2020/12/24

保険トップセールスが教える「良い営業マン」の選び方・見極めるポイント

各業界のトップセールスに聞く「良い営業マン」の選び方シリーズ。今回は、保険のトップセールスの方に、良い営業マンの定義や選び方、見極めるポイントについてうかがいました。

保険のトップセールスが語る「良い営業マン」とは?

今回は、保険会社トップセールスで20代・30代向けの資産形成の専門家であるゆーいちろー(@9ichi6)さんに、「良い営業マン」とはどういう営業マンか教えていただきました。

課題解決をしてくれるかどうかがすべて

良い営業マン・悪い営業マンの違いを一言できれいに言うのであれば、「問題解決をしたい営業マン」か「商品提案をしたい営業マン」かどうかの違いだと思います。良い営業マンは、常にお客さまの問題は何かを知ろうとし、そのための解決策は何があるのかを考えます。その上で、自分が力になれる部分があれば、その部分で提案をします。それに対して悪い営業マンは常に自分(自社)の商品ありき。お客さまがどんな状況であっても、常に、必ず、何かしらの自分の商品を売りつけようとします。例えば我々の仕事で言うと、面談したお客さまにこのくらいの保障が必要だと判断した時に、良い営業マンは社会保障制度や、会社の福利厚生制度の内容を踏まえて、カバーしきれていない部分だけを提案します。悪い営業マンは、高い保険料にするために、そういった部分を話さなかったり、そもそも知らなかったりします。

「良い営業マン」か「悪い営業マン」かを見極めるには?

良い営業マンか悪い営業マンかを見極める方法はたくさんありますが、その中でも反対意見や、営業マンの意向と逆の質問をした時の営業マンの反応は、良い営業マンか悪い営業マンかを判断するのにわかりやすいです。逆の質問をした場合に、常に否定してくる人は悪い営業マンである確率が高いです。それに対して良い営業マンは、その逆の内容も含めたあらゆる可能性を含めて、それぞれ条件分岐させて説明してくれます。その場合はこういうメリットとデメリットがあり、こういうケースには有効だけどこういうケースには有効ではない、それに対してこちらの場合だとこういうメリットとデメリットがありますよ、なのでこの部分をこういう観点で比較してみてください、といったような伝え方をします。そのような返答をするのが当たり前だと思うのですが、実際にそういう営業マンは一部だったりもします。

営業マン同士の話の中でもすぐにわかる違い

私自身、20代・30代向けに資産形成のアドバイスを総合的にしており、保険だけではなく株式や債券、不動産投資なども幅広く勉強しているため、同僚や他社の営業マンからも保険以外の相談をたくさん受けます。その時の最初の発言からも、「良い営業マン」か「悪い営業マン」かは顕著にわかります。例えば、「(自分の)商品提案しか考えていない営業マン」の場合、「お客さまから保険ではなくて株式や国債の方がいいんじゃないの?と聞かれたんですが、その選択肢をどうやって”潰したら”いいですか?」と、上記で言う「逆の質問」をどうやって否定しようかしか考えていない相談をしてきます。それに対して、「お客さまの問題解決をしたい営業マン」の場合は、「お客さまから株式や不動産投資について聞かれたんですが、僕はあまり知識がなくて、どういうメリットや違いがあるのか教えてくれませんか?」と私に相談してきます。日頃から「本当にお客さまの問題解決をしたくて行動しているのか」「ただただ商品を売りつけて自分の成績をあげることしか考えていないのか」どちらかなのかがこの一言だけでもわかります。

営業マンは正直に話せば話すほど良い

お客さまに対しては、正直であればあるほど、結果として信頼もされるし成果も上がると思っています。例えば、私が販売している保険の中には、ほとんど同じような内容の保険だけれども安い保険というのは間違いなく存在します。私の場合は、そのことも最初の面談で必ずお伝えするようにしています。私はお客さまの問題解決、もっと言えばお客さまの人生のためにフルコミットするつもりで仕事をしています。そのために、当然勉強はし続けますし、お客さまの役に立つことに繋がると思ったことは自分でも実践することが多いです。その分、同じような内容の商品であっても、例えば担当者のつかないインターネット経由で加入する保険より多少高くなるのは当然だと考えています。そして、高いと言っても、似た種類の金融商品である限り、大きな違いはありません。その、少し高い金額を出してでも私を担当者にすることに価値を感じていただけるかどうかが重要だと思っています。ですので、少しでも安い方がいい、というお客さまには、それなら私を担当にしない方がよくて、こういう加入方法だと安いし良いのではないでしょうか、と別のものをおすすめするようにしています。

世の中の「良い営業マン」「悪い営業マン」話は薄っぺらいものばかり

インターネットの記事などを見ていると、「良い営業マン」「悪い営業マン」の違いに、「レスポンスが早い」とか「誠実・真面目」とか「自分が喋らずにお客さんに喋らせる」などといったものをよく見かけますが、正直薄っぺらく本質的ではないなと感じてしまいます。レスポンスが早いとか、誠実・真面目とか、めんどくさがって細かい説明をせずに丁寧に説明をするなどといったことは当たり前のことです。そんなことすらできない「明らかにダメな営業マン」は、私のいる完全歩合の世界ではすぐに辞めてしまうため、割合としては少ないような気がします。それよりも要注意なのは、「わかりにくけど実は良くない営業マン」です。上記のような薄っぺらい「レスポンスの早さ」や「誠実・真面目」をウリにしているような営業マンは注意した方がいいかもしれません。そういう営業マンは、一見して感じがよく、好感度が高いかもしれませんが、お客さまの問題解決を本当に考えているかどうかは怪しいです。なぜなら、真に役立つことを追求していたら、営業マンとして当然の上記のような内容をウリにはしないからです。「誠実・真面目」をアピールするのは、「世の中には変な保険の営業マンが多いですが、私は違いますよ」ということなので、実は比較対象のレベルを低いところに置いている、向上心のない担当者である可能性が高いです。

常に向上心を持ち続けられるかどうか

繰り返しにもなりますが、良い営業マンかどうかは、お客さまの問題解決にどれだけ真剣に向き合い続けているかどうかで決まると思っています。そして、そのためには、常に向上心を持ち続けられるかどうかが重要です。特に保険の場合、税制をはじめとした制度の変更をつねにキャッチアップしたり、お客さまのお金に関するサポートをトータルでする必要があるため、保険以外にもあらゆること(他の金融商品や、場合によってはキャリア戦略、不動産、車、時計等)に精通していればいるほど、お客さまの役に立つことができます。そのためには、常に向上心を持ち続けて日々過ごしているかがとても大切です。

結局のところ良い営業マンかどうかは「合う合わない」の世界かもしれませんが、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。

ゆーいちろー

"日本に1秒でも早く人生とお金について真剣に考える文化をつくる"ことを志す金融マン。

大手証券会社→大手保険会社のキャリアを歩み、表彰多数。2021年度MDRT、TOT会員。

自身でも証券、保険、不動産等あらゆる投資を行い、知識と経験を元に800人を超えるクライアントを担当。

専門はU-35の資産形成と法人の財務スキーム。九州男児31歳。

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