2022/06/21
海外駐在員の年収・待遇は?商社/銀行/メーカー/国際機関の事例【独自調査】
海外駐在を経験したOpenMoneyユーザーから伺った、業界各社の海外駐在時の年収・待遇事例を紹介します。
駐在直前から直後の年収変遷も明らかにしています。
20代で実質年収2,000万円超も!海外駐在員の年収・待遇事例
■20代 みずほ銀行 駐在時年収660万円
年収 | 515万円 → 660万円 |
駐在に伴う手当 | 毎月15万円の駐在手当 |
手当以外のベネフィット | 住居費は全額会社負担 |
赴任地 | ヨーロッパ |
(本人コメント)
駐在中に一度昇給しましたが、駐在手当は変わらず15万円程度でした。
60万円程度の家賃の物件に全額会社負担で住めていましたね。
■30代 豊田通商 駐在時年収1,550万円
年収 | 1,300万円 → 1,550万円 |
駐在に伴う手当 | ・毎月18万円の駐在手当 ・毎月4万円の勤務地手当 |
手当以外のベネフィット | 住居費は全額会社負担 |
赴任地 | 東南アジア |
(本人コメント)
毎月の家賃が45万円くらいの家に無料(会社負担)で住んでいました。
うちよりも大きい商社はもっと好条件だと聞きますが…
■30代 国際協力機構(JICA) 駐在時年収1,140万円
年収 | 420万円 → 1,140万円 |
駐在に伴う手当 | ・毎月30万円の駐在手当 ・毎月30万円の住宅手当(実費支給) |
手当以外のベネフィット | - |
赴任地 | 東南アジア |
(本人コメント)
住宅手当は実費で30万円ほど支給され、その範囲内で家を見つけてね、という感じでした。
支給額未満の家賃のところに住んだ場合には差額はもらえるようです。
ちなみにJICAからの給与は非課税のため、額面=手取りとなります。
ただ、年金等の加入もありません。
■20代 日揮ホールディングス 駐在時年収1,220万円
年収 | 600万円 → 1,220万円 |
駐在に伴う手当 | ・週6日勤務で残業代の天井なし ・ハードシップ手当あり →毎月の手取りが90万円ほど |
手当以外のベネフィット | 税金だけでなく衣食住すべてを会社が負担 |
赴任地 | 中東 |
(本人コメント)
日揮の駐在は若いほど高給になるような仕組みでした。
当時は残業代の天井もなく、税金も衣食住も会社負担。勤務は週6日で、中東のハードシップ手当もついていました。
手取りで月90万円程度にはなっていたと思います。
■20代 丸紅 駐在時年収860万円
年収 | 650万円 → 860万円 |
駐在に伴う手当 | ・毎月13万円の駐在手当 ・毎月5万円の危険地手当 |
手当以外のベネフィット | 住居費は全額会社負担 |
赴任地 | 南米 |
(本人コメント)
日本の基本報酬(通常の給与)に駐在手当、現地(危険地)手当、通勤手当などの現地報酬が加わる形です。
私は比較的ハードシップの高いエリアに駐在していました。また、家賃などは会社が全部出してくれていましたね。
日本にいる時と比べて額面で1.3〜1.5倍くらい、税金がかからないぶん手取りは1.5〜1.6倍くらいだったと思います。
■20代 JFE商事 駐在時年収1,300万円
年収 | 650万円 → 1,300万円 |
駐在に伴う手当 | 毎月40万円の駐在手当 |
手当以外のベネフィット | 住居費は自己負担1万円のみ |
赴任地 | 東南アジア |
(本人コメント)
すごくややこしいのですが、総支給で1,300万円くらいになっていたと思います。基本給40万円+駐在手当40万円に賞与が300万円ほど。手取りは1,100万円程度でしょうか。
毎月の駐在手当40万円のうち8.2万円は固定残業代のようなものです。30時間分くらいが見込まれています。
10万円ほどの家賃のうち1万円だけを払っていて、残りは全部会社が払ってくれました。
■30代 パイオニア 駐在時年収900万円
年収 | 500万円 → 900万円 |
駐在に伴う手当 | 駐在手当全体で500万円ほど |
手当以外のベネフィット | ・住居費は全額会社負担 ・子どもの助成費として毎月2万円 |
赴任地 | 北米 |
(本人コメント)
日本での給与は400万円ほどで、そこに駐在に伴う現地報酬が500万円分(5万ドル)くらい乗ります。
家賃25〜30万円の家にタダで住んでいたのと、子どもの養育に伴う助成費として2万円ほどもらっていました。車も会社が用意してくれました。
■20代 伊藤忠商事 駐在時年収1,500万円
年収 | 1,000万円 → 1,500万円 |
駐在に伴う手当 | ・年間200〜300万円の物価調整手当 ・危険地手当 |
手当以外のベネフィット | 住居費は全額会社負担 |
赴任地 | 北米 |
(本人コメント)
日本の等級に対応する現地給与を現地の通貨でまずもらいます。そこに物価調整手当と危険地手当が加わります。
危険地手当が支給されないエリアもありますね。
また、給与とは別でハウジングアローワンス(住宅費)がもらえます。私が駐在していた当時は住む物件にかかわらず年間80,000ドルくらいでしたが、今は実費精算に変わったのかな?
加えて、駐在によって配偶者と別居することになった場合には、別居手当が10〜15万円くらい出るようです。
私の場合はハウジングアローワンス込みで実質年収2,200〜2,300万円ほどになりました。
一般的なビジネスパーソンとしてはきわめて高待遇
各種手当や住居費の会社負担など、海外駐在員の待遇はきわめて高いと言えます。加えて、海外勤務に対する給与は日本の所得税の対象にならず、赴任先の税金は会社が肩代わりするのが一般的であるため、税制面でも有利で手取りの割合が増えます。
一方で、海外駐在員の労務管理は難しく、異国の地で長時間労働という話も聞かれます。また、海外駐在員が事件や事故に巻き込まれることも稀にですがあります。
経済的には素晴らしくとも、良いことばかりではないようです。