2022/07/14

保険と共済の違いとは?メリット・デメリットから注意点まで解説

保険と共済の違いについて解説します。似たような商品が販売されている保険と共済ですが、どのような違いがあるのでしょうか。保険と共済の違いからJA共済などの共済の主な種類について、共済のメリット・デメリットや共済に向いている人までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

共済とは?

共済とは、相互扶助を理念として組合員が掛金を出し合い生命保険や医療保険と同様の保障をする仕組みのことです。生命保険のような保障や医療保険のような保障など商品としては民間生命保険と似ていますが、非営利事業であるため、保険会社とは異なり掛金の積極的な運用は行わず国債などを中心とした堅実な運用を行うという特徴があります。

非営利団体であるため保険会社のような営業職の人がいるわけではなく、共済の商品に加入できるのは共済事業の趣旨に賛同した人が出資金を払って組合員になった場合のみです。例えば都道府県民共済では、出資金200円を支払い組合員になることで商品に加入することができます。

共済と保険の違い

保険と共済の違いはいくつかありますが、まず保険と共済は根拠となる法令や監督官庁が異なります。生命保険会社の基準となる法令は保険業法ですが、共済の場合は消費生活協同組合法や農業協同組合法です。また生命保険の監督官庁は金融庁ですが、共済の場合は厚生労働省もしくは農林水産省となっています。保険と共済でも基準となる法令が異なりますが、共済の中でも種類によって法令が異なるので、それぞれの共済ごとに加入方法や加入できる条件、脱退方法が異なる点にも注意してください。

生命保険は持病についてなどの告知を行い基準を満たしていれば基本的にどんな人でも商品に加入することができますが、共済はまず組合員にならないと商品に加入することはできません。組合員になるには出資金を支払う必要があり、出資金の金額については共済の種類によって異なります。(共済を脱退するときには基本的に出資金は返却されます。)また都道府県民共済の場合は加入する共済の都道府県に居住しているもしくは勤務している人でないと加入することができません。このように、保険と共済では加入資格にも違いがあります。

また生命保険の場合、契約者の保護として「生命保険契約者保護機構」という制度があり、万一企業が破綻した場合でも保護が受けられるようになっています。しかし共済の場合はそのようなセーフティネットがないため、もし事業の存続が厳しくなった場合には保障がなくなることもあり得ます。


保険 共済
法令 保険業法 消費者生活協同組合法など
監督官庁 金融庁 厚生労働省や農林水産省など
商品の種類 多い 少ない
保険料(掛金) 年齢とともに上がることが多い 年齢に関わらず一定であることが多い
セーフティネット あり なし
主な用語

保険料

保険金

契約者

配当金

掛金

共済金

加入者

割戻金


共済の種類

共済には様々な種類がありますが、規模の大きい共済として4大共済と言われているのが以下の4つの事業です。

1. 都道府県民共済(県民共済)

全国の都道府県で展開されているのが都道県民共済です。全国生活協同組合連合会(全国生協連)が元受となっており、銀行が窓口になります。最近まで鳥取県・徳島県・高知県・沖縄県では県民共済がありませんでしたが、2021年に高知県、徳島県が、2022年4月に沖縄県、鳥取県で事業が開始され、47都道府県すべてに配置されることとなりました。都道府県民共済はそれぞれの都道府県に住んでいる・もしくは勤務地がないと加入することができません。

参考:都道府県民共済グループ

2. JA共済

全国共済農業協同組合連合会が運営しているのがJA共済で、地域のJA(農協)が窓口となっています。JAとは相互扶助の精神のもとに農家の生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合ですが、JA共済は農家でなくても准組合員として加入することができます。

参考:JA共済

3. こくみん共済(全労済)

こくみん共済(全労災)は、全国労働者共済生活協同組合連合会が行っている共済事業です。共済の事業の中でも商品数が多いことが特徴で、一番民間保険に近い共済と言えます。

参考:こくみん共済(全労災)

4. COOP共済

COOP共済はコープ共済連が運営しており、生協の店舗が窓口となっています。商品の加入には生協組合員への加入が必要となります。

参考:COOP共済

共済のメリット

1. 生命保険と比べて掛金が安い商品が多い

共済はどの商品も月々の掛金が1,000円~2,000円台程度のことが多く、生命保険の商品と比べて安い傾向があるというメリットがあります。同程度の保障の民間生命保険と比べると割安であることが多いので、とにかく月々の支払いを安くしたいという人には共済が向いています。

