは、若手ハイキャリア向けの「AMBI(アンビ)」に登録し、いくつかのエージェントからスカウトを受けていました。しかし最終的には学生時代から知り合いだったエージェントの方のお世話になりました。転職サイトって使ってみるとわかりますが、日々大量のスカウトメールが飛んでくるので、とてもじゃないですが3つ4つも使える感じではありませんでした。AMBIはFacebookの広告か何かでたまたま目にして使い始めただけで、特にこだわりがあったわけではありません。


−−−エージェント選びで重要なことを教えてください。

エージェントは慎重に選ぶべきです。エージェントの仕事は、企業に対して人材を紹介し、その人材が実際に採用されると報酬が発生する仕組みになっています。ここで、エージェントが手っ取り早く稼ぐため、優秀な人材を人気の低い企業に送り込んでしまう可能性も排除できません。売上だけ考えて、転職者の思いを無視するようなエージェントには十分気をつけてください。実際、私が前職と同じ給与水準を保ちたいと言っているにも関わらず、「ご自身の成長のため」と主張して、低賃金のベンチャー企業を執拗に勧めてくるエージェントがいました。

自分の希望や条件(例えば、給料・業務内容・職場環境など)をきちんと整理し、受け止めてくれるかどうかが肝心です。


−−−転職活動はどれくらいの期間していましたか?

のんびり気軽にやっていたほうだと思います。まずは転職サイトに登録し、事業会社のIT関連のプロジェクトマネジャー職や、IT戦略に携わる職を探し始めました。それから3ヶ月後くらいにリクルートテクノロジーズに出願し、一次面接から内定をいただくまでが約3ヶ月。内定をいただいた翌月に内定承諾し、転職活動は終了しました。転職サイトに登録してから転職活動が終了するまで約半年くらいですね。

リクルートテクノロジーズの選考フローと面接の内容

−−−リクルートテクノロジーズの選考のフローを教えてください。

リクルートテクノロジーズでは、「開発ディレクション」という職種に応募しました。選考フローは、エントリーシート提出とSPI受験、そして二度の面接でした。SPIに関してはある日突然電話が掛かってきて、翌日受験するよう言われました。準備せず受けたので結果はひどかったと思います。でも先方も準備時間がなかったことを理解していたので、特に支障はありませんでした。


−−−面接ではどのようなことを聞かれましたか?

基本的には、前職での経験についてだけを聞かれました。大規模なプロジェクトを損失なくマネジメントした、ということを伝えました。新卒採用と違い、中途採用はポテンシャルより経歴重視です。なのでおそらく提出した書類に記載していた経歴だけで、合否は決まっていたと思います。

面接中は時間が限られているので、仕事内容を端的に分かり易く伝えるため言葉選びに気をつけました。


−−−経歴だけで合否が決まっていたとのことですが、ご自身では他に何か評価された点はあったかと思いますか?

面接後に、ハキハキと話すところが良かったと言われました。意外なコメントでしたね。自分自身では前職で培った、大規模プロジェクトのマネジメント能力を評価してもらえていたと思っています。


−−−実際に転職活動をしてみて、大事だと思ったことはありますか?

下手(したて)に出ないことです。新卒では、「御社にどうか入れてください」という気持ちで選考を受けると思います。でも中途採用はそれと違って、自分と企業の意思・希望が合うかどうか、つまりマッチングするかどうかだけの話です。弱腰な姿勢で臨むと損をしてしまうと思います。自分も、もっと給与に関して強気に出ればよかったと思っています。

リクルートテクノロジーズに転職してくる人

−−−リクルートテクノロジーズにはどういう経歴の人が多いですか?

まず、新卒と中途だと、中途の方が多いです。中途のバックグラウンドとしては、大きく2パターンです。ひとつは、NRI(野村総合研究所)やNTTデータなど大手システム会社で大プロジェクト推進に関わっていた人。もうひとつはベンチャー企業でゴリゴリ開発していた人です。リクルートテクノロジーは今、規模を拡大するためにたくさん雇用しているので中途人材は増加中です。


−−−そんなバックグラウンドの中でも、どういう志向の人が多いのでしょうか?

