2021/02/06

マッキンゼー出身起業家・経営者・社長まとめ

戦略コンサルティングファームの最高峰、マッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)。今回は、マッキンゼー出身の起業家・経営者・社長をまとめました。

マッキンゼー出身起業家・経営者・社長まとめ

マッキンゼー出身の起業家・経営者・社長15名のキャリアを紹介します。


参考:

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社の資産データ一覧|OpenMoney

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA) 南場 智子

出身大学:津田塾大学

マッキンゼー在籍期間:1986年〜1988年、1990年~1996年

創業年度:1999年

職歴:マッキンゼー(新卒)→ハーバード・ビジネス・スクール留学→マッキンゼー→株式会社ディー・エヌ・エー創業


津田塾大学学芸学部英文学科卒業後、マッキンゼーに入社。2年後、ハーバード・ビジネス・スクールに留学しMBAを取得。帰国してマッキンゼーのパートナーに就任する。知人に、当時普及していた携帯を使ったオークション事業をしてはどうかと提案したところ、自身が取り組むように勧められた。このことがきっかけで1999年、ディー・エヌ・エー(DeNA)を創業。

株式会社レノバ 木南 陽介

出身大学:京都大学

マッキンゼー在籍期間:1998年〜2000年

創業年度:2000年

職歴:学生起業→マッキンゼー(新卒)→株式会社リサイクルワン(現・株式会社レノバ)創業


京都大学総合人間学部人間学科在学中、ITベンチャー・メディアマックスジャパンを設立。その中で「もっと人生をかけるようなテーマに取り組むことはできないか?」という課題意識を持つ。また自分に経営や戦略策定のスキルが不足していることも痛感し卒業後、マッキンゼーに入社。大企業の経営課題に対する問題解決能力を身につけ、業界を俯瞰する「巨視眼」を身につけた。しかし、当事者として世の中を変えていく「手づかみ感」のある仕事、そして自分の人生の命題である環境問題に取り組みたいと思い退職。2000年に株式会社リサイクルワン(現・株式会社レノバ)を設立。

レノバ社は創業当初、リサイクルに関するコンサルティング等のサービス事業を主に行っていたが、2012年には事業領域を拡大し、再生可能エネルギー発電施設の開発・運営を専業とする発電事業を行うようになった。

オイシックス・ラ・大地株式会社 高島 宏平

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:1998年〜2000年

創業年度:2000年

職歴:学生起業→マッキンゼー(新卒)→オイシックス・ラ・大地株式会社創業


東京大学大学院工学系研究科在学中に、自らインターネット関連のベンチャー企業を立ち上げる。大学院修了後、マッキンゼーに入社。大手企業がインターネットビジネスに進出する際のプロジェクトを中心に担当した。コンサルタントとして働く一方で毎週末、学生起業時代のメンバーと集まり事業計画を練る。2000年にマッキンゼーを退職した後、オイシックスを設立した。

オイシックス社は主に、有機野菜などの食品宅配専門スーパー「Oisix」および、有機野菜などのカタログ食品宅配「大地を守る会」を運営している。

エムスリー株式会社 谷村 格

出身大学:国際基督教大学

マッキンゼー在籍期間:1987年〜2000年

創業年度:2000年

職歴:マッキンゼー(新卒)→エムスリー株式会社創業


国際基督教大学卒業後、マッキンゼーに入社。パートナーまで昇進する。ヘルスケア業界を担当し、医療・製薬業界の仕組みに問題意識を持つ。製薬会社の経営改善においては、MRに関するコストカットを大きな課題として捉え、MR主体の営業からウェブを使ったマーケティング改善を提案してきた。2000年、ソニー小会社のソネットエンタテインメントに医療サービス立ち上げをアドバイスしていたところ、共同出資でエムスリーを設立することになった。

エムスリー社は、インターネットの活用によって医療業界の非効率を減らすことをミッションに、医師向けのプラットフォーム「m3.com」の運営や製薬会社のマーケティング支援「MR君」、新薬開発支援としての治験ビジネスなどに取り組んでいる。