2. 掛金が一律であることが多い

民間生命保険では年齢が上がるほど保険料が高くなるのが一般的ですが、共済の商品は年齢に関わらず掛金が一律であることが多くなっています。契約できる年齢層の中であればどの年齢でも掛金は同じなので、特に高い年齢の人ほどお得感が増すのが共済のメリットの一つです。

3. 商品がシンプルでわかりやすい

共済の商品は特約などがなくシンプルなものが多いので、どんな人にもわかりやすいというメリットもあります。保険会社の商品だとそもそも商品の種類が多く自分に合ったものが見つけにくかったり、特約がたくさんありどれを選んだらよいのかわからないという経験をした人も多いと思います。共済の商品であればシンプルで選びやすいので、あまりたくさんの商品の中から選びたくないという人には向いていると言えます。その分共済では自分に合うようにカスタマイズするといったことはしにくいので、その点は把握しておきましょう。

4. 決算内容に応じて割戻金(わりもどしきん)がある

保険会社の商品の中には配当金が出るタイプの商品がありますが、共済の商品は割戻金(わりもどしきん)と言って毎年配当金のように加入者に掛金が戻ってくる制度があります。これは必ず毎年戻ってくるわけではありませんが、決算で余剰金が出た場合には加入者に割戻金として支払われます。掛金が安価なのに加え、決算次第では割戻金が戻ってくるというのは共済の大きなメリットとなります。

5. 持病がある人でも入りやすい

共済の商品は、保険会社の商品と同じく加入前に告知を行う必要がありますが、保険会社の商品と比べて告知内容が少なく持病がある人でも入りやすいという特徴があります(持病があっても全ての人が加入できるわけではありません)。

共済のデメリット

1. 保障金額が少ない商品が多い

共済のデメリットの一つとして、保障金額が少ない商品が多いという点が挙げられます。共済で加入できる商品は掛金が安いため万が一の際の保険金(共済金)も少ない傾向があり、何かあった際の金額として充分ではない可能性があります。例えば都民共済の商品だと、一番保障が充実した商品を選択したとしても死亡時の保険金(共済金)は800万円です。共済への加入を検討する場合は、自分にとってその保障が充分であるかどうかはよく考えてから加入するようにしましょう。

2. 商品の種類が少ない(貯蓄型商品は特に少ない)

共済は商品がシンプルであることがメリットですが、その分商品の種類が少ないというデメリットもあります。特に、共済には貯蓄型の商品がほとんどなく、掛け捨ての商品ばかりとなっています。「月々の支払いが多少増えても貯蓄性のある商品に加入したい」と思っている人は、共済ではなく民間の生命保険の方が選択肢は各段に多いと言えるでしょう。

3. 地域や職業によって加入できない場合がある

共済は住んでいる地域や職業によって、商品に加入できないケースがあることにも注意が必要です。例えばCOOP共済の死亡保障では、競輪選手など一部の職業の人は加入することができません。民間の生命保険でもこのような制限をしている商品はありますが、共済でも事業ごとに独自の基準を設けていますので、事前に確認するようにしましょう。

4. 生涯保障される商品が少ない

共済は掛け捨てで一定期間の保障がある商品が多く、終身保険の種類が少ないです。一生涯の保障を求めている人にとっては、民間の保険会社の方が選択肢が多いと言えるでしょう。(しかし少ないとは言え近年共済でも終身保障の商品が新しく出てきており、全く選択肢がないわけではありません。)

共済に向いている人

ここまで共済と保険の違いや共済のメリット・デメリットを解説してきましたが、民間の生命保険と共済を比べたときに、共済加入に向いているのは主に以下のような人です。

・とにかく毎月の出費(掛金)を少なくしたい人

・一定期間のみ保障を上乗せしたい人

・貯蓄が充分にあり、死亡保障は最低限でよいという人

逆に、一家の大黒柱で死亡保障がしっかり必要だという人や、掛け捨ての保険に抵抗がある人などには共済はあまり向いていません。自分にどのような保障が必要なのかを事前にしっかり把握し、自身に合った保障が得られる商品を選択するようにしましょう。

保険と共済の違いを理解しよう

保険と共済の違いについて解説しました。保険と共済にはいくつか違いがありますが、商品の違いについては共済でも近年種類が豊富になってきており、民間の保険との違いが少なくなってきました。自分に合った保障が得られるのであれば共済も良い選択肢の一つとなりますので、保険と共済の特徴を理解した上で検討してみてください。

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