2021/02/01

博報堂女性社員へのインタビュー【新卒採用から女性の働き方まで】

広告代理店博報堂の現役女性社員へのインタビュー記事。博報堂の新卒採用時の志望動機や就活に対する考え方から、実際に働いてみて感じたことや仕事へのやりがい、仕事に対する考え方、女性社員の働きやすさや女性役員・部長はいるのかなど、本音を語っていただきました。

もともと広告に興味はなかったけれど博報堂に新卒で入社

−−−はじめに、これまでの経歴を簡単に教えてください。

芸術系の大学を卒業後、新卒で博報堂に入社しました。通信会社と自動車会社を担当してきました。CMやWeb動画の制作の他、イベントを企画したりSNSの運用なども行ってきました。


−−−なぜ広告代理店を志望していたのですか?

もともと広告に興味があったわけではないんです。芸術系の大学だったため、それを評価してくれる会社はどこだろうと考えた時に、それがテレビ局と広告代理店でした。会社側からしても、芸術系の大学だったら面白いね、となると思って受けました。


−−−さすがに、「広告に興味がないんです」と伝えたわけではないですよね?

楽器を演奏する時って、ただ楽譜に沿って演奏するだけじゃなくて、その曲の時代背景とか作曲家がどういう思いで作られたかを調べます。それを調べた上で、それを聞いてる人にそれを伝えないといけない作業なんです。その作業が広告代理店の仕事に似てますって話していました。広告代理店って作り手の仕事を自分を介して、どうすれば最適にお客さんに伝えればいいかという作業ですよね、って。音楽の才能にも限界を感じていて、でも何かを調べて誰かに伝えるという過程がすごく好きだったから、広告代理店でも同じことができるんじゃないかってこじつけで話していました。でも、音楽でご飯食べられないから就活してますって話で大体は終わったり、面接はほぼ雑談でした。テレビ局の面接もだいたいそんな感じです。テレビ局の面接は、ストップウォッチで時間が管理されていて、時間が来たらはい終わり、みたいな。大広間に簡易的にブースを区切っていましたね。広告代理店の方がもう少し話を聞いてくれていた気がします。


−−−面接はどのような感じで進んでいきましたか?

電博は同じような感じです。博報堂は、エントリー時に課題が渡されていて、面接はいわゆる志望動機とか学生時代頑張ったことの話を10分くらいして、次のブースに移って持ってきた企画を説明して帰る、という感じです。電通の場合は、一次面接は1対1の面接で、二次面接になると1対2の面接。白い紙(課題)を渡されてプランを考えないといけないという点では博報堂の方が大変でした。


−−−広告代理店やテレビ局の課題やエントリーシートはクリエイティブなものが多いような印象です。どのように考えていましたか?

所詮学生が考えることなんて大したことないから、出てきたアウトプットよりもその人らしさとかその人が考えたのかってことの方が大事だと思っていました。OBの先輩に聞いたりすれば答えは見つかるけど、そうじゃなくて、なんでその人がそのアイデアを言ったのかというのが大事です。実際の面接でも、なんでそう思ったのか、なんでそう考えたのか、という根幹の部分を聞かれました。出てきたアウトプットがすごいつまらないものだったとしても、それがその人らしさとか、その人の今までの人生とリンクしてるものであれば、自分でも腹落ちするんですよね。私も学生時代頑張ったこととかを、自分の趣味とかに紐づいた形で作っていました。ケーススタディの本やマニュアル本に書いてあるようなことを書いても、それは正解じゃないんです。採用する側だって正解を求めてるわけじゃない。というよりそもそも正解はない。この子はどうしてこのアイデアを考えたんだろうっていうところが伝わる方が大事なんだと思います。クリエイティブな要素が必要だからといって、奇をてらったものより、考え方のが大事です。


−−−ちなみに、インターンシップの参加で内定が決まったりもするのですか?

年によっても違うとは思いますが、インターン選考はありますね。少数ですが、本選考とは別ルートで内定も決まっていますね。

仕事にやりがいも興味もないけれど、まわりからの信頼は獲得する

−−−実際に入社して改めて感じたことなどありますか?

お話ししたように、もともと広告代理店志望だったわけではなかったのであまりイメージとかもなかったのですが、営業はとにかく常にクライアントのために存在しているという感じです。頼まれたことをやっているだけだと怒られるから常に追加で考えて仕事して。営業がクライアントの社内資料を作ったりすることもあります。クライアントに信頼してもらうための雑務が多いです。若手のうちは特に多いですね。


−−−クライアントとスタッフの板挟みが多いという話もよく聞きます。

なによりも雑務がとにかく多いのですが、クライアントとスタッフの板挟みになることもあります。クライアントはこういうふうにしてほしいと言う、でもスタッフはこうしたくないと言う、みたいな。営業は、スタッフにこれを言うと怒られると思ったら、クライアントにこれはやめたほうがいいんじゃないですかと提案したり。言われたまま伝えるだけではただの伝書鳩になってしまうので、ケースバイケースでスタッフと戦ったり、クライアントと戦ったり。もちろん、スタッフに「クライアントからはこう言われてるんですけどどうしたらいいですか?」と聞いたりもします。


−−−ちなみに、スタッフというのはどういう方々なんでしょうか?

スタッフというのは「アートディレクター」とか「アクティベーション」って言われているのですが、企画を考える人たちの総称です。スタッフは10個20個の仕事を掛け持ちしているから当然忙しくて、その中で自分の仕事をどれだけ優先度高くしてもらえるかが営業の大事なところです。


−−−仕事のやりがいを感じる時ってどんな時ですか?

実は、これまで仕事で何かこれといった特定のことにやりがいを感じたことはないんです。今も仕事にやりがいも興味もないです。だから出世とかにも興味がなくて。その分、そんなに辛いこともありません。もちろん、仕事にやりがいや興味がないからといって仕事で手を抜いたりすることは絶対にありません。クライアントが満足する仕事をして、信頼を勝ち取りたいといつも思っています。これももともと広告代理店志望だったわけではなかったからかもしれません。広告が好きで入った人とかは、自分の考えたCMが放送されたとか、難しいタレントを口説き落とせたとか、競合に勝てたとかにやりがいを感じる人も多いです。


−−−仕事にやりがいも興味もないけれどもきっちり仕事はやる。そうすると、今後のキャリアプランとか転職とか考えていることは何かあったりするんですか?

ずっと営業でいたいと思っています。お話ししたように、私は出世とかには興味がなくて、大きいクライアントと仕事をしていたいと思っています。その中でクライアントとスタッフから信頼を得られていたいです。スタッフは忙しいから仕事を選べるし、仕事の優先順位をつけられるのですが、そのスタッフに信頼してもらえばもらえるほど、スタッフの中での優先順位も上がっていきます。そういうふうに、クライアントからもスタッフからも信頼されて、怒られずにそつなく仕事をしていければいいかなと思っています。

転職に関しては、一回会社が嫌になってビズリーチに登録しようとしたんですが、入力項目が多くて途中でやめちゃいました。

女性の役員も部長もいる。若いうちは女性の方が得している。

−−−女性社員はどれくらいいるのでしょうか?

私の同期は男女比10:3程度でしたが、今は男女比が半々くらいだと聞いています。新卒入社全体の人数は毎年130人くらいです。採用側の話だと、新卒採用の時って女性の方が評価が高くなりやすいみたいです。やっぱり女性の方が喋るのは上手だし、ちゃんと準備もしているので。だから、男女比をある程度調整しているというのはあるかもしれません。その理論で言うと、女性だらけになっちゃうじゃないですか。ただ、この話には続きがあって、採用時は評価が低くても、男性の方が入ってからは伸びたりすることも多いらしいです。あとはやっぱりどうしても女性は産休・育休などで休まないといけなくなるので、男性も絶対的に必要じゃないですか。別に男女別に枠は決まってませんが、男女比が偏らないように意識的に気をつけているような気がします。


−−−産休・育休を挟むとやはりキャリア的には厳しいのですか?

そんなことはありません。私のまわりでは、そもそも結婚している人が少ないので産休を取っている人も少ないですが、私が知る限りはかなりの人が戻ってきています。社内全体でも、ママさんで働いてる人はたくさんいます。ご時世的にマタハラにもなるから、サポートもしっかりしています。戻ってくる人はバリキャリ思考の人も多いですが、休みにくいとかもまったくなく、とても働きやすい環境だと思います。やっぱりそういうところは良い意味で大企業だと感じます。


−−−女性の役員や部長はいるのですか?

役員も部長も何人かいます。優秀だったらなれると思います。ただやっぱり、家事とかがあって、15時とか16時で帰る時短の女性社員と、毎日24時を過ぎるまで働いている男性社員だったら、働く時間がすべてではないですが、そりゃあ男性の方が出世するよね、というのは当たり前だと思います。ですので、役員や部長はほとんど男性ではありますが、女性だからなれないということはありません。


−−−実際に女性社員として働いてきて、何か感じることはありますか?

正直な話、若いうちはやっぱり女性は得だと思います。クライアントもスタッフも女性だからというだけで男性社員への対応と比べて明らかに優しかったりしますし、そもそも女性が少ないので大事にしてもらっていると感じます。お酒を飲まなくても、何か言われたことなんてありませんし。この前も先輩に、「お前を見てるとやっぱり女って得だな」って言われましたが、その通りだよなと思いました。


−−−本日はありがとうございました。


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