株式会社スピーク 林 厚見

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:不明

創業年度:2004年

職歴:マッキンゼー(新卒)→コロンビア大学留学→スペースデザイン→株式会社スピーク創業


東京大学工学部建築学科(建築意匠専攻)で建築家を目指したものの挫折。建築とは全く異なるビジネスの世界を見ようと、卒業後にマッキンゼーへ入社。3年半ほど大企業の経営戦略コンサルティングを中心に従事し、事業をデザインしていくことの面白さを知る。その後コロンビア大学に留学し、同大学建築大学院の不動産開発科を修了。業界を知り人脈を作るため、2001年に不動産のディベロッパー・スペースデザインに入社し「下積み」をする。そして2004年、株式会社スピークを共同設立した。

スピーク社は、不動産を保守的で安心な資産という見方ではなく文化的な視点で捉え、「レトロな味わい」「屋上/バルコニー付き」などの個性的な言葉で物件を紹介するメディア「東京R不動産」を発行している。

株式会社サイフューズ 口石 幸治

出身大学:慶應義塾大学

マッキンゼー在籍期間:2005年〜2010年

創業年度:2010年

職歴:松下通信工業→RYUKA国際特許事務所→マッキンゼー→株式会社サイフューズ創業


慶應義塾大学理工学部機械工学科を卒業。松下通信工業(現・パナソニックモバイル)で携帯電話のエンジニアとして、商品企画から、詳細設計、生産立ち上げ支援などに従事。その後、RYUKA国際特許事務所で特許出願を担当。2005年、マッキンゼーに入社し、国内外製造業のオペレーション改革を中心に、大手電機メーカーのビジネスデューデリジェンス、外資系ヘルスケア企業の組織設計およびM&Aインテグレーション支援などを行った。その後、2010年に株式会社サイフューズを設立。

サイフューズ社は、革新的なバイオ3Dプリンターを開発し、臓器を中心とする再生医療領域に貢献している。口石氏の小中学校の同窓である佐賀大学・中山功一教授が発明した、細胞を増やし積層する技術を事業化した企業。

株式会社GRIT 岡田 祥吾

出身大学:大阪大学

マッキンゼー在籍期間:2014年〜2016年

創業年度:2016年

職歴:マッキンゼー(新卒)→株式会社GRIT創業


大阪大学工学部卒業後、マッキンゼーに入社。日本企業の海外進出、 海外企業の日本市場戦略立案等、 数々のプロジェクトに従事する。多くのクライアントと接する中で、英語がネックになってビジネスで損をする人を数多く目の当たりにしたことや、入社当初から起業の意思があったことから2016年に退社。学生時代に留学先のシアトルで出会った友人と英語学習をサポートする株式会社GRITを設立した。

GRIT社は英語コーチングプログラム PROGRIT(プログリット) を運営。またビジネス英語に特化した短期集中型コンサルティングプログラム「TOKKUN ENGLISH」によって、「徹底的な分析に基づいた最適なカリキュラムの提供」「専属コンサルタントによる60日間のトレーニング」「終了後の継続的学習アドバイス」によって一人ひとりに最適な英語学習環境を提供している。

株式会社ロコンド 田中 裕輔

出身大学:一橋大学

マッキンゼー在籍期間:2003年〜2009年

創業年度:2011年

職歴:マッキンゼー(新卒)→UCバークレー留学→米DeNA Global→株式会社ジェイド(現・ロコンド株式会社)創業


一橋大学経済学部卒業後、マッキンゼーに入社。約4年間、小売や消費財を中心に経営コンサルタントとして従事する。2009年カリフォルニア大学バークレー校経営大学院でMBAを取得。当時出会った起業家たちに触発され、アメリカで起業し事業売却を行う。米DeNA Global社マーケティング・製品担当上級副社長を経て、2011年、ロケット・インターネット(ドイツに拠点を置くベンチャーキャピタル。シリコンバレーなどで流行したモデルを他国の市場で展開することを得意とする)の100%子会社として株式会社ジェイド(現・株式会社ロコンド)を共同創業した。