全体的に「自分でサービスを創りたい」「起業したい」「独立したい」といった意思を持つ人が多いです。転職に対する抵抗のない人たちばかりなので、会社を辞める人もかなり多いですし、その人々を引き留めることもありません。

リクルートテクノロジーズの業務内容や残業の実態、年収・評価制度

−−−リクルートテクノロジーズの業務内容について教えてください。

リクルートテクノロジーズは企画と開発で分かれています。私は開発ディレクションという職種で開発の仕事をしています。リクルートテクノロジーズはリクルートグループの全カンパニーに横断的に関わりサポートしているので、出向が多く、私も出向先の主力サービスに従事しています。開発職ではありますが、以前からやってみたかったビジネスサイドで「そもそもこのプロジェクトをやるべきか」「どのような規模でやるか」を考え、実際に仕事しています。


−−−リクルートグループの他のカンパニーと比較した時のリクルートテクノロジーズの特徴や違いはありますか?

これは非常に難しい質問ですね。

今お話ししたように、リクルートテクノロジーズはリクルートグループの組織横断の機能組織なので、実際は各事業会社に潜り込んで仕事をすることになります。私自身もリクルートマーケティングパートナーズと一緒に仕事をしており、実際にはリクルートマーケティングパートナーズの社員としての肩書きも持っています、ここで色々なパラドックスが生まれます。一つは、仕事上のレポートラインが二つ存在するということです。携わっているプロダクトに関する報告や決済はリクルートマーケティングパートナーズ側の役員に上げる必要がある一方で、大型システム投資などのシステム開発的な話はリクルートテクノロジーズの役員に報告する必要があり、レポートラインが複雑です。体制図って基本的には三角形になると思うのですが、リクルートの場合は真面目に体制図を書こうとすると砂時計みたいな形になります。上にいくほど関係者が増え、まったくモノが決まりません。おそらく、分社化の一番の弊害となっているように感じます。もう一つが、普段はリクルートマーケティングパートナーズで仕事をしているのに評価はリクルートテクノロジーズで行われるということです。普段は、リクルートテクノロジーズではほぼ活動していないのに、評価の時だけはリクルートテクノロジーズ内で行われます、「そんなんでまともな評価ができるのだろうか?」といつも疑問に思っています。

ちょっと質問から逸れてしまいましたが、「他のカンパニーと比較して」ということだと、リクルートテクノロジーズは他カンパニーと一緒に仕事をすることが多いので、他カンパニーのいろんな文化が融合している感じです。そういったこともあり、「技術集団」であること以外にはこれといった文化はない、というのが正しい表現な気がします。


−−−残業の有無など、働き方について教えてください。

電通での事件以降、働き方の見直しが急速に進んでいます。残業規制も厳しくなっているので誰にとっても働きやすい環境であると思います。もちろん個人差もあるのですが、毎日定時に上がり、週末は趣味に没頭しているような人もいます。残業がまったくないということはなく、残業している社員もいます。いずれにしても、最低限の仕事ができていれば誰にとっても働きやすい環境です。


−−−給与や評価制度について教えてください。

リクルートの給与はミッショングレード制という制度で決まっています。

半年毎に人事考課があり、面接形式で半年を振り返り、昇格・昇給が決まります。リクルートは年功序列でなく、仕事で評価される風土なので、例えば30代前半で部長に就任する出世頭もいます。

ただし、営業だと成果を売り上げという数字で判断できますが、エンジニアだと数字で判断するのはほぼ不可能なので、かなり定性的な評価になります。リクルートテクノロジーズが何を元に考課をしているのかは私も知りたいくらいです。今まで評価に対して納得感を持っている人にあまり出会ったことがありません(笑)。


−−−リクルートというと数字で評価される「営業」的な面をイメージしやすいのですが、ずいぶん違うんですね。

営業は違うかもしれませんが、企業文化が意外とウェットです。今お話ししたように、企画・開発は営業のように成果を定量的に表すのが難しい側面があるので、定性的に評価されることが多いです。その定性項目の中に「人柄」みたいなものも入っているのかもしれません。ただ優しいだけの人がGMだったりすることも多いように感じます。

一方で良い面もあると思っていて、営業の数字だけで評価するような会社ってどうしても人材が金太郎飴(どこを切っても似たような人が出てくる)になりがちですが、私が知っているリクルートはその点、バラエティに富んだ人材が多いと思っています。


−−−本日はありがとうございました。


参考:

株式会社リクルートの資産データ一覧|OpenMoney

株式会社リクルートテクノロジーズの資産データ一覧|OpenMoney


参考記事:

リクルート社員の年収・資産データからリアルなお金事情を分析

リクルートへの転職を考えるなら知っておきたいこと【年収・各社の特徴・求める人材まで】


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