2021/08/07

不動産投資は新築と中古のどちらが良いのか?メリット・デメリットや違いを比較

区分マンションや一棟アパート、一戸建てなど不動産投資を検討する際に、新築と中古どちらが良いのかというのは悩むところです。この記事では不動産投資全体における新築と中古それぞれのメリットとデメリットや違いを詳しく比較しながら、利回りの違いや運用にあたっての注意すべきポイントまで解説します。

不動産投資とは

不動産投資とは、不動産物件を購入して第三者に貸し出し、家賃や売却益を利益として受け取る投資方法のことです。主にワンルームマンション、アパート、一軒家など実物の不動産を購入して大家となり貸し出す形の「現物不動産投資」のことを指します。本記事では、現物不動産投資を始めるにあたり新築物件と中古物件のそれぞれのメリット・デメリットや注意点を解説します。


参考記事:

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新築不動産投資のメリット

長期の融資が期待できる

新築物件の場合、35年などの長期ローンを組みやすいというメリットがあります。融資を行う金融機関は、建物の築年数によってローンの融資期間(借入期間)をある程度決めています。つまり、築年数が浅ければその分だけ返済期間を長く設定することが可能になるということです。不動産投資ローンでは、ローン期間が長くなるほど毎月の返済額が少なくなります。その分キャッシュフローが多くなり、余裕のある運用ができる可能性が高くなるのが新築不動産のメリットです。

※個人の属性により、必ずしも希望の年数・金額でローンを組めるわけではありませんので注意してください。

設備・耐震などが最新

新築物件の場合、設備や耐震などが最新なので人気が出やすく、結果として天災リスクにも強くなるのも新築不動産投資のメリットです。近年の物件設備で人気なのは、TVモニター付インターフォン、宅配ボックス、浴室乾燥機、ウォークインクローゼット、スマートキーなど。人気の設備があることで入居者を呼び込みやすくなり、入居者の満足度も上がりやすい傾向があります。

耐震基準に関しても、新築不動産であれば間違いなく新耐震基準に沿って作られていますので、東日本大震災規模の大地震が起こったときにも建物の損壊・倒壊の危険性が少なくて済むのは新築不動産のメリットです。

新築プレミアムの賃料設定ができる

新築物件は、通常の相場家賃価格よりだいたい3~7%ほど高い家賃が設定されていることが多いです。これを新築プレミアムと言い、その賃料で入居者が決まり長く住んでもらえれば高い利回りのまま運用が行えるというメリットがあります。特に災害リスクの高い日本では「少し高くても新築に住みたい」という思考の人が多くいますので、中古物件と比べて家賃が高くても入居者は決まりやすい傾向があります。しかし新築プレミアムの家賃設定ができるのは新築時のみなので、もし新築時に入居してくれた人がすぐに退去してしまえば、家賃を大幅に下げなくてはいけないこともあります。新築プレミアムの家賃がずっと続く前提では考えない方がよいでしょう。

維持コストが安い

新築物件は、設備が最新のため修繕費用などが基本的にはかかりません。購入後の維持コストが安く済むのは新築物件のメリットです。しかし、いくら新築物件と言えど数年が経過すると設備に不具合が出て交換する必要が出てきたりするということは起こりえます。維持コストを低く見積もりすぎず、突発的な支出がいつ起こっても良いように準備はしておきましょう。

仲介手数料がかからない

通常、不動産仲介会社を使いマンションを購入する場合は仲介手数料がかかります。しかし新築ディベロッパーから新築物件を購入する場合は仲介手数料がかかりません。2,000万円ほどの物件だと仲介手数料は50~80万円ほどかかりますので、その金額がかからないのは新築物件のメリットです。ただこの仲介手数料は会社によってかなり幅があり、中古物件でも手数料無料という会社も中にはありますので、契約の際は内容をよく確認しましょう。

瑕疵担保責任(契約不適合責任)がある

新築の住宅には10年間の瑕疵担保責任(契約不適合責任)があります。この保証は今まで「瑕疵担保責任」と呼ばれていましたが、2020年4月に改正民放が施行され、「契約不適合責任」という名称になりました。「契約不適合責任」とは、契約において売主や請負人が相手側に引き渡した物がその種類や品質、数や量について「契約内容に適合していない」と判断された場合、売主や請負人は相手に対して「責任」が発生するということです。簡単に言うと、物件の売買の際に交わす売買契約書に記載されていない欠陥が発覚した場合は、売主に対して10年間保証してもらえます。新築ではほぼありえませんが、例えば物件購入後に雨漏りが見つかった場合は、10年間は売主のお金で直してもらえるということです。この保証があることで、新築物件は購入後に何かトラブルがあっても安心感があります。