ロコンド社は、「買ってから選ぶ。」ファッション通販サイトLOCOMDO.jpを運営。「送料無料、99日間返品無料(返送料も無料)」というサービスを日本で初めて開始した。

エレファントデザイン株式会社 西山 浩平

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:1993年〜1997年

創業年度:1997年

職歴:マッキンゼー(新卒)→エレファントデザイン株式会社創業


東京大学在学中に桑沢デザイン研究所で工業デザインを学ぶ。卒業後はマッキンゼーのインターネットチームで4年間に渡りコンサルタントとして活動。「どうしても欲しいけど手に入れることができない商品を何とかカタチにすることはできないだろうか。そして、同じように悩む人たちが少なくなるといいな。」という想いがきっかけで、1997年に枡本洋典氏とともにエレファントデザインを設立した。

エレファントデザイン社では、ユーザー参加型の商品化コミュニティサイト「空想生活」(現・CUUSOO)を開設し、みんなの「ほしい!」をかなえるサイト「空想生活」、無印良品と共同で「空想無印」など様々なCUUSOO事業を展開している。また、空想無印と同様の消費者提案型商品開発のサイト「空想生活」を運営。

株式会社センジュ 曽原 健太郎

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:2009年〜2011年

創業年度:2014年

職歴:マッキンゼー(新卒)→ベインキャピタル→Origami→株式会社センジュ創業


東京大学経済学部卒業後、「起業家が多いから」という理由でマッキンゼーに入社。東京支社、ロンドン支社にて小売業、消費財メーカー、金融機関などへの全社戦略立案、マーケティング戦略立案に従事。2011年ベインキャピタルに転職。すかいらーくなど複数の投資案件を担当し、投資業務と投資先の事業支援に従事した。2013年から半年間、起業する前の勉強として、スマホ決済アプリ等を展開するOrigami社にてユーザーグロースを担当する。その後、妻の妊娠をきっかけに2014年、ファミリー向けのサービスを提供するセンジュ社を設立した。

センジュ社は「すべての子供と両親が豊かな体験を得られる世の中を創る」というビジョンのもと、小さな子どもを持つ子育て層をターゲットに「口コミから探す家族とお出かけ情報サイト comolib」と「子供の未来を加速する習い事情報検索・予約サイト コドモブースター」を展開。

RISU Japan株式会社 加藤 エルテス 聡志

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:不明

創業年度:2014年

職歴:P&G→マッキンゼー→米系製薬会社→RISU Japan株式会社創業


東京大学卒業後、P&G、マッキンゼー、米系製薬会社等に従事する。2014年、マッキンゼー時代に得意としていたデータ分析の経験を活かし、小学生向けのタブレット型通信教育サービス「RISU算数」等を提供するRISU Japan株式会社を今木智隆氏とともに設立。 

RISU Japanは、独自のタブレット端末を使った小学生向けの家庭学習サービスを提供する会社。タブレットを用いた学習を通して、一つ一つの動作や挙動のデータログを取り、学習状況を分析・可視化。各学習者に最適化した「テーラーメード」の教育を実現している。加藤氏自身が高校生のころ、画一的でオペレーショナルな教育方針に違和感を感じ退学した経験も創業のきっかけになっている。

ウェルスナビ株式会社 柴山 和久

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:2010年〜2015年

創業年度:2015年

職歴:財務省→INSEAD留学→マッキンゼー→ウェルスナビ株式会社創業


大学卒業後、約10年間の財務省勤務を経てINSEADへ留学。帰国後マッキンゼーに入社。10兆円規模の資産を持つウォール街の機関投資家を、世界水準のアルゴリズムを用いた資産運用システムを構築するなどしてサポートした。同時期に、アメリカ人の義父母の金融資産と自身の日本人両親の資産の大きな隔たりを知り衝撃を受け、2015年、一般人向けの高水準な資産運用サービス創造を目標に、ウェルスナビを設立した。

