2022/03/17

新NISAとは?一般NISAやつみたてNISAとの違いや注意点まで徹底解説

一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAと分かれていた現状のNISA制度(少額投資非課税制度)が、2024年に新しくなります。新しいNISAの制度について、今までの一般NISAやつみたてNISAとの違いからジュニアNISAの廃止についてまでわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

現在のNISA制度と利用状況

「NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)」とは、2014年1月にスタートした個人投資家のための税制優遇制度です。イギリスのISA(Individual Savings Account = 個人貯蓄口座)をモデルに、日本版にアレンジしたISAとして、NISA(Nippon Individual Savings Account)という名前がつけられました。安定的な資産形成の支援を目的に2014年に「一般NISA」が、より長期的で安定的な資産形成の支援を目的に2018年に「つみたてNISA」が、子どもの将来に向けた資産形成のサポートのために2016年に「ジュニアNISA」が導入されています。

一般NISAの非課税投資期間は最長5年間で、非課税金額の上限は年120万円、つみたてNISAの非課税投資期間は最長20年間で、非課税金額の上限は年40万円です。投資対象の商品はつみたてNISAが金融庁が厳選した投資信託と一部のETFに限られているのに対して、一般NISAとジュニアNISAの投資対象の範囲は株式、投資信託、ETF、REITと幅広く設定されているのが特徴です。利用者を見てみると投資初心者にも選びやすい商品が揃っているつみたてNISAは7割が20~40代の若年層なのに対し、一般NISAは7割が50代以上のシニア層となっています。

各NISAの発行口座数(2020年12月末時点)は以下の通りです。

一般NISA つみたてNISA ジュニアNISA
発行口座数

12,211,468

3,028,259

454,614

新しいNISA制度の特徴

2024年から変更となるNISA制度の特徴について解説します。2020年度税制改正にて「家計の安定的な資産形成を支援していく観点から、NISA制度について少額からの積立・分散投資をさらに促進する方向で制度の見直しを行いつつ、口座開設可能期間を延長する」旨が盛り込まれたことにより、大きく2024年からの変更が決まりました。変更になったのは主に以下の3点です。

※本記事では2024年にNISA制度改正の全般についてを「新しいNISA制度」、これまでのいわゆる「一般NISA」の2024年以降の改正後の制度を「新NISA」と表現します。

1. つみたてNISAの制度期限の5年間の延長

つみたてNISAについては、年40万円(20年間で800万円)という非課税金額や選べる商品など制度については今までと変わらず、新規に口座を開設できる期間が2037年から2042年まで5年延長されました。もし2021年からつみたてNISAを利用すると、積み立ての上限額は2021年から2042年までの22年となるため、40万円×22年=880万円となります。

なお、非課税で運用できる期間は最長20年なので、ある時点(例えば、2041年の時点など)において非課税で運用できるのは最大で40万円×20年=800万円までとなります。

2. 一般NISAの期間・制度の変更

一般NISAについては、より多くの人に長期・積立・分散投資を始めるきっかけにしてもらうため、期間と制度がそれぞれ変更になります。

まず、新規口座開設可能期間がつみたてNISAと同じく5年間延長となり、2023年までだったのが2028年までとなります。そして、通称2階建てと呼ばれる制度に変更になり、年間の非課税投資可能額が122万円と今までの120万円より少し増えます。

2階建ての制度とは、以下の通りで1階部分と2階部分で投資できる商品が異なります。

1階部分

1階部分で積み立てられるのは年20万円までで、安定的な資産形成を促す観点から、購入できる商品はつみたてNISAの対象商品のみとなっています。金融庁の厳しい条件をクリアした商品のみが購入可能なので、投資初心者でもリスクの少ない商品を選択しやすくなっています。

※つみたてNISAの対象商品は2021年6月18日時点でインデックス投資信託173本、アクティブ投資信託19本、ETF7本あります。各金融機関によって取り扱っている本数は異なりますので、口座開設の際には金融機関選びに注意しましょう。

