2022/04/19

中古ワンルーム投資で失敗する7のパターンと成功率を上げるための3つのポイント

中古ワンルームマンションで不動産投資を行う際のありがちな失敗パターンと、成功率を上げるためのポイントについて解説します。物件価格が安く、新築と比べて利回りも高い中古ワンルーム投資は不動産投資初心者にも人気です。投資の成功率を上げるために、よくある失敗パターンを学んで活かしていきましょう。

中古ワンルーム投資とは

ワンルームマンション投資とは、不動産投資の中でもワンルームマンションを区分(1部屋単位)で購入し、賃貸に出す投資方法です。ワンルームマンションの定義とは居室が1つで主にユニットバス・トイレがあり、ミニキッチンが配置されたタイプの部屋があるマンションのことです。間取りとしては1R、1K、1DK、1LDKの4種類があり、一般的なワンルームは1部屋全体で約20㎡(約12畳)程度で単身者が快適に住めるようになっています。本記事では中古に限定したワンルームマンション投資のありがちな失敗パターンと、成功率を上げるためのポイントを解説します。

参考記事:『ワンルームマンション投資は新築と中古のどちらが良いのか?気をつけるポイントを比較

中古ワンルーム投資で失敗する7のパターン

1. 安すぎる物件を選んでしまった

中古ワンルームマンションは物件価格の安さが魅力ですが、周辺相場と比べて安すぎる物件には注意が必要です。安すぎる物件は老朽化が激しかったり、心理的瑕疵物件(事故物件)の可能性があるなど入居者がつきにくい理由が隠れている場合があります。そのような物件を選んでしまうと、いくら物件価格が安くてもいつまでも入居者が入らず結局赤字が続くということになりかねません。価格だけで判断するのではなく、周辺相場や環境を調べ、安すぎる要因がないか必ず確認するようにしましょう。

2. 信頼できない不動産会社・管理会社に頼んでしまった

これは中古ワンルームマンション投資に限らない話ですが、信頼できない不動産会社や管理会社にお願いしてしまうと相場より高い物件を提案されたり、不利なサブリース契約を結んでしまったりと失敗する確率が格段に高くなってしまいます。レスポンスが早いかどうか、こちらの要望に寄り添ってくれるかどうか、オーナーに不利なこともきちんと伝えてくれるかどうかなどの点を見ながら、信頼できる業者をパートナーとして選ぶようにしましょう。

3. 大規模修繕のタイミングを把握していなかった

現在、日本では国土交通省から築12年を目安に1回目の大規模修繕が推奨されており、だいたい11~15年目に第1回の大規模修繕工事を行うマンションが多いようです。12年が推奨されているとはいえタイミングはそれぞれの物件の状況や修繕費の積み立て状況等により異なりますので、物件購入時に大規模修繕のタイミングは必ず確認するようにしましょう。確認していなかったことで、購入後すぐに大規模修繕の予定が入り修繕積立金が大幅に増額されるなどといったことも予想されます。

4. 設備の交換目安を把握していなかった

大規模修繕のタイミングと同じく確認しておきたいのが、設備の交換目安です。中古のマンションの場合、複数の設備交換時期が重なることもあり、購入してすぐに数十万単位で設備交換にお金がかかることになってしまったというケースもあります。購入前に部屋の設備交換目安も把握し、資金を残しておくようにしましょう。

確認しておきたい部屋の設備と交換目安の年数は主に以下の通りです。

・エアコン(10~15年)

・照明(8~15年)

・給湯器(10~15年)

・キッチン周り(15~20年)

・トイレ(10~15年)

・洗面所(15~20年)

・網戸(5年~10年)

5. 契約不適合責任(瑕疵担保責任)の内容を確認していなかった

通常、新築の物件には何か問題があった際の保障(契約不適合責任)として10年間の期間が定められています。しかし中古物件の場合、多くは契約書によって保障期間が売買契約締結日から3ヵ月~1年程度に制限されています。中には売主の瑕疵担保責任なし(保障期間なし)となっている契約書もありますので、契約書の内容はよく確認する必要があります。中には悪意のある売主も存在します。契約後に物件の重大な欠陥に気づき多額の費用がかかることになってしまわないよう気をつけましょう。