新築不動産投資のデメリット

物件価格が高い(利回りが低い)

中古物件であれば数百万円~購入可能な物件もありますが、新築は物件価格が高く、その分利回りが低くなりやすいのはデメリットです。同じ立地の物件でも、新築の場合中古よりも1割~2割ほど価格が高いことが多いようです。しかしその分家賃を高く設定しても入居者が決まりやすかったり、その後の維持費用は安く済んだりするので物件価格が高いからといって一概にデメリットであるとは言えません。

中古不動産投資のメリット

物件価格が安い(利回りが高い)

中古物件は新築と比べると物件価格が安く、利回りが高くなりやすいのがメリットの一つです。中古の場合は販売価格は元オーナーが決めますので、とにかく早く売りたいという場合など新築ではありえない安価で手に入ることもあります。ただ、価格が安いのはメリットですが大幅な修繕が必要で貸し出せるまでに長い時間がかかってしまう場合もありますので、物件の情報は詳細までチェックしてから検討するようにしましょう。

賃料が大きく下がることがない

家賃は物件の築年数が上がっていくにつれ下がる傾向がありますが、中古物件(特に築20年以上)の場合は毎年の家賃下落率がほぼ横ばいで、大きく下がることがないというデータがあります。築浅の物件は年々下落率を気にしながら運用を行わなくてはいけませんが、中古物件の場合家賃収入がほぼ一定しているので安定した収入が得られるというメリットがあります。

オーナーチェンジの場合、入居者を探す手間が省ける

中古物件の場合、オーナーチェンジと言ってすでに入居者がいる状態で売りに出されていることがあります。その場合、新たに入居者を探す必要がなく購入後すぐに家賃収入を得ることができるというメリットがあります。また、オーナーチェンジ物件の場合不動産投資ローンを組む場合にも家賃収入がきちんと入る収益性の高い物件と判断され、融資の審査が通りやすい傾向があるというのも大きなメリットです。ただ、オーナーチェンジ物件の場合事前に内見することが難しいため、物件内に問題があっても把握しにくいという点もあります。前オーナーからよく引継ぎを受け、思っていた物件と違ったということが起こらないように注意しましょう。

中古不動産投資のデメリット

長期間の融資を受けることが難しい

不動産投資ローンの融資期間は、基本的に建物の法定耐用年数が最長の返済期間となります。中古の場合、法定耐用年数から築年数を引いた「残存期間」が融資期間の目安となるため、長期間のローンを組むことが難しいのが中古物件のデメリットの一つです。建物の法定耐用年数は以下図のように決まっており、例えば築20年の中古物件を購入するなら、木造アパートであれば残存2年、RCのマンションは27年が組めるローン期間の目安となります。

物件の材質 法定耐用年数
木造 22年
軽量鉄骨 27年
重量鉄骨 34年
鉄筋コンクリート(RC) 47年

仲介手数料がかかる

中古物件を購入する際、多くの場合は不動産仲介会社を介して購入します。新築物件でディベロッパーから購入する場合は仲介手数料がかからないのですが、不動産仲介会社を通して中古物件を購入する場合仲介手数料がかかってしまうのも中古物件のデメリットです。

不動産仲介会社を通して購入する中古物件の場合は最大で以下の仲介手数料がかかります。

※中古物件を買取再販業者から購入する場合は、仲介手数料は発生しません。ただし、業者の利益分は当然上乗せされていることになります。


【不動産仲介手数料の上限】

物件価格が200万円以下の部分:仲介手数料上限5%

売買価格(税込)が200万円を超える部分〜400万円まで:仲介手数料上限4%

売買価格(税込)が400万円を超える部分〜:仲介手数料上限3%


※例えば物件価格が1,000万円の場合

200万円以下の部分 

…200万円×5%=10万円+消費税で11万円

200万円超400万円以下の部分 

…200万円×4%=8万円+消費税で8万8千円

400万円超の部分

…600万円×3%=18万円 +消費税で19万8千円

→合計39万6千円が仲介手数料の上限となります。


あくまで上記は上限金額なので、それよりも安い手数料を提示している会社もあります。中古物件を検討する場合は仲介手数料の金額もしっかり確認しておきましょう。

瑕疵担保責任(契約不適合責任)がないことが多い

新築不動産投資のメリットで明記したように、新築物件には契約不適合責任が10年間ついています。しかし中古物件の場合、契約不適合責任は当事者同士の特約により免責とすることができます。そのため、売主が一般の投資家等の中古物件の売買は、売主の契約不適合責任を免責とする特約が売買条件につけられている場合が多く、その場合建物に何か欠陥が見つかった場合でも契約不適合責任が適用されません。保証がついている場合でも数か月~数年の場合が多く、新築物件よりも条件は悪いことが多いです。中古住宅はその分価格が安くなっているのですが、保証制度がないことが多いというのは知っておきましょう。また、この部分もそれぞれの売主ごとに契約内容は異なりますので、事前によく確認するようにしましょう。