2階部分

2階部分で積み立てられるのは年102万円まで、こちらは基本的にいままでの一般NISAと同じ商品(株式、ETF、REIT、その他投資信託など)を購入することができます。(※)1階部分と合わせると年間の非課税投資可能額は122万円と今までより少し多くなり、安定的な少額の積み立てを行う部分と、その他一括購入などを行う部分を分ける形となりました。利用の際は、1階建ての部分の制度を利用して初めて2階建ての部分を利用することができます。ただし、一般NISA口座をすでに持っている人や、株式投資経験者は2階建て部分のみの利用も可能です。2階部分を利用するために1階部分の20万円をすべて使いきる必要はなく、1階部分の一部金額でも利用していれば2階部分の利用が可能です。しかし、1階部分を使い切っていなかったとしても、2階部分の限度額は年間102万円となりますので注意してください。

※現在、長期投資に適さない高レバレッジの商品などは2階部分からも除外対象として検討されているようです。

ロールオーバーについて

ロールオーバーとは現在一般NISAだけに適用されている制度で、一般NISAで5年間運用した商品を翌年(6年目)以降の非課税投資枠に移すことで最大10年間非課税での運用が可能となる制度です。現在一般NISAの口座を持っている人は、2024年の改正に伴い以下3つの方法を取ることができます。

1. 非課税期間中に売却する。

2. 非課税期間終了後に課税口座に移行する。

3. 2024年以降、新NISAへロールオーバーする

3の新NISAへロールオーバーする場合、1階と2階合わせて年間122万円の枠がいっぱいになるまでは非課税での運用を継続することができます。そして新NISAの1階部分で積み立てた商品は、5年間の非課税期間終了後、つみたてNISAにロールオーバーができるようになる見込みです。これによって1階部分の商品は最長で25年間非課税で運用できることになります。

※新NISAの2階部分に関しては、非課税期間は5年間のみでロールオーバーはできない見込みとなっています。

※また、現時点では、「一般NISA」→「新NISA」へのロールオーバーは「時価(ロールオーバーする時の価格)」で行われると言われています。一方、「新NISA(1階部分)」→「つみたてNISA」へのロールオーバーは「簿価(取得原価)」で行われる見込みです。

【現状の一般NISAと新NISAの違い】


一般NISA(これまで)

新NISA(2024年〜)

非課税投資枠

毎年120万円(非課税投資枠は最大600万円)

1階部分:毎年20万円(非課税投資枠は最大100万円)

2階部分:毎年102万円(非課税投資枠は最大510万円)

非課税期間 最長5年間

最長5年間(1階部分は終了後に「つみたてNISA」に移行可能)

口座開設可能期間 2023年まで 2028年まで
投資対象 株式、ETF、REIT、投資信託など

1階部分:つみたてNISAと同じ商品(金融庁が選定した投資信託と一部ETF)

2階部分:株式、ETF、REIT、その他投資信託など(高レバレッジの商品は除かれる可能性あり)

ロールオーバー

「新NISA」へ「時価」でロールオーバー可能

1階部分は「つみたてNISA」に「簿価」でロールオーバー可能

3. ジュニアNISAの廃止

ジュニアNISAについては期間の延長などの変更はなく、現行の制度通り新規で口座開設できる期間は2023年までで、その後制度自体が廃止となります。想定より利用実績が乏しいことから廃止の流れとなったようです。

2024年以降、ジュニアNISAによる新規の投資はできなくなりますが、それまでに投資していた方は名義人である未成年者が成年年齢(現状20歳から2022年の引き下げ後は18歳)になるまでは引き続き保有することが可能です。また、ジュニアNISAで保有している資産は名義人の未成年者が18歳になるまで引き出せない仕組みでしたが、2024年以降は口座内資産全額が遡及課税なく払い出しを行うことができるようになります。子どもが18歳になるまで引き出せないというのはデメリットだったので、ここは嬉しいポイントです。

参考記事:『ジュニアNISA廃止に伴う注意点徹底解説』

より長期の資産形成を目的に進化するNISA

2024年からの新しいNISA制度について解説しました。制度の変更について少しややこしく感じられるかもしれませんが、「つみたてNISA」は制度の期間のみ延長となり、「一般NISA」は「新NISA」として、今までの一般NISAとつみたてNISAのハイブリッドのような形に進化します。

投資は早く始めれば始めるほど元本割れの可能性が低くなります。これから投資を始めようと思っている人は、基本的には新しいNISA制度に移行するまで待つ必要はなく、現状の制度からすぐに始めてみる方がよいでしょう。

新制度の仕組みを理解して、メリットを最大限活用できるようにしましょう。

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