2022/01/29

ドル建て保険とは?メリット・デメリットから注意点まで

外貨建て保険の代表であるドル建て保険について解説します。アメリカドルをはじめとして保険料をドルで支払う「ドル建て保険」にはどのような特徴があるのでしょうか。ドル建て保険の種類やメリット・デメリット、ドル建て保険に加入する際の注意点までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

ドル建て保険とは

ドル建て保険とは、加入者の支払った保険料が保険会社によってドルで運用される種類の保険のことです。ドルをはじめ外貨で運用される保険のことを「外貨建て保険」と呼び、外貨建て保険の中には米ドルの他にもオーストラリアドル(豪ドル)やニュージーランドドル(NZドル)などの種類があります。リーマンショックが起きた後の2008年頃は、アメリカでは実質的なゼロ金利であったため日本円や米ドルよりも豪ドルの方が高金利で注目を集めていましたが、現在は豪ドルの金利が下がっていることもあり、米ドルが主流となっています。

ドル建て保険は、加入者が円で支払った保険料を保険会社がドルに交換し、主にアメリカの国債や社債を購入して運用します。そこから得られた利益を円に交換し、加入者に保険金や解約返戻金として支払うという仕組みになっています。現在日本では政府による金利政策によって低金利時代が続いており、銀行預金の利息や保険の運用益は非常に少なくなっています。そこで、日本よりも金利の高い米ドルを運用するドル建て保険を利用することで支払った保険料以上の保険金を受け取れる可能性があるということです。

ドル建て保険の種類

ドル建て保険には、主に以下の3種類があります。

ドル建て終身保険

加入者が死亡したときや高度障害状態になったときに保険金を受け取ることができる保険。保障は一生涯続きますが、保険金を受け取るタイミングの為替レートによってその金額は増減します。

ドル建て養老保険

加入者が死亡したときや高度障害状態になったときに保険金を受け取れ、満期時に生存していた場合には満期保険金も受け取ることができる保険。一般的に保険期間は10年や20年などの期間が定められており、保険金もしくは満期保険金を受け取るタイミングの為替レートによってその金額は増減します。

ドル建て個人年金保険

毎月支払った保険料を、基本的に60歳以降に年金として受け取ることができる保険。年金を受け取るタイミングの為替レートによって、毎月の支給額は増減します。

ドル建て保険のメリット

1. 円建ての保険に比べて保険料が割安

ドル建て保険は、円建ての保険と比べて保険料が割安であるというメリットがあります。なぜ割安になるかと言うと、日本とアメリカの金利を比べるとアメリカの方が断然高く、加入者から預かった保険料を運用した場合に増える可能性が高いからです。

ただ注意しなくてはいけないのは、ドル建て保険は保険料が割安であることが多いですが、デメリットの項目に記載する為替手数料など円建てならかからない費用もあります。保険料だけを比較して加入してしまうことのないよう、総合的な費用を比較して検討するようにしましょう。

2. 保障と資産運用を両立できる

ドル建て保険は万が一の際の保障や解約返戻金などの貯蓄機能がありながら、同時に高金利で保険料を運用することができます。保障と高金利での資産運用を両立できるというのは、他の保険商品にはないメリットと言えます。

3. 円安のリスクに備えることができる

ドル建て保険に加入することで、円の価値が下がるリスクに備えることができるというメリットもあります。円は比較的安全な資産と言われてはいますが、例えば災害などで日本の景気が悪くなり、円の価値が著しく下がるという事態もあり得ます。そのような万が一の事態に備え、円だけでなく他の通貨に資産を分散しておくことは有効な手段です。

4. 為替状況によっては利益が出る

2. ともつながりますが、ドル建て保険に加入することによって、為替状況によっては利益が出ることがあります。満期保険金や解約返戻金を受け取るタイミングで円安になっていれば、保険の予定利率に加えて為替差益を得ることができます。このようにドル建て保険では受け取るタイミングが非常に重要となるため、普段からアンテナを張って市場の状況を知っておく必要があります。

ドル建て保険のデメリット

1. 為替リスクがある(元本割れの可能性がある)