維持コストがかかる

中古物件は、新築物件と比べて維持コストが高くつく傾向があります。経年劣化により建物の設備などが消耗していることが多いため、修理にかかる費用が高くなるからです。また、中古の物件は修理の際に使用されている部品がすでに廃盤になっていることも多く、修理費用がさらにかさむことも多いようです。中古物件は物件の価格自体は安価ですが、その後発生する費用が多くなることを認識しておく必要があります。

空室リスクが高い

中古物件は新築物件と比べると、空室リスクが高いと言われています。設備が古い、セキュリティ面に不安がある等の理由で中古物件を選択肢に入れず新築物件を好む人が一定数いるため、中古物件は空室期間が長くなりやすい傾向があります。もちろん、適切な家賃設定や物件管理で空室リスクを低くすることはできますが、総務省統計局の「住宅土地統計調査(平成30年度)」によると、賃貸住宅のうち空室が455万戸と年々増加しており、今後も人口の減少に伴い空室戸数は増えることが予測されているため、新築か中古かに関わらず空室リスクを減らす努力は絶対に必要だと言えるでしょう。

参考:総務省統計局:住宅・土地統計調査 調査の結果

災害リスクが高い

中古物件は災害リスクが高いのもデメリットです。特に、1981年以前に建てられた物件は旧耐震基準で建築されているので、大地震等の災害時に倒壊等の危険性が高くあまりおすすめできません。この旧耐震基準というのは細かく言うと建築確認日が1981(昭和56)年5月31日までの物件のことを言い、竣工日とは異なり「建築確認日」=「建築確認申請が受理された日」が基準となります。古めの中古物件を選ぶ際には、建築確認日も意識して確認するようにしましょう。

新築と中古の比較図

不動産投資における新築と中古の違いをまとめると以下のようになります。

項目 新築 中古
物件価格 高い 新築より2割~4割ほど安い
利回り 低い 高い
仲介手数料 購入手数料がかからない 仲介業者を利用した場合、物件価格×3%+6万円が上限でかかる
賃料価格 高く設定できる 築年数が経過するほど賃料は低くなる
ローン 組めるローン期間が長い(最長35年) 組めるローン期間が短くなりやすい
償却期間 減価償却期間が長い 減価償却期間が短い
設備・耐震性 最新 修繕が必要な場合も(1981年以前の物件は旧耐震のため要注意)
維持コスト 修繕費が少ない 設備の故障、大規模修繕などの修繕費がかかることがある
瑕疵担保責任(契約不適合責任) 保証期間が10年ある 保証期間は0~1年程度であることが多い

それぞれのメリット・デメリットを理解しよう

不動産投資の新築物件・中古物件それぞれのメリット・デメリットを解説しました。新築・中古というくくりに関わらず物件によって事情が異なることもありますので、購入を検討する場合は細部までよく確認するようにしましょう。

監修者コメント

不動産投資を考え始めると、「新築が良い」という意見も「中古が良い」という意見も両方耳にする機会があると思います。

当たり前ですがどちらの投資にもメリット、デメリットがあり、自分の状況と投資目的を鑑みて選択を行う必要があります。

例えば、手元資金がまだ潤沢にないタイミングで中古不動産投資をスタートすると、修繕費がいきなりかかって困る場合もあるので、不向きな可能性が高いです。

また、たくさんの物件から立地や条件にこだわって選びたいのであれば、絶対数が少ない新築不動産投資には向いていないかもしれません。

老後資産目的だと築0年からスタート出来る新築不動産投資が合う可能性が高いですし、中期的に売却を考えるのであれば、価値と価格のバランスが良い中古物件を希望条件を決めて探すのが向いていそうです。

不動産投資は優れた投資手法ですが、資産形成において「誰にとっても良いもの」は存在しません。目的を決めて、信頼できるアドバイザーと一緒に、人生のプラスになる不動産投資に取り組んでいただければ幸いです。

監修者:ゆーいちろー

野村證券出身の外資系保険会社最年少エグゼクティブ。125万人いる保険セールスの中で130名(上位0.1%)のみが選ばれる2021年度TOT(トップ・オブ・ザ・テーブル)に選出。20代・30代の年収500万円以上の方が老後1億円をシンプルに達成するための株式・投資信託・生命保険・不動産投資等を組み合わせた資産形成の支援を得意としている。

※勤務先の規定により、本記事では本名と所属会社名を伏せています。

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