2021/01/19
日系大手からリクルートへの第二新卒での転職【リクルート住まいカンパニーへの転職者インタビュー】
第二新卒で日系大手企業からリクルート住まいカンパニーへ転職した方へのインタビュー記事。第二新卒でのリクルート住まいカンパニーに転職活動の際の考え方からエージェントの使い方、採用面接の内容、リクルート住まいカンパニーの年収や昇進イメージ、会社の雰囲気まで幅広くうかがいました。
日系大手企業を2年半で退職
−−−はじめに、これまでの経歴を含めて簡単に自己紹介をお願いします。
早稲田大学を卒業した後、新卒で日系大手鉄道会社に入社し、主に新興国の街づくりに関わりました。地方出身で、大学進学で上京した際に東京と地方の格差に愕然としたことや、大学を休学して全国行脚した経験などから、もともと地域活性化に貢献したいと思っていたため、就職活動でははじめからディベロッパーや鉄道会社を中心に見ていました。
−−−もともとやりたかったことができる企業へ就職できたと思うのですが、なぜ2年半という短い期間で転職を決意したのでしょうか?
第一に、社風が合わなかったからです。ザ・日系企業という社風で、社内の調整に手間がかかることにもどかしさを感じていました。年功序列で、実績が給与にもほとんど反映されず、20代で"美味しい思い"をすることもできないと思いました。第二に、財務・経理を担当していたのですが、その他の職種へ変更できなかったことも理由です。
もともと入社時からひとつの企業に留まるつもりはなく、会社や他者に依存せず、個人の力を伸ばせる環境を常に求めていました。なので転職への躊躇はなく、2年半ほどで退職しました。
−−−「ザ・日系企業」であり、退職される方、それも第二新卒で転職するような方はほとんどいないイメージですが。
終身雇用が大前提でほとんど転職する人のいない会社だったので、転職は否定されうる環境でした。転職活動中は、上司に見つからないよう細心の注意を払っていました。面接を受ける日の有給を取るために、旅行しますと嘘をついてネット通販で当地のお土産を用意したり色々気をつかいましたね。
第二新卒でリクルート住まいカンパニーへ転職
−−−転職活動について教えてください。どのような基準で企業選びをしていましたか?
・若い人も裁量権が大きく、どんな環境でも通用する力を身につけられる。
・地域活性に繋がる仕事内容。
・実際にOBが活躍している。
という軸で企業選びをしていました。
「どこにいっても通用するようなビジネススキルの基礎」を身につけたいと思っていたので、卒業生が活躍している企業は、汎用性のあるスキルが学べる企業なのではないかと考え、リクルートグループやコンサルティングファームを見ていました。
−−−具体的にはどのような企業を見ていましたか?
リクルートグループでは、リクルート住まいカンパニーの他は、リクルートライフスタイルの選考を受けました。「じゃらん」に関わることで地方の観光業を支える仕事ができると考えたからです。コンサルティングファームでは、三菱リサーチ&コンサルティングの選考を受けました。これは特段理由はなく、そのタイミングで募集していたというのが大きいです。最終的にリクルート住まいカンパニーを選んだのは、地域活性・不動産というもともと関心がある領域で働けて、なおかつ裁量権があると考えたからです。
−−−利用していた転職エージェントや転職サイトについて教えてください。
転職エージェントはリクルートエージェントを使っていました。dodaも申し込んで面談にも行ったのですが、エージェントが自分より年下で頼りない印象を受けたので、それ以降はリクルートエージェントだけにしました。リクルートエージェントが良い、というよりは担当のエージェントとウマがあったのがリクルートエージェントを選んだ理由です。
また就職・転職の口コミサイトVorkers(編集部注:OpenWorkが現在の正式サービス名)は今でも毎日見るぐらいの勢いで見ています。何かひとつwebサイトをすすめるならVorkersですね。Vorkersなしに日本で転職活動するのはありえない、といえるくらい素晴らしいサービスだと思います。
−−−第二新卒だから有利・不利と感じたことはありましたか?
25歳で転職するという場合、業種を変えてもあまり不利なことはないと感じました。とはいっても、前職で同じ職種であったり、類似の仕事をしていることは少しはアピールにはなるかもしれません。もちろんこれが30歳、35歳となれば話は別だと思いますが。そういう意味では、業種を変える場合は、若い方(第二新卒)が有利かもしれませんね。一方で、例えば新卒で入社後半年で転職するなどといった、あまりに短期での転職だと懸念されるかもしれません。
−−−転職活動はどれくらいの期間行っていたのですか?
新卒で入社してからずっと転職は視野に入れていましたが、実際に面接を受けたのは2ヶ月程度です。
−−−転職エージェントに登録すること以外で何か行っていたことはありますか?