ドル建て保険は為替リスクがあるため、元本割れの可能性があるというデメリットがあります。円安であれば利益が出る可能性があるということは、円高なら元本割れの可能性もあるということです。また、月々の保険料も為替によって変動しますので、状況によって払う保険料が上がることもあります。為替リスクはドル建て保険の外せないデメリットとして理解しておきましょう。

2. 保険料の支払いや受け取りに為替手数料がかかる

ドル建て保険の保険料の支払いで円をドルに換えるときや、保険金の受け取りでドルを円に換えるとき、為替手数料というものがかかってきます。一般的に1ドルにつき50銭程度の為替手数料がかかることが多くなっており、金額が大きくなるほど為替手数料も馬鹿にできない金額となります。為替手数料は商品によって微妙に変わってきますので加入前に必ず確認するようにしましょう。

3. 満期の受取額を想定しにくい

ドル建て保険の満期は10年、20年など数十年単位となることが多いですが、満期時点での為替相場を予測することは困難です。そのためドル建て保険の場合、満期時に受け取れる金額を想定しにくいというデメリットもあります。月々の保険料も為替相場によって変動しますので、支払いや受け取りの金額をあらかじめきっちり把握したい、という人にとってはドル建て保険は向かないでしょう。

ドル建て保険の注意点

1. ドル建て保険は「資産運用商品」である

ドル建て保険は「保障」の要素ももちろんありますが、基本的には「資産運用商品」であると考えましょう。為替は時には株価よりも激しく変動することもあり、為替リスクや利回り、日本円換算でいくらになるのかなどを日常的に把握しなくてはいけません。運用に関する知識がまったくない場合や、保障の手厚さを求めている場合にはドル建て保険は適切な選択肢ではないことを理解しておきましょう。

2. 基本は長期の運用を行う

資産運用において、長期で運用を行うことは元本割れのリスクを減らすための重要なポイントです。ドル建て保険も同じで、基本は満期までの長期運用を行うことが重要になります。確かにドル建て保険でも中途解約した場合に解約返戻金が戻ってくる場合がありますが、短期で解約してしまうほどに返戻率は低くなり、支払った保険料が無駄になる可能性が高くなります。さらにドル建て保険の場合は保険金受け取り時に手数料がかかりますので、解約にはより慎重な検討が必要です。途中で解約してしまうことのないよう、長期で払い続けられる保険料の範囲であるか、本当に自分に必要な保障であるかよく検討してから加入するようにしましょう。

3. 一時払のドル建て保険には特に注意

ドル建て保険の保険料の支払いは、他の保険と同じように一時払いか平準払い(月払い、半年払い、年払いなど)の2通りから選択することができます。一時払いは全保険期間分の保険料を一括で支払う方法であり、ドル建て保険の場合支払うタイミングでの為替相場に応じて金額が決定することになります。一時払いの場合はその一回の金額によって今後の運用成績も変わってきますので、加入時の為替水準がどうなのか、将来円安・円高のどちらに進みそうかなど、より慎重に判断する必要があります。判断が難しい場合は、平準払いを選択する方がよいでしょう。

4. 保険金の据え置き機能がある商品を選ぶ

ドル建て保険の商品の中には、保険金を受け取る際に外貨のまま保険会社に預けておける(据え置ける)というものがあります。受け取り時の為替状況に応じて、円安になったタイミングで保険金を日本円に換えて受け取れるということです。為替リスクを避けるために有効な手段となりますので、検討しているドル建て保険がある場合は据え置き機能があるかどうか、またその内容をよく確認しておきましょう。

ドル建て保険のメリット・デメリットを理解しよう

ドル建て保険のメリット・デメリット、注意点について解説しました。ドル建て保険は円建てよりも資産運用要素が高く利益が出る可能性がある保険ですが、国民生活センターの統計によると外貨建て保険の相談件数は2018年度で538件と、2014年度に比べて3倍以上に増加しています。いずれも為替リスクをきちんと理解していなかったり、諸々の手数料について理解していなかったりと商品の特性を理解せず加入してしまったケースが大半となっています。「営業の人におすすめされたから入ったけれど後悔している」ということにならないよう、自身でも商品について勉強し、デメリットやリスクを理解してから加入するようにすることが大切です。

参考:外貨建て生命保険の相談が増加しています!(国民生活センター)

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