6. 1981年以前の物件を購入してしまった

基本的に、中古の物件でもきちんと管理が行き届いていれば長期間に渡って運用することは可能です。しかし、1981年以前の物件は旧耐震基準という今よりもかなり緩い基準で建築されており、震度5以上の地震で半壊や全壊などの危険性が高まってしまいます。物件ごとの管理状況により一概には言えないのですが、1981年以前の物件は災害リスクが高まることは認識しておきましょう。1981年以前の建物は旧耐震基準である影響で、かなり安価に販売されていることが多いです。安いからといって購入を決めてしまうと、なかなか入居者が決まらない、管理費用が多くかかるなどで運用が難しくなってしまう場合もあります。旧耐震基準の物件を検討する場合は、特によく管理状況を確認するようにしましょう。

7. 一度も価格交渉をせずに購入してしまった

中古物件は、オーナーに資金が必要になる等の理由で売りに出されることが多いので「少しでも早く成約させたい」と考えている人が多く、新築物件と比べると価格交渉の余地があると言われています。また、最初につけられている物件価格は「これくらいの値段で売れたらいいな」という願望が含まれている場合も多く、実は多くの場合は値下げの余地を含んでいます。中古ワンルームマンションを購入する場合は、一度は価格交渉を試みてみることをおすすめします。

中古ワンルーム投資の成功率を上げるための3つのポイント

1. 利回りだけを見ない

中古ワンルームマンションの場合、10%以上の高利回りの物件を提案されることもあります。新築ワンルームマンションの利回りはだいたい4~6%なので、魅力的な数字に見えるかもしれません。しかし一見利回りが高く見えるのは表面利回りのみで、管理費用等を引いた実質利回りを計算すると10%よりもかなり低くなる場合があります。中古物件の場合購入後にかかってくる管理費用は物件によって大きく異なりますので、表面利回りだけを見て判断するのではなく、事前に購入後にかかるメンテナンス費用をよくシミュレーションしておくようにしましょう。

※表面利回り…年間の家賃収入の総額を、物件価格で割り戻した数字のこと。

※実質利回り…年間の家賃収入から諸経費(管理費や固定資産税など)を差し引いたものを、物件価格に購入時の諸経費(登録免許税など)を足したもので割った数字のこと。

2. 新築だろうと中古だろうと重要なのは賃貸需要の見極め

中古物件は価格の安さが魅力ですが、特にワンルームマンションの場合は立地が良くなければ空室リスクは高くなります。「不動産投資を行う場合、新築と中古はどちらが良いのか」という論争はよく起こりますが、どちらにせよ物件のある場所に賃貸需要があるかどうかが重要であり、その見極めを誤ってしまうと新築だろうと中古だろうと失敗してしまう可能性が非常に高くなります。周辺環境や競合物件の数や家賃等を確認し、その場所に賃貸需要があるのかをしっかり見極めるようにしましょう。

3. なぜそのマンションが手放され中古になっているのかを推測する

中古物件の場合、前オーナーがその物件を手放すには必ず理由があります。立地も良くて価格が安く、設備も良いといったような良い条件のマンションであれば、そもそもオーナーが手放す理由がありません。

1. もっと良い物件を見つけた

2. 急にまとまった資金が必要になった

3. 大規模修繕の前に売りたい

4. 駅から遠く空室リスクが高い

5. 設備が古く、入居者の満足度が低い

6. 周辺に新しい収益マンションが建つため、空室リスクが上がりそう

7. 近隣住民とのトラブルがある

物件を手放す理由には、上記のような種類があります。1~3の理由であれば物件に問題がない可能性がありますが、それ以外の場合は購入しても空室が埋まらない可能性があります。もちろん管理次第で物件の魅力を上げていくことは可能ですが、なぜその中古物件が売られているのかという理由を考えてみると、失敗を防げる可能性が高くなります。

失敗パターンを学んで成功率を上げよう

中古ワンルーム投資で失敗する7のパターンと成功率を上げるための3つのポイントについて解説しました。物件価格が安く魅力的な中古ワンルーム投資ですが、よくポイントを押さえて物件選びをする必要があります。ありがちな失敗パターンを学んで、運用の成功率を高めましょう。

参考記事:『新築ワンルーム投資で失敗する7のパターンと成功率を上げるための3つのポイント

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