2022/07/06

既往症・既往歴・持病それぞれの違いとは?保険加入に関する注意すべきポイントも解説

既往症・既往歴・持病それぞれの言葉の意味の違いについて解説します。保険加入時などによく耳にする「既往症」という言葉ですが、既往歴、持病など似ている言葉があります。それぞれの言葉の違いと、既往症がある人でも加入しやすい保険、保険加入を検討する際の注意点についてわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

既往症・既往歴・持病の違いとは

既往症・既往歴

既往症とは、これまでにかかった病気で現在は治癒しているもののことを指します。既往歴は、既往症と意味は似ていますがこれまでにかかった病気やケガの履歴のことで、病歴とも言います。「これまでに大きな病気をしたことがありますか?」という質問をされることがあるかと思いますが、一般的にその回答として出てくるものが既往症(既往歴)となります。既往症と既往歴には大きな違いはないと言えるでしょう。

風邪や気管支炎など一時的な症状で後遺症が残らない物については既往症(既往歴)には該当しません。しかし、いわゆる「病気」と呼ばれるものだけではなく、アレルギーや薬などによって起こった副作用、過去に経験した交通事故なども既往症(既往歴)に該当するケースがあります。保険の契約の際は病気の種類や契約の内容によって告知しなければならないものと告知しなくてよいものがありますので、気になることがある場合は必ず事前に確認するようにしましょう。

持病

持病とは、一時的ではなくなかなか治らない病気のことで「基礎疾患」という呼び方をすることもあります。例としては慢性腎臓病・慢性肺疾患・糖尿病・高血圧・脳血管疾患などが挙げられます。いずれも継続的な治療が必要になることが多いもので、長期間・慢性的に続く病気であるという特徴があります。

※現病歴との違い

既往症や持病とともに判断が難しい言葉として「現病歴」という言葉がありますが、現病歴は完治していない病気のことを指し、現在も定期的に病院へ通院し治療や投薬を受けている病気がある場合に使われる言葉です。持病とほぼ変わらないニュアンスで使われますが、保険会社によっては現病歴の明確な定義を行っている場合もありますのでよく確認するようにしてください。

既往症・持病がある人のための保険

既往症・持病がある人は、保険商品次第では加入できないこともあります。しかし、保険会社によっては既往症・持病がある人向けの商品を展開しているため、そちらも検討してみましょう。既往症・持病がある人向けの保険には以下のような種類があります。

1. 引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、通常の保険よりも加入時の審査が緩やかになっており、既往症や持病がある人でも加入しやすい保険のことです。通常保険加入時に必要となる告知の項目が少なくなっており、その少ない項目をクリアしていれば申し込むことができます。告知項目が少ないため既往症や持病がある人でも加入しやすいですが、その分保険料が通常より高くなっていたり、保障内容が手薄いこともありますので注意してください。

2. 特別条件付き契約

告知の内容によって標準体よりも危険度が高いと判断された場合は、「特別条件付き契約」によって加入できる場合もあります。「特別条件付き特約」とは、保険料の割増や特定部位不担保などの条件を付けることで通常通り保険に加入できるようにすることです。「特別条件」には申込する人によって異なり、主に以下のような内容の条件が付きます。

・保険料割増

・特定部位不担保(一定期間、特定の部位については保障されない)

・特定疾患不担保(一定期間、特定の疾患については保障されない)

・保険金削減(一定期間、支払われる保険金が減額される)

3. 無選択型保険、無告知型保険

無選択型保険、無告知型保険とは、告知や医師の診察などが必要なく加入できる保険のことです。既往症や持病があったとしても加入することができるので、引受基準緩和型保険に加入できなかったという人でも申し込むことができます。ただ、申し込みに際して告知や診察は必要ありませんがどんな人でも必ず加入できるというわけではない点と、現在入院中の人や余命宣告を受けている人などは加入することができない点に注意してください。

既往症・持病がある人が保険に入る際の注意点

1. 告知内容は正確に

既往症や持病がある人は、保険加入時の告知内容についてごまかさずに正確に申告するようにしましょう。どうしても保険に加入したいからと虚偽の内容で申告してしまうと、「告知義務違反」となり保険契約の強制解除などの対応がとられてしまいます。もし虚偽の内容で保険に加入できたとしても、保険金の請求の際行う保険会社の調査で告知義務違反が発覚してしまうことがほとんどなので、告知内容は最初から正確に行うようにしましょう。

参考記事:『生命保険の告知義務と告知義務違反とは

2. まずは通常の生命保険を検討してみる

既往症や持病がある場合、通常の保険には申し込めないと考える人も多いかと思います。しかし、保険会社によって審査基準は異なるため、既往症や持病を申告しても加入できる場合もあります。既往症や持病がある人でも加入しやすい引受基準緩和型保険などは保険料が割高であることが多いので、最初から引受基準緩和型などの保険に申し込むのではなく、まずは通常の保険に申込をしてみて、加入できなかった場合に初めて検討する方がよいでしょう。

3. 複数の保険会社を検討する

2. まずは通常の生命保険を検討してみる ともつながりますが、保険会社によって加入できる基準は様々で、引受基準緩和型などの保険の種類も様々です。最近では保険会社によっては緩和型保険も複数種類があり自分に合うタイプを選べるようになっているところもあるため、保険を検討する場合は必ず複数の保険会社を検討するようにしましょう。

4. 保険以外の方法も検討してみる

もし引受基準緩和型保険など保険料が割高な商品にしか加入できない場合、保険以外の方法を検討してみることも選択肢の一つにすることをおすすめします。既往症や持病がある人は病気を経験している分、何が何でも保険には入っておかなくてはいけないという考えになりがちですが、通常より高い保険料で家計を圧迫してしまっては元も子もありません。貯蓄で補うなど保険以外の方法も検討してみましょう。また、病気の内容によっては少し年月が経過して落ち着いている状況なら通常の保険に加入できるということも充分考えられます。焦って充分検討しないまま保険料が割高な商品に加入することのないようにしましょう。

既往症・既往歴・持病それぞれの違いを理解しよう

既往症・既往歴・持病それぞれの違いについて解説しました。言葉の違いはわかりにくい部分もありますが、よく理解しておきましょう。保険加入の際、既往症や持病がある人は制限がある場合もありますが、注意点にあるように様々な保険商品を検討し、自分に合った方法を選択するようにしてください。

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