Facebookで知り合いになっている社員に会いました。これには2つ理由があります。ひとつは、その企業に自分と近い思考の人がいるかどうか確かめられることです。自由で時間に余裕のあった学生時代には、たくさんの人に出会いました。自分に向いている企業というのは、自分と似た価値観の人がいる企業であると考え、自分と似た価値観の人であればこれまでの人生でご縁があったはずだろうと考えました。その理論で、自分に向いている企業であれば、1人くらいは知り合いがいるものだと考え、逆に1人も知り合いがいなければ、自分と似た人がいないと判断しました。もうひとつの理由が、自分自身の興味・やる気を再確認できるということです。休日にわざわざ行動を起こして話を聞きに行くことで、自分自身の興味・やる気を確信することができます。自分にとって今回の転職は単に場所を変えるだけでなく、さらに良い環境を求める「攻め」の転職だったので、実際に足を運ぼうと思えた知り合いがいた企業にだけ応募し、そうでない企業は受けませんでした。
−−−珍しい考え方だと思います。他にも行っていたことはありますか?
常に記録を残し、整理していました。記録を残すことで、例えば一次面接と二次面接の期間があいたときに以前自分が何を話していたのか振り返ることができます。
また、複数企業の比較表を作りました。企業の給与待遇・勤務地・業務内容・社風などの項目をそれぞれ点数化し、各企業の合計点を出し、それをもとに転職を判断しました。
リクルート住まいカンパニーの選考フローと面接の内容
−−−リクルート住まいカンパニーの選考フローを教えてください。
エントリーシートとSPI、面接です。1日で説明会と人事面談があり、後日役員面接が2回ありました。私の場合、役員2人のうち1人が〇、1人が△だったので、最後に社長とも面談しました。
−−−面接ではどのようなことを聞かれましたか?
すべて会話形式でのやりとりで、一問一答ではありませんでした。「新卒のときの就活の軸」「いつ転職を始めたのか」「実際に社員と話してみて心に響いたこと」「これまででやってきた一番大きな仕事」「仕事で楽しかったこと・悔しかったこと」などを聞かれました。そして逆質問です。
第二新卒だったので、これまでの経歴よりもポテンシャルに重きを置いてみられていたと思います。
−−−ご自身では何が評価されたと思っていますか?
実際に社員から生の情報を聞いていたことだと思います。リクルート住まいカンパニーの社員には2名に直接会って話を聞いていました。本気度や志望度の高さを示すことができましたし、自分の話に説得力や重みが出たと思います。
リクルート住まいカンパニーに転職してくる人
−−−どういう人がリクルート住まいカンパニーに転職してくるのでしょうか?
新卒と中途の人数でいうと、中途の方が多いです。中途は旭化成などの素材メーカーや積水ハウスなどの住宅メーカー出身の人や、証券会社で営業をしていた人などが多いです。新卒はリクルート側からの思いも強く、いわゆる「リクルートっぽい」人ばかりなので出世に有利そうだなという感じはしました。
リクルート住まいカンパニーからの転職先
−−−リクルート住まいカンパニーから他社に転職していく人はどんな人がいるのでしょうか?
住まいカンパニーを辞めていく人はベンチャー企業や建設・不動産業界、広告系IT企業に行くことが多いです。その他にもマッキンゼーやGoogleなどの外資系企業に行く人、地方の中小企業に幹部として転職する人などもいます。日系大手に行く人はあまりいない印象です。それから意外と起業する人も少ないです。
リクルート住まいカンパニーの業務内容や社風、働き方・残業の実態
−−−リクルート住まいカンパニーの業務内容について教えてください。
リクルート住まいカンパニーは、営業・ネットビジネス(IT系担当)・企画(戦略担当)の3職種があり、私は営業でした。地方都市に配属され、毎月50〜60店舗の不動産屋さんに出向き、SUUMOのインターネット広告営業をしたり、ネット上の宣伝文を不動産屋さんと一緒に考えるようなサポート業をしていました。
−−−職場の男女比や残業の有無、雰囲気などを教えてください。
男女比は7:3でした。残業にも厳しくなってきているので、平均勤務時間は9:30〜20:00でした。前職よりもずっと裁量権は大きく、上司から逐一許可をもらう必要なく自分で判断し行動できて、とても自由でした。でも放任主義という訳ではなく、マネージャーはいつも部下の「スタンス(=仕事への誠実さなどの態度)」を見てくれます。仮に営業成績が伸び悩んでも、スタンスを見て評価してもらえます。ただこのスタンスって、定義が曖昧なので使いようによっては怖いですね。
−−−他カンパニーとの接点はありましたか?カンパニーごとの雰囲気の違いもあるのでしょうか?