ウェルスナビはロボアドバイザーによる全自動の個人資産運用サービス。投資一任契約を締結した顧客の資産を預かり、預かり資産の1%の手数料で同社の投資判断に基づき、顧客資産を株式や債券など世界11,000銘柄の上場投資信託(ETF)で運用している。

游仁堂 / TVISION INSIGHTS株式会社 郡谷 康士

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:2005年〜不明

創業年度:2012年

職歴:マッキンゼー(新卒)→リクルート中国→游仁堂創業→TVSION INSIGHTS株式会社創業


東京大学法学部卒。2005年にマッキンゼーに入社し、国内外のマーケティング戦略・事業戦略案件を数多く担当。その後、リクルート中国において事業企画統括部長とイベントビジネス事業部長を歴任。中国で雑誌単一媒体だった【皆喜中国】(ゼクシィ)を雑誌・ウェブ・イベントの三本柱からなる複合媒体へと改革した。2012年に上海でデジタル広告代理店・游仁堂(Yoren)を創業。2015年にはTVISION INSIGHTS(TVI)を創業した。

TVISION INSIGHTS社は、テレビの「視聴質」を計測し、そのデータをテレビCMに関わる広告主、広告代理店、テレビ局などに提供している。テレビ視聴者一人ひとりの自然な視聴体勢を、リビングルームで顔認証技術を用いて計測するという、極めてユニークな試みによって、従来の視聴率だけでは把握できなかったTVCMの現状や、どんな広告が効果的なのかを知ることができるようになった。現在はグローバルに拠点を広げ、東京・ボストン・ニューヨークにて展開。

株式会社サイシード 中村 陽二

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:2014年〜2015年

創業年度:2015年

職歴:学生起業→マッキンゼー(新卒)→株式会社サイシード創業


東京大学工学部在学中にシステムコンサルティングやダイレクトマーケティング領域で起業。CRMやナレッジマネジメントシステムの導入・運用などに携わる。 東京大学大学院工学系研究科在学中にはハードウェアセキュリティ分野で複数の賞を受賞。卒業後マッキンゼーに入社。製造業分野のM&Aや成長戦略案件を経験。退職後2015年、株式会社サイシードを起業。

サイシード社は「先端技術とビジネスデザインを通じた価値提供」をミッションに掲げ、AIを活用したチャットボットや、企業内のコミュニケーションを効率化するツール等を開発・提供する傍ら、旧帝大などの上位校や理系に特化した採用支援事業を行っている。

キャディ株式会社 加藤 勇志郎

出身大学:東京大学

マッキンゼー在籍期間:2014年〜2017年

創業年度:2017年

職歴:マッキンゼー(新卒)→株式会社キャディ創業


2014年東京大学経済学部卒業後、マッキンゼーに入社。2016年には同社史上最年少でマネージャーに就任。大手メーカーをクライアントとして、資材を町工場に発注する「調達」の現場で2年以上働き、非効率な部品の調達方法に着目する。2017年末に退職し、キャディを設立した。

キャディ社は、製造業向け受発注プラットフォーム「CADDi」によって、品質・納期・価格が最も適合する会社と工場とのマッチングを可能にし、町工場が多くのリソースを割いてきた「見積もり」を劇的に改善した。

さまざまな業界で活躍するマッキンゼー出身者

以上、マッキンゼー出身の起業家15名を紹介しました。

今回紹介した15名の他にも、マッキンゼー出身の起業家・経営者・社長は非常に多く、また起業家ではなくても、大手企業の経営者や経営幹部として活躍している人も多数います。やはり、戦略コンサルティングファーム最高峰であると言えるでしょう。


参考:

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社の資産データ一覧|OpenMoney

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