2022/01/29

自転車保険とは?補償の内容、義務化の最新情報まで

自転車保険について解説します。自転車保険が義務化となっている都道府県も増えている現在、自転車に乗る人であれば自転車保険は必ず検討するべき保険です。どのような内容を補償してくれるのか、自転車事故の現状、義務化の最新情報、自転車保険の選び方までわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

自転車保険とは

自転車保険とは、自転車に乗っている間に発生した損害について保障する保険のことです。自転車保険に加入することで、自分が怪我をしてしまった場合と、相手を怪我させてしまった場合の賠償に備えることができます。

自動車の場合は自賠責保険への加入が義務づけられていますが、自転車の場合は今まで保険への加入は義務ではありませんでした。しかし、2015年に兵庫県で自転車保険への加入が義務化されて以降、全国の都道府県に義務化の流れが加速してきています。気軽に乗れて老若男女が利用している自転車ですが、その危険性も知って自転車保険への理解も進めておきましょう。

自転車事故はどれくらい起こっている?

警視庁が調査した「自転車事故の推移」によると、自転車事故の件数は年々減少しているものの平成28年には全国で93,424件の自転車事故が起こっています。そしてそれらの自転車事故による負傷者の数は全国で89,546人となっており、死亡者の数は509人でした。

また、自転車事故で加害者になってしまった人の年齢で見ると13歳~18歳の若年齢層が一番多いというデータもあります。自転車は免許もいらず子供でも乗れる乗り物ですが、1年間で500人以上が関連する事故でなくなっているという現実があります。

参考:自転車事故の推移(警視庁)

自転車運転者講習制度について

平成27年6月1日に施行された改正道路交通法により自転車による危険行為が定められ、3年以内に2回以上それらの危険行為で摘発された14歳以上の自転車運転者に対して、自転車運転者講習を受けることが義務付けられました。受講の命令に従わなかった場合は5万円以下の罰金となります。対象となる危険行為は以下の通りです。

・信号無視

・通行禁止違反

・歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)

・通行区分違反

・路側帯通行時の歩行者の通行妨害

・遮断踏切立ち入り

・交差点安全信仰義務違反

・交差点優先車妨害

・環状交差点の安全進行義務違反

・指定場所一時不停止

・歩道通行時の通行方法違反

・制動装置(ブレーキ)不良自転車運転

・酒酔い運転

・安全運転義務違反

このように、危険な運転を繰り返す自転車運転者への取り締まりが強化されるなど自転車を取り巻く環境は変化してきています。運転する人がルールを守り安全運転を行うことはもちろん大前提として大切ですが、どうしても防ぎようがない事故も起こってしまいます。そのような時のために、自転車保険も年々充実してきているのです。

自転車保険の補償内容

自転車保険には様々な商品がありますが、主な補償内容は以下の通りとなっています。商品によってはある補償がなかったり、補償があっても上限金額が少なかったりと様々ですのでよく確認するようにしましょう。

個人賠償責任補償

個人賠償責任補償とは、例えば自転車に乗っていて事故を起こし相手に怪我を負わせてしまった、など「法律上の賠償責任を負った場合」に保険金が受け取れるという補償です。自転車事故で重大な過失により相手に怪我を負わせてしまったり死亡させてしまったりした場合、過去の判例では1億円近い金額の損害賠償請求となったケースもあります。貯蓄だけで損害賠償が賄える人はそういないと思いますので、個人賠償責任補償に入っているかは大きなポイントとなります。

傷害補償

損害補償とは、例えば自転車事故による怪我で通院・入院をしたときなどに保険金が受け取れるという補償です。受け取れる保険金の内容については商品によって異なりますが、主に以下のような種類があります。

・入院保険金

・入院一時金

・通院保険金

・死亡保険金

・後遺障がい保険金 など

その他特約など

その他、自転車保険もその他の保険と同じように特約を付加することで様々な内容を補償することができます。代表的な自転車保険の特約としては示談交渉サービスや弁護士費用の補償、ロードサービスなどがあります。商品によっては車両盗難特約を付けることで、自転車が盗難に遭った際に保険金を受け取れるという特約もあります。自転車保険の特約は付加しても保険料が少ししか変わらないことが多いので、必要だと思われる特約があれば積極的に付加しておくとよいでしょう。

