2021/01/07

「市場のプロ」の相場予想に意味はあるのか?【2021年マーケット予測】

マーケット(市場)の相場予想は当たるのか、当たらないのか。そもそもマーケットを予測することに意味があるのかも含めて、2021年の「市場のプロ」の相場予想を見ていきます。

2021年のマーケット予想

新聞や雑誌では、年始になると必ずその年のマーケット予想の特集が組まれます。

日経平均株価や為替、ダウ平均株価やその他各国の株価指数や商品先物など、様々な相場の予想を、多くの「プロの市場関係者」たちが回答しています。

本記事では、「市場のプロ」のマーケット予想は当たるのか当たらないのか?「市場のプロ」も含めて、そもそもマーケットを予想することに意味はあるのかについて考えてみます。

2021年の日経平均株価の予想

以下の表は、著名なエコノミストやストラテジストといった「市場のプロ」たちの2021年の日経平均株価の高値と安値、そして高値と安値をつける時期の予想をまとめたものです。

市場関係者による2021年の日経平均の高値の予想は29,000円〜31,000円、1月〜2月は調整が入り安値、年末に高値になる、という声が多いようです。

上の表でも、高値の予想は平均すると約30,500円(そもそも予測値の平均に意味があるのかという問題もありますが)、高値の時期の予想は12月、安値の時期の予想は1月2月が多いです。

一方で、個々人の予想をみてみると、高値では上は35,000円から下は27,500円、高値の時期の予想も1月であったり、安値の時期の予想も10月といったものもあります。

2021年の為替(円:対ドル)の予想

以下の表は、同じく「市場のプロ」たちの2021年の為替(円:対ドル)の高値と安値、そして高値と安値をつける時期の予想をまとめたものです。

全体としては、為替の高値は100円を切るかどうか、安値は110円近辺という予想が多いようです。時期に関しては、高値は人それぞれ、安値は12月という予想が多いですが、2月、4月といった回答もあります。

こちらも個々人の予想をみてみると、安値でも105円から120円まで開きがあったり、安値の時期を12月と予想する人が多い中で、逆に11月、12月を高値と予想する人もいます。

「市場のプロ」のマーケット予想は当たるのか?

「市場のプロ」のマーケット予想は当たるのか?

答えはおそらく、「中にはピタリと当たる人もいるけれども、ほとんどの人が当たらない」でしょう。

また、「ピタリと当てた人」が過去や今後も予想を当てるのかというと、ほぼ間違いなく過去に予想は当てていないでしょうし(当てていたとしても、多くの予想の中のごく一部でしょう)、今後も予想を当て続けることもないでしょう。

結局のところ、「市場のプロ」の予想は当てになりませんし、仮にピタリと予想を当てた人がいたとしてもそれは「たまたま」にすぎないと言えます。

多くの人とは異なった突拍子もない予想が「たまたま」当たった時の効果は抜群です。「金融危機を予言した人」「疫病の蔓延を予言した人」などとして、もてはやされます。でも、よく注意してみると、その人にはおそらく多くの「外した」予想もあります。

人は、たまたまであれなんであれ、「予言が当たったこと」には目がいきますが、その他大多数の「外した予言」をみることはほとんどありません。

それは、マーケットの予測でも同じと言えます。年始に行う「2021年のマーケット予想」の振り返りをほとんどのメディアがすることはないでしょう。

それでも大衆は「予想」が大好き

マーケットであれ占いであれ、それでも人は予想が大好きです。

マーケット予測には意味がない、と認識した上で、予想とは楽しく付き合うのが一番です。


OpenMoneyでは、2021年末にこの予想の振り返りをする予定です。お楽しみに。

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