地方に配属されていた時は、リクルートの色々なカンパニーが一つのビルに集結していたので、他カンパニーの同級生で飲み会をするなど交流がありました。でも東京に戻ってくるとカンパニー間の交流はありませんでした。
リクルートグループの中でも、リクルート住まいカンパニー・リクルートキャリアのエージェント・リクルートスタッフィング、リクルートマネジメントソリューションズは落ち着いた雰囲気だと思います。特にリクルートキャリアのエージェント部門は、対象顧客がある程度の経験者であるため社員も年齢の高い人が多い印象です。リクルートスタッフィングは女性社員が多く、マイルドな環境と聞きました。リクルートマネジメントソリューションズは人に研修をする立場なので、やはりある程度の年齢層の人が多いですね。
反対に元気でキラキラしているのは、リクルートジョブズやリクルートライフスタイルです。リクルートジョブズが扱っているタウンワークはサイクルが週単位なので若くてドンドン新規営業できるような短距離走者タイプが多いです。リクルートライフスタイルも同様に20代が多く、頭より足!というような勢いを感じます。
リクルート住まいカンパニーの年収・評価制度
−−−リクルート住まいカンパニーの給与テーブルや年収イメージについて教えてください。
他カンパニーと同様のミッショングレード制度です。私は第二新卒で入ったのでグレード3で、年収でいうと550〜650万円くらいです。グレードが1上がると100万円ずつ増えていくイメージです。また、同じグレードでもボーナスの振れ幅が非常に大きく、1年で100万円近くの差が生まれることもまちまちです。
−−−ボーナスの他にもインセンティブ制度やグループ全体の制度などもあると聞きました。
6月と12月に支給されるボーナスの他に、インセンティブとGIB(Goal in Bonus)という制度があります。インセンティブは売上目標(=ノルマ)を達成すれば支給されるもので、毎月の達成で1万円、クオーターの達成で5万円、年間最大で32万円支給されます。GIBは会社全体として目標としていた営業利益を達成すれば、全社員に5月頃に10万円が支給されるものです。私は3年半勤めましたが、GIBの目標が達成されなかったのは1回だけです。
また、給料とは直接関係はないですが、「ベストプラクティスコンテスト」といって、リクルートグループ全体で、業績とその取り組みの仕方が秀逸だった人を表彰する制度があります。各カンパニーでの予選後、グループ全体での優秀者を決めます。褒める文化がありますし、目立ちたがりの人がのびのびと働ける環境になっています。
他にも、リクルートグループ全体では、「RING(リング)」という新規事業向けのビジネスコンテストもあります。直近で有名なものだと、スタディサプリがこの「RING(リング)」から事業化していますね。
−−−リクルート住まいカンパニーで高い評価を受ける人はどのような人ですか?
リクルート住まいカンパニーには、本気でお客さんのためになることをしよう、というクライアントファーストの精神があります。自分たちの利益優先ではなくあくまでwin-winの関係を築くことを目標としているので、お客さんのことをとにかくよく考えている人が高評価を受けていると思います。
リクルート住まいカンパニーからメガベンチャーへ
−−−リクルート住まいカンパニーでは3年半勤められた後、メガベンチャーへ転職されたんですよね。なぜリクルート住まいカンパニーを退職されたのか教えていただけますか?
理由はいくつかあります。まず、リクルートは20代でビジネスの基礎力をつける環境としてはとても良かったと思っています。働き方の面でも、昔のリクルートと比べ、格段に労働時間も減っており、ワークライフバランス観点でも働きやすくなっていました。ただ、住まいカンパニーの正社員の営業は、札幌から福岡まで全国転勤の可能性が常にありえます。もちろん地方配属になれば福利厚生も厚く家賃補助や交通費補助もあります。ただ出入りの激しい会社なので一年足らずで転勤を強いられることも度々あるのが実態です。私はSUUMOの営業をしていましたが、編集業務もやってみたいと思うようになりました。しかしなかなか希望は通らず、部署を異動することは難しそうでした。営業の仕事を数年間経験し、一定のレベルでやりきったという思いもありました。社内の雰囲気でいうと、リクルートの若くて元気なノリも良かったのですが、30歳前後の年齢で、もう少し大人な環境に移ってもよいかな、と考え始めていました。
そういった状況で転職活動をする中で、メガベンチャーからオファーをいただきました。ベースの給与が上がることや、転勤の有無、業務内容を踏まえると、メガベンチャーに移るほうがリクルートに残るよりメリットが多いと感じ、転職を決断しました。
−−−最後に、今後のご自身のキャリアプランについて教えてください。
「面白いと思える仕事が目の前に現れたときに、いつでもその仕事に飛び込める状態」を目指したい、と常に思っています。そのためには、自分で仕事や会社を選べるだけの力をつけておくことが大事だと考えます。
これからの時代の安定とは、「経営が安定している組織でずっと働き続けること」ではなく、「どこに行っても自分で稼げる力をつけられている」ことだと思います。
だからこそ、引き続き、その組織でしか通用しないスキルではなく、持ち運び可能なパーソナルスキルを高めていくのが直近の目標ですね。その意味で、適度に入社退社があり、活躍する卒業生を多く輩出している会社こそが、今の時代で若者時代を過ごす上でベストな選択ではないか、と考えています。
これからますます働き方がプロジェクトベースに近づくにあたって、いかに個人としての戦闘力を高められるか、ということを意識して働いていきたいと思っています。
−−−本日はありがとうございました。
参考:
株式会社リクルート住まいカンパニーの資産データ一覧|OpenMoney
参考記事:
『リクルート社員の年収・資産データからリアルなお金事情を分析』
『リクルートへの転職を考えるなら知っておきたいこと【年収・各社の特徴・求める人材まで】』