自転車保険の義務化について

自転車事故による高額な損害賠償例を背景に、現在日本では自転車保険の義務化の動きが広まってきています。子供による自転車事故で約9,500万円の損害賠償命令が母親に命じられたことがきっかけで、2015年に日本で初めて兵庫県が自転車保険を義務化しました。これを皮切りに大阪府など他の県も追随し、2020年4月より東京都でも加入が義務付けられました。自治体によっては自転車保険の必要な補償内容を条例で定めていたり、義務化ではなく努力義務としているなど、条例の内容や決められたルールは様々です。また、これらの条例は自分がその県に住んでいるかどうかにかかわらず自転車を運転する場所に応じて適用されますので、義務化の対象地域に住んでいなくても、その地域で自転車に乗るのであれば、基本的に保険への加入が義務付けられます。県境に住んでいる場合や、県外の学校に自転車で通学している場合などは特に気をつけましょう。

2021年10月時点の全国の状況


都道府県 政令指定都市
義務

宮城県・山形県・群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・山梨県・長野県・静岡県・愛知県(2021年10月~)・三重県(2021年10月~)・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・愛媛県・福岡県・熊本県(2021年10月~)・大分県・宮崎県・鹿児島県

仙台市・さいたま市・千葉市・相模原市・静岡市・名古屋市・京都市・堺市・岡山市・福岡市
努力義務 北海道・青森県・茨城県・千葉県・富山県・和歌山県・鳥取県・徳島県・香川県・高知県 北九州市

現在のところ、義務や努力義務となっている地域でも、自転車保険に加入していなくても罰則は制定されていません。しかし万が一の事故が起こってしまったときに後悔するのは自分ですので、義務化の有無にかかわらずしっかり備えをしておくようにしましょう。

自転車事故による高額賠償事例

自転車事故により、実際に損害賠償請求が高額になった事例は以下のようなケースがあります。これを見ると子供であっても高額請求が行われることや、自転車と歩行者の事故では歩行者に重大な怪我を負わせかねないことがわかります。

事故の概要 損害賠償請求額
11歳の男子小学生が夜間、帰宅中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の62歳女性と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折などを負い、意識が戻らない状態となった。 9,521万円
男子高校生が昼間、自転車横断帯手前の歩道から車道を斜めに横断、自転車で対向車線を直進してきた24歳男性会社員と衝突。男性会社員に言語機能の喪失などの重大な障害が残った。 9,266万円
男性が夕方、ペットボトルを片手にスピードを落とさず下り坂を走行して交差点に進入し、横断歩道を横断中の38歳女性と衝突。女性は脳挫傷などを負い3日後に死亡。 6,779万円

自転車保険の選び方のポイント

示談交渉サービスの有無

示談交渉サービスとは、被害者との賠償問題の解決を、加害者である被保険者に代わって保険会社が交渉するというサービスです。このサービスは元々の自転車保険の補償内容に入っている商品もあれば、特約として付加するタイプの商品もあります。実際に事故に遭ってしまった場合、被害者との交渉は多くの労力や時間がかかり、精神的・体力的な負荷が大きくなります。示談交渉サービスが付帯されているかどうかは必ず確認するようにしましょう。

個人賠償責任の保険金額

自転車事故で金銭的に負担が大きくなるのは、事故を起こしてしまい被害者の人に損害賠償を支払わなくてはいけなくなった場合が大半です。そのため自転車保険選びで重要なのは個人賠償責任の保険金額です。高額なケースだと1億円近い賠償命令が下ることもありますので、最大の保険金額が1億円以上となっている商品を選ぶのが安全です。

他の保険と内容が被っていないか

自転車保険を検討する際にまず確認すべきなのは、すでに加入している保険で内容が被っていないかという点です。事故に関する補償は自動車保険・火災保険・傷害保険の特約としてすでに付帯しているケースが多くあります。自身がすでに加入している保険で、自転車に関する事故も補償されるかどうかはまず確認しましょう。また、すでに加入している保険の中に自転車事故に対する補償が含まれていたとしても、「子どもは保険の適用範囲外」としている場合もあります。その場合、もし自分の子どもが自転車で事故を起こした場合に補償されなくなってしまいますので子ども自身を対象とする自転車保険に加入させたり、被保険者の家族までカバーされるように保険内容を変更したりする必要があります。

重複加入で過剰な保険料を支払うことのないように、現在契約している保険内容はよく確認するようにしましょう。

自転車保険の必要性を理解しよう

自転車保険について解説しました。自転車を使う人は万が一の際に「保険に入っておけばよかった」と後悔することのないよう、内容をしっかり理解して自転車保険への加入を検討しましょう。

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