2022/04/26

不動産投資ローンのメリット・デメリット

不動産投資を行う際に多くの人が利用している不動産投資ローンについて、メリット・デメリットを解説します。レバレッジ効果や金利、団体信用生命保険など不動産投資ローンの基礎的な知識から、住宅ローンと併用する際の注意点まで初心者にもわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、不動産投資のために金融機関から受けることができるローンの名称です。自身が住むための住宅を購入するために組む住宅ローンとは審査基準等が異なり、購入する投資物件の収益性なども審査されます。

不動産投資ローンには主に個人投資家が利用するアパートローンと、個人投資家から事業主までより投資規模の大きい人が利用するプロパーローンがありますが、この記事ではアパートローンについて、ローンを利用するメリット・デメリットを解説します。

参考記事:『【初心者向け】不動産投資ローンとは。種類や組み方、手順や審査基準まで

不動産投資ローンのメリット

1. 資金が少なくても不動産投資を行うことができる

物件を購入するためには1,000万円単位で資金が必要になってきます。購入資金をすべて貯めてから不動産投資を始めようと思うといつ始められるかわかりませんが、不動産投資ローンを利用することで現時点で自己資金が少なくても不動産投資を始めることができます。購入する資金がなくても始められるというのは株や投資信託といった他の投資にはない不動産投資ならではのメリットと言えるでしょう。しかし、自己資金が少なくても融資が受けられるかどうかは不動産投資ローンの審査に通るかどうかによりますので、「資金がなくてもいつでも始められる」というわけではないことは理解しておきましょう。

2. レバレッジ効果が期待できる

不動産投資ローンを利用することで、レバレッジ効果が期待できるというのも大きなメリットです。レバレッジとは「テコの原理」を意味する言葉で、不動産投資においては少額の資金で高額の資産運用を行い、利益率を高める方法をのことを指します。

例えば自己資金が1,000万円ある場合、不動産投資ローンを利用しないと1,000万円までの物件しか購入できません。しかし5,000万円の不動産投資ローンを組むことができれば、6,000万円までの物件購入が可能になります。価格が高くなるほどより条件の良い物件が選択肢として増えるので、より収益性の高い物件を購入できる可能性が高くなるということです。

3. 資金を手元に残しておける

不動産投資ローンを利用することで、自己資金を手元に残しておけるというのも大きなメリットです。投資を行う際には不測の事態に備えることも大切です。購入した物件の管理費用や、急に病気になったときの費用など、ローンを利用し自己資金の支出を抑えることで手元に残った資金を他の用途に使うことができます。

4. 団体信用生命保険に加入することができる

不動産投資ローンを組むと、一般的には団体信用生命保険(団信)に加入することになります。団信に加入することで、不動産投資が生命保険の役割を果たすと言われており、加入できるということ自体が不動産投資ローンのメリットとなります。

団信とは、ローン借入者が完済前に自己や病気などで亡くなったり高度障害になった場合に、その時点でのローン残債を借入者の代わりに金融機関へ弁済してくれるという保険制度のことです。つまり、団信に加入することで、借入者に万が一のことがあったとしてもローンを払う心配のない不動産を家族に残すことができます。近年は団信の種類も豊富になってきており、特約をつけることで借入者が亡くならなくても病気と診断された時点で残債がゼロになるなど様々な条件が追加できるようになってきています。加入の際には保証内容や特約についてもよく確認するようにしましょう。ただし、団信は持病があると加入できない場合もあるので、健康状態には注意が必要です。

参考記事:『不動産投資ローンの団体信用生命保険とは?種類や注意点まで解説

不動産投資ローンのデメリット

1. 住宅ローンと比較して金利が高い

不動産投資ローンは、利用目的と原資の違いにより住宅ローンと比べると金利が高いというのがデメリットの一つです。住宅ローンにおいては、変動金利であれば2021年8月現在0.5%を切る金融機関もあります。住宅ローンは主に給与所得からの返済を前提としているため、収入が安定してさえいれば返済不能になるリスクが比較的少ないとされているからです。

一方、不動産投資ローンは2%~4%ほどの金利で融資を行う金融機関が多くなっています。住宅ローンと比べると、物件での空室の発生などによる返済不能リスクが高いと考えられているからです。

2. 審査に時間がかかる

不動産投資ローンの審査には少なくとも2週間~1ヶ月程度の時間がかかると言われています。住宅ローンの審査はだいたい2週間~3週間かかると言われていますので、やはり審査項目が多くなる不動産投資ローンの方が審査に時間がかかる傾向があります。スムーズに不動産投資を始めるためにも、審査に必要な書類はあらかじめ用意しておくなど準備を怠らないようにしましょう。不動産投資の実績がすでに豊富にあり、審査に問題がないことがすぐにわかるようなケースであれば1週間程度で審査結果が出ることもあります。最初の審査はある程度時間がかかってしまうことは仕方ないので、余裕を持って審査に挑みましょう。

3. 住宅ローンが組みづらくなる

不動産投資ローンを利用している場合、ローン返済中に新たに自身が住むための住宅ローンを組もうとすると借入できる金額が少なくなってしまうというデメリットもあります。不動産投資が順調に運用できていれば住宅ローンが組めないということは少ないですが、借入できる金額に関しては現時点での残債が圧迫してしまいます。あとから借りる住宅ローンの借入可能額が減ることで自分が購入したいと思った家を買えない可能性があるという点は、不動産投資ローンを組む上で大きなデメリット・リスクと言えます。

メリット・デメリットを理解した上で利用しよう

不動産投資ローンのメリット・デメリットについて解説しました。物件の金額が大きい不動産投資においては、不動産投資ローンは必ず関わってきます。不動産投資ローンを利用する際は、メリット・デメリットを理解した上で慎重に検討